ブレッドボード
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この項目では、電子基板について説明しています。料理道具については「まな板」をご覧ください。
最近主流になっている、ソルダーレス(=はんだづけ不要)のブレッドボード。この写真は その中でも比較的小さいタイプで、穴が400のタイプ。 (やや珍しい)上のソルダーレスタイプと同じ配置ではんだづけするタイプ。同じ場所に同じ部品を配置すれば同じ回路ができるようになっており、一旦ソルダーレスタイプで回路を組み実験して成功したら、念のためその部品をそのままこちらに移してはんだ付けして、振動などを受けても部品がはずれることのない恒久的な回路として使う、という目的のもの。 ソルダレス・ブレッドボードで回路を組んだ例

ブレッドボード(英:breadboard, prototyping board あるいはprotoboard)とは、電子回路実験や試作をするための板のことである[1]。「プロトタイプ基板[2]」や「プロトタイピング基板[3]」とも。目次

1 概説

2 種類、分類

3 歴史

4 木の板を用いるタイプ

5 ワイヤラッピング式

6 ユニバーサル基板タイプ

7 差し込み式

8 脚注

9 関連項目

概説

ブレッドボードは電子回路の実験試作評価などに用いる。

「breadboard」というのは、本来の意味は、パンを切る時にパンをのせる板のことである[1]。「bread ブレッド」(=パン)+「board ボード」(=板)という構成の語であり、あえて日本語に訳せば「パン切り用まな板」といったところである。ラジオの初期からすでに、ラジオ愛好家たちがパン切り用の木製のブレッドボード上で回路を作ってきた歴史があるので、「breadboard」が回路の実験・試作用の板、という意味でも用いられるようになった。(なお英語圏では現在でも「パン切り用のまな板」は普通に日常生活で使われつづけているわけなので)英語圏の一般人の日常生活では「breadboard」と言えばまずパン切り用のまな板を指している[1]。)

ブレッドボードの中でも特に、各種電子部品ジャンパ線を差し込むだけで電子回路を組むことの出来る、はんだ付けが不要なタイプの基板を指す場合、1970年代には英語では「solderless breadboard(ソルダーレス・ブレッドボード)」と呼ばれていた。最近では、はんだづけがないものが一般的になってきて他のタイプはめっきり減ったので、英語でも単に「breadboard」と呼ぶことが多い。ただし、歴史的経緯もふまえると、単に"breadboard"と言った場合、「試作用基板」全般を指しうるため、初期の「板に自力で釘を打ち付けたもの」から「基板からあらかじめ金属端子が多数突き出ていて線を巻きつけるもの」、ユニバーサル基板なども含むことになる。

2010年代の日本のアマチュア工作の世界では、漠然と「ブレッドボード」と言うと、穴に素子やワイヤーを差し込むタイプ(ソルダレスタイプ)をもっぱら指していることが多い。

以下歴史を踏まえて順に解説するが、最近のものにしか興味がない読者は#ユニバーサル基板タイプ#差し込み式の節に直行のこと。
種類、分類

いくつか分類法があるが、古いタイプも含めて全体を概観して分類すると、差し込み式 / はんだづけ式 / ワイヤラッピング式 / (木の板タイプ) などと分類することも可能である。

最近のものは「はんだづけが必要なタイプ」および「はんだづけが不要(ソルダーレス)のタイプ」に2大別する方法がある。ソルダーレス式ははんだ付けが不要ということが大きな特徴である。試行錯誤のために何度もハンダをつけたり取ったりすると熱に弱い部品を劣化させたり壊してしまうことがあるが、はんだづけ不要のタイプはそうならないという長所がある。
歴史 1920年代TRF受信機。Signal社製。木製の板の上に組み立てられている。この時代、メーカー製の受信機ですら木製の板の上に組み立てられていたのである。

1900年代初頭のラジオ黎明期から、ラジオ愛好家たちは回路を組むのにあたり、入手しやすく安価で丈夫な木製のパン切りまな板を用いてきた[4]。当時のラジオの部品はひとつひとつが現在のものと比べてかなり大きく、一辺が数cm?10cm弱もあるような塊のような形状の部品ばかりで、おまけにそれなりに重い部品だったので、それらを配置するのにパン切りまな板のサイズや丈夫さはちょうどよかったこと、また乾燥させた木材はちょうど手ごろな絶縁体であることも、パン切りまな板が選ばれた理由として挙げられる。回路の部品(トランスフォーマー真空管キャパシタ、銅線、端子など)を配置し、はんだ付けして回路を作った。また画鋲を使う、というのも一般的であった。

を打って、それを中継ラグ端子とし、そこに部品や配線をハンダ付けしたり、線を巻きつけることで接続して、回路に関するアイデアについて試行錯誤を行う、ということも行われた。

ブレッドボードについてのアイディアは徐々に増え、さまざまなタイプが登場した。

たとえば1961年の米国特許3145483Aは、木製の板にバネ機能を持った部品や他の部品をあらかじめ組み付けたブレッドボードである[5]。たとえば1967年の米国特許3496419は回路をあらかじめプリントしておく、というものである[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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