ブリーセーイス
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イギリス彫刻家ジョン・フラックスマンが1805年に描いた怒れるアキレウスとアガメムノーンに引き渡されるブリーセーイス。

ブリーセーイス(古希: Βριση??, Br?s?is)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してブリセイスとも表記される。ブリーセウスの娘とも[1][2]クリューセースの娘ともいわれる[3]。リュルネーソスの王ミュネースの妻。
神話

ミュネースの妻ブリーセーイスは、トロイア戦争アキレウスがリュルネーソスを陥落させた際に夫を殺され、捕虜となり、戦地におけるアキレウスの妻となった[4]。ブリーセーイスはアキレウスの捕虜の中で最も優れた女性であったが、彼女をめぐってアキレウスとアガメムノーンが対立することになった。

イーリアス』によると、アガメムノーンはクリューセースの娘クリューセーイスの返還を拒んだため、クリューセースはアポローンギリシア軍に災いが降りかかるように願った。これを聞いたアポローンはギリシア軍の陣営に必殺の矢を雨のように放ち、多くのギリシア兵が倒れた。このためアキレウスはクリューセーイスの返還を提案したが、アガメムノーンは返還に応じるかわりにアキレウスの捕虜ブリーセーイスをもらうと言い張った。女神アテーナーになだめられたアキレウスはアガメムノーンにブリーセーイスを引き渡したが、腹を立てて戦場に出て戦うことをやめてしまった。

その後の戦闘でギリシア軍が不利になると、アガメムノーンはブリーセーイスをアキレウスに返還して和解しようとしたが、アキレウスはこの申し出を断った。このためギリシア軍は苦戦が続いたが、パトロクロスが戦死したときアキレウスはついにアガメムノーンと和解してブリーセーイスを受け取り、戦場に復帰したという[5]
脚注^ 『イーリアス』1巻、9巻。
^ ヒュギーヌス、106話。
^ アポロドーロス、摘要(E)4・1。
^ 『イーリアス』2巻、19巻。
^ 『イーリアス』1巻、2巻、9巻、19巻。

参考文献

ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)

高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ブリーセーイスに関連するカテゴリがあります。

ブリセイス (小惑星)










イーリアスの登場人物
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