ブラフマン_(漫画)
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『ブラフマン』は、貴島煉瓦による日本漫画作品。『月刊コミックラッシュ』(ジャイブ2004年3月号(創刊号)より連載開始。

創刊号の表紙を飾るなど、初期は看板作品として取り上げられることが多かったが、連載が続くにつれ休載が目立つようになり、2007年9月号において長期休載が発表された。その後、2年半にわたる休載を経て2010年6月号より『ブラフマンOVERBOOST』に改題し、連載を再開[1]。しかし掲載誌がWeb媒体へと以降、その後休刊したため未完のまま連載は終了している。作者のブログによると「あともう少しで完結」「今後完結まではどうするか考え中」とのこと[2]

ラッシュに掲載されている作品としては最初にアニメ化が発表されたものの、発表後の進展はなく本作と同じ創刊号からの連載である筧秀隆となグラ!』が先にアニメ化された。
ストーリー・作風

バイク好きの女子高生柊織葉は、ある日、謎めいた雰囲気を持つ兄妹、乃木坂鳴と麻生つぐみに出会う。ひょんなことから、街中で迷子になっていた妹である幼い少女、つぐみを保護した織葉。つぐみを家まで送り届けることにした織葉