ブレイキング・バッド
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ブレイキング・バッド
Breaking Bad

ジャンル犯罪
サスペンス
ブラックコメディ
新西部劇
悲劇
企画ヴィンス・ギリガン
出演者ブライアン・クランストン
作曲Dave Porter
製作
製作ソニー・ピクチャーズ テレビジョン

放送
放送局AMC
放送国・地域アメリカ
放送期間 アメリカ合衆国2008年1月20日 - 2013年9月29日
放送時間47分
公式ウェブサイト

番組年表
次作ベター・コール・ソウル
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『ブレイキング・バッド』(Breaking Bad)は、ヴィンス・ギリガンによって制作されたアメリカテレビドラマシリーズである。このテレビドラマはソニー・ピクチャーズ テレビジョンによって製作され、ケーブルチャンネルAMCによって米国とカナダ2008年1月20日から2013年9月29日まで放送された。

撮影は主にニューメキシコ州アルバカーキで行われた。

さまざまな批評家の称賛を受けており、多くの賞を受賞している。プライムタイム・エミー賞では、主演のクランストンはベスト男優賞を4度連続獲得、ポールは助演男優賞を3度獲得し、そして 作品賞 (ドラマ部門)に5度ノミネートされ、2013年と2014年に受賞した。さらにクランストンはゴールデングローブ賞のベスト男優賞に4度、全米映画俳優組合賞のベスト男優賞に5度ノミネートされた。そのうち、第19回全米映画俳優組合賞第20回全米映画俳優組合賞及び第71回ゴールデングローブ賞を受賞した。

日本ではフジテレビNEXTおよびスーパー!ドラマTVで放映され、DVDがソニー・ピクチャーズ エンタテインメントからリリースされた。
あらすじ

舞台は2008年のニューメキシコ州アルバカーキ。偉大な成功を遂げるはずだった天才化学者ウォルター・ホワイト(英語版)は、人生に敗れ、50歳になる現在、心ならずも高校の化学教師の職に就いている[1]。妊娠中の妻、脳性麻痺の息子、多額の住宅ローンを抱え、洗車場のアルバイトを掛け持ちしていても、なお家計にはゆとりがない。ある日、ステージIIIAの肺癌で余命2?3年と診断され、自身の医療費と家族の経済的安定を確保するために多額の金が必要になる。義弟ハンクや旧友エリオットが費用の援助を買って出るが、あくまで自力で稼ぎたいウォルターはそれらを拒み、代わりにメタンフェタミン(通称メス)の製造・販売に望みをかける。麻薬取引については何も知らず、元教え子の売人ジェシー・ピンクマンを相棒にして、家族に秘密でビジネスを開始。裏社会での名乗りは 「ハイゼンベルク」。製造拠点はRV(キャンピングカー)。卓越した化学知識と品質へのこだわりによって、彼は世に比類なき高純度のクリスタル・メスを開発する。増産用の新プロセスで作ったメスは純度はそのままで独特の青い色味を帯び、「ブルーメス」 の名でたちまち市場に君臨する。ビジネスにおいても家庭においても逐次発生する危険なトラブル。大物ドラッグ・ディーラーとの提携、そして対立。家族を養い守るため、あるいは相棒を守るための必要悪を謳いながら、ウォルターは実際に悪に染まり、要求内容にも実現手段にも益々節度がなくなっていく。やがてウォルター・ホワイトことハイゼンベルクは押しも押されもせぬ〈麻薬王〉にまでのし上がり、巨万の富を築き上げるが、その過程で為した諸行為および彼自身の人格変化は、愛する家族を、愛する相棒を、償い得ぬほどに害していた。
登場人物
主人公
ウォルター・ホワイト
(英語版)


演 - ブライアン・クランストン、日本語吹替 - 牛山茂

ウォルター・ハートウェル・ホワイト・シニア(Walter Hartwell White Sr.)は、博学多識な天才化学者。地味で生真面目な遵法市民として暮らしながら、裏では ハイゼンベルク(Heisenberg)の異名においてメス調理を稼業とする。シリーズの中心的キャラクターであり、彼の変化が物語の焦点になる。作中で起こる悪しき出来事は全て何らかの形でウォルターに起因するように作られている[2]

