ブレインストーム
Brainstorm
監督ダグラス・トランブル
脚本ロバート・スティッツェル
フィリップ・フランク・メッシーナ
原案ブルース・ジョエル・ルービン
製作ダグラス・トランブル
製作総指揮ジョエル・L・フリードマン
出演者クリストファー・ウォーケン
ナタリー・ウッド
音楽ジェームズ・ホーナー
撮影リチャード・ユリシッチ
『ブレインストーム』(Brainstorm)は、1983年のアメリカのMGM/UA製作、監督ダグラス・トランブル、主演クリストファー・ウォーケンのSF映画。 複合未来産業エヴァンス電子研究所の研究チームは、リリアン・レイノルズ博士をチーフとする画期的な実験を行っていた。 人間の記憶・知覚を他人に伝達するヘルメット型マシンをマイケル・ブレイスが被り、研究助手のゴーディと実験を続けている。「ブレインストーム」と名付けられた知覚伝達の研究は完成に近づきつつあった。最初はぼやけていた映像が鮮明になり、装置で接続された2人の間に神経伝達が行われた。「ブレインストーム」は直接の知覚伝達だけではなく、記録ができるようになる。 研究の完成を聞いた会社のオーナー、アレックス・ターソンは重役会を招集してマシーンを披露する。人間の脳から直接、攻撃を指令できる技術に軍部が介入して来る。リリアンは研究の軍事転用に強く反対する。 一方、研究員のハルがセックス・シーンをエンドレスにしたブレインストームのテープをかけ、心臓麻痺をおこしかける事件がおき、ブレインストーム・テープの危険性が認知されるようになる。そのような情勢の中、研究と軍との折衝でストレスのかかっていたリリアンは、1人で研究中に心臓発作に襲われる。死を悟ったリリアンは懸命にブレインストームを起動し、死の瞬間を記録にとどめつつ逝った。 彼女の死を契機として、軍が研究室を占拠し、軍事転用の研究を始めた。マイケルはリリアンの「死」を記録したテープに執着し、軍の管理下に置かれたテープを再生しようとする。妻カレンと退職したハルの協力を得て、遠隔操作で研究室の設備にアクセスしテープを再生、リリアンの臨死体験から死の世界へと引き込まれる。 役名俳優日本語吹替 脳の情報をアップロード/ダウンロードするのは、サイバーパンクの常套手段だが、その手前の技術で、記憶と刺激をアウトプット/インプットする装置が「ブレインストーム」だと言える。オープニングのモザイク模様から本編につながる見せ方や、装置がヘルメット型からヘッドギア型、カチューシャ型へ改良していく姿で研究の進歩を表現するなど、技術の描き方に製作者のこだわりが見える。 記録は魚眼レンズを使った「泡」のように表現され、自身の体験と疑似体験を区別している。擬似体験が脳に対しては実体験として伝わっている事が、記録の再生で致死寸前になる状態の場面で表されている。撮影のために小型の8mmフィルム映写機、球形のスクリーンとモーション・コントロール・カメラを組み合わせ大量のイメージを自動撮影するシステムが作られた。『マイノリティ・リポート』などにこの映像の影響が見られる。 「死」の記録で臨死体験を映像化しており、魂が肉体を離れて舞い上って行く途中に人生のエピソードの「泡」に入ることで、走馬灯のように人生を振り返る様子が描かれている。 撮影中、ボートの水没事故で女優のナタリー・ウッドが水死している。この「死」の体験を描いた映画は、エンドロールに「TO NATALIE」とあるように、ウッドの遺作となってしまった。なお2018年2月1日、捜査当局者はこの件について「不審死」として捜査を行なっていることを明らかにした。 当初はトランブルが提唱している「ショースキャン(動体解像度を飛躍的に高め、現実と人工映像との差を無くすために大画面フィルムを60コマ/秒で駆動する)」をブレインストーム装着時のイメージとして用いる予定であったが、通常の24コマ/秒とショースキャンの60コマ/秒を切り替えて上映する困難さからスクリーンサイズを通常シーンを35mmビスタサイズ、ブレインストーム装着時には65mmと使い分ける事で解決した。 バーチャル・リアリティやインターネットを予想し映像化した内容であったが興行的には苦戦し、上記通り制作費に対し収益が半分程度しか上がらず、劇場用映画としてはトランブル最後の監督作になっただけでなく、視覚効果スタジオEEGも退く事になった。
ストーリー
キャスト
TBS版
マイケル・ブレイスクリストファー・ウォーケン曽我部和恭
リリアン・レイノルズルイーズ・フレッチャー竹口安芸子
カレン・ブレイスナタリー・ウッド沢田敏子
アレックス・ターソンクリフ・ロバートソン寺島幹夫
ハル・アブラムソンジョー・ドーシー
ゴーディ・フォーブスジョーダン・クリストファー
ランドン・マークスドナルド・ホットン小島敏彦
ロバート・ジェンキンスアラン・ファッジ
TBS版:初回放送1989年9月28日『木曜シネマパラダイス』(深夜枠)※新盤DVD収録
スタッフ
監督:ダグラス・トランブル
脚本:ロバート・スティッツェル、フィリップ・フランク・メッシーナ
原案:ブルース・ジョエル・ルービン
撮影監督:リチャード・ユリシッチ
音楽:ジェームズ・ホーナー
プロダクション・デザイン:ジョン・バローネ
衣裳デザイン:ドン・フェルド
アートディレクター:デヴィッド・L・スナイダー
概要
賞
1984年度サターン賞 音楽賞(ジェームズ・ホーナー)、主演女優賞(ルイーズ・フレッチャー)受賞
参考文献^ “Brainstorm
外部リンク
ブレインストーム - allcinema
⇒ブレインストーム - KINENOTE
Brainstorm - オールムービー(英語)
Brainstorm - IMDb(英語)