ブレードランナー 2049
Blade Runner 2049
監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本ハンプトン・ファンチャー
マイケル・グリーン
原案ハンプトン・ファンチャー
原作キャラクター創造
フィリップ・K・ディック
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
製作アンドリュー・A・コソーヴ
ブロデリック・ジョンソン
『ブレードランナー 2049』(ブレードランナー ニー・ゼロ・ヨン・キュウ[5]、原題:Blade Runner 2049)は、2017年のアメリカ合衆国のSF映画。ライアン・ゴズリング主演、監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。
1982年制作の映画『ブレードランナー』の続編であり、前作の主演ハリソン・フォードが引き続きリック・デッカード役で出演し、前作の監督リドリー・スコットは製作総指揮を務めた。
第90回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、2部門を受賞した。 2049年、環境破壊が進む地球では、外宇宙オフワールドの新天地へ旅立てなかった人々が、陰鬱な世界で暮らしている。2022年の「大停電事件」以降、人造人間「レプリカント」は製造禁止となっていたが、2036年にウォレス社がネクサス9型を開発したことで再び人間の使役として働いている。旧型のネクサス8型レプリカントは、専任捜査官「ブレードランナー」によって追跡され、「解任(抹殺)」されている。 ネクサス9型レプリカントのKは、ロサンゼルス警察(LAPD)のブレードランナーとして同胞を狩る仕事に就いている。人間に蔑まれ、心許せる相手は、自宅で待つウォレス社製のメイドAIジョイのみだった。ある日、Kはロサンゼルス郊外で農場を営んでいた逃亡レプリカントのサッパー・モートンを「解任」するが、庭の枯木の根元に埋められていたトランクを発見する。トランクの中身は女性の遺骨で、検死の結果、約30年前に亡くなったレプリカントのものであり、出産時に帝王切開の合併症で死亡したことが判明する。レプリカントの出産は前代未聞であり、Kの上司であるジョシ警部補は、事実公表によって起きるであろう社会混乱を憂慮し、Kに事件の痕跡をすべて消すように命令する。 Kはウォレス社を訪ね、メモリーバンクの記録から、遺骨は2019年に逃亡したレプリカントのレイチェルであること、逃亡直前にLAPDの元ブレードランナー、リック・デッカードと恋愛関係にあったことを知る。モートンの農場に戻りもう一度調べると、枯木の根に「6-10-21」という数字が彫られていることに気付く。数字はK自身の情緒安定用の疑似記憶にある木彫りの馬の玩具(木馬)に彫られた数字と一致していた。Kは2021年6月10日生まれの出生記録・DNA記録を調査し、同一のDNAを持つ男女の2名の記録を発見。ふたりが預けられていたサンディエゴの孤児施設を訪れ、記憶と同じ場所で木馬の実物を発見する。自分の出自に困惑するKに対し、ジョイは「生まれてきた」証拠だと喜び、Kに「ジョー」という人間の名を贈る。 一方、ウォレス社長は、レプリカントの生みの親であるタイレル博士が成功しながら、その後ロストテクノロジーとなっているレプリカントの生殖技術を欲しており、片腕であるレプリカントのラヴにレイチェルの子供を見つけ連れて来るよう命令する。ラヴはLAPDに忍び込んでレイチェルの遺骨を盗み出し、秘かにKの動向を追跡する。 Kは高名なレプリカント用記憶作家のアナ・ステリン博士を訪ね、自身の記憶の真贋鑑定を依頼する。ステリンは本物の誰かの記憶であると回答し、Kは激情を露わにする。Kはジョシに「出自を知らずにレプリカントとして働いていた対象の子供を見つけたが、処分した」と嘘の報告をし、携帯端末のエマネーターにジョイを連れて逃亡する。木馬の材質分析からゴーストタウン化したラスベガスを訪れ、カジノに身を隠していたデッカードと遭遇する。デッカードは30年前妊娠したレイチェルをある「仲間」に委ねたあと、発見されるリスクを避けるため、生まれた子供とは一切会っていないと打ち明ける。 エマネーターの反応喪失によってKの居所がつかめなくなったラヴは、ジョシのオフィスに押し入りKの行方を尋ねるがジョシは拒む。ラブはジョシを殺害し、ジョシの端末からKの所在を探り出してラスベガスに急行してデッカードを誘拐する。Kは抵抗するがラヴに叩きのめされ、エマネーターは破壊される。これによりジョイは消滅する。 Kはデッカードの仲間を名乗るフレイザ率いる「レプリカント解放運動」によって救助される。Kに仲間に加わるよう誘うフレイザは、レイチェルの子は男児ではなく、女児であることを明かす。Kはステリン博士がその娘であり、ステリンの記憶が自身に埋め込まれていたのだと悟る。フレイザは解放運動のメンバーと女児の安全を守るため、デッカードを殺害するようKに依頼する。一方、ウォレスはデッカードに子供を隠した仲間について詰問し、再生したレイチェルをその対価として用意するが、デッカードは拒否する。ウォレスはデッカードを地球外植民地(オフワールド)で拷問にかけることに決める。 ラヴはデッカードを拘束してLA空港に向かうが、途上でKの急襲を受ける。Kは死闘の末にラヴを殺し、デッカードの死亡も偽装したうえでデッカードをステリンの研究所へ連れて行く。デッカードを見送った後、Kは負った深傷を確認し、降り続く雪を眺めながら瞼を閉じた。
ストーリー
登場人物・キャスト
K / ジョー(Joe)
演 - ライアン・ゴズリング、日本語吹替 - 加瀬康之[6]本作の主人公。LAPDにてブレードランナーを務めるネクサス9型レプリカント。形式番号はKD6-3.7(ケー・ディー・シックス・ダッシュ・スリー・ドット・セブン)。同僚からは「人間もどき(skin-job)」と蔑まれている。
リック・デッカード(Rick Deckard)
演 - ハリソン・フォード、日本語吹替 - 磯部勉[6]前作の主人公。2019年にレプリカントのレイチェルと共に消息不明となった元ブレードランナー。