[背景と性格]:一人っ子。6歳の時に父と死別し、母とは後に疎遠になる。カリフォルニア工科大学にて化学を学ぶ。専門は結晶学。大学院において助力した研究プロジェクトは1985年にノーベル賞を授与され、ウォルターは貢献を認める盾を贈られる。同院在学中に学友のエリオット・シュワルツおよびグレッチェンと共同でグレイ・マター社を設立し、「世界に嵐を起こす」意気込みで、2、3の特許を申請する。その後まもなく、かねてより恋仲にあったグレッチェンの家族を訪ねたウォルターは、彼らが非常に裕福なことを知って恐れをなし、理由も告げずに行方をくらましてしまう。これは、ウォルターが自身の劣等性(特権への繋がりの欠如)に対処できなかったためである[3]。後日、社における自身のシェアを共同経営者たちに$5000で売り、事業と恋人の両方に背を向ける。それから転々といくつかの研究所に職を得るが、その間に11歳年下の美女スカイラーと出会って結婚し、アルバカーキにプール付きの家を買い、そして脳性麻痺の息子ウォルター・ホワイト・ジュニアを授かる。

50歳の現在、ウォルターは地元公立高校の化学教師に落ち着き、副業として洗車場でも働いている。妻は思いがけず授かった第二子ホリーを妊娠中。近間に住む妻の妹マリーとその夫ハンク・シュレイダー(DEA捜査官)とは懇意にしていて、彼らと合わせて一個の家族を形成している。その一家の長は明らかにハンクである。友人はなく、生徒にも尊敬されていない。

一方、グレイ・マター社は非常な成功を遂げて時価数十億ドルの大企業になり、グレッチェンとエリオット・シュワルツは結婚して富豪夫婦になっている。自分の意思で手放したにもかかわらず、ウォルターはグレイ・マター社の株価を毎週チェックすることを続けながら、「私を切り捨て」 「私の仕事の上に帝国を築いた」 としてシュワルツ夫妻に内心憤慨(逆恨み)している。

使用する自動車はポンティアック・アズテック。同車は「史上最も醜い車100選」の1位に選ばれたことがある。

[キャラクター開発と論評]:ウォルター・ホワイトはアメリカのテレビ史上最高にして最も象徴的なキャラクターの1つだと考えられている。そのキャラクター開発と俳優の演技は共に批評家の絶賛を受けている。

チップス先生スカーフェイスに変える」という当初からの宣告通り、制作陣はシリーズを通してウォルターを徐々に共感できないダークな人物にしていった。その構想には、「誰に引き寄せられているのか。それは何故か」 を視聴者に問題視させる狙いもあった。制作陣はシリーズのある時点までは、ウォルターが卑劣な行為をしても彼に対する視聴者の同情が保たれるように腐心していた[4][5][6]

Scott MeslowはThe Atlanticにおいて、ウォルターの凶悪さは潜在的にはシリーズ開始以前からあり、癌はそれを表面化させる触媒に過ぎなかったと指摘した[7]。A.O. ScottはNew York Timesにおいて、5シーズンにわたるウォルターの変化は実際には見かけほど過激ではなく「彼の人格の諸側面――ソシオパスと家族の男、化学者と殺人者、合理的な存在と衝動の生物、起業家と敗者」は必ずしも矛盾しないと述べた[8]。制作者ヴィンス・ギリガンは、ウォルターを「世界最大の嘘つきの一人」と呼んだ。ウォルターは自分が何者かについて常に嘘をついているが、彼を際立った嘘つきにしているのは、何よりもまず自分自身に対して嘘をついているところだとする。彼は自身を「家族に尽くす善良な男」と見なしていたが、実際には家族ではなく自分のため、ボスの気分を味わうために行動していた[2][9]。「ウォルター・ホワイトは大変強力で危険な男であるとともに、大変傷ついた男でもある。そして彼がそれを認めようとなかろうと、内心ひどい無力を感じているために、力を誇示しなければならない。彼は本当に恐ろしく低い自尊心の問題を抱えていると思う。ゆえにウォルトが尊敬を得て尊敬を感じることは非常に重要だ」とギリガンは語った[10]。監督の一人であるピーター・グールドは、ウォルターはシリーズを通して「有力で、重要な、逞しい男」として見られることを切望していたのだと述べた[11]


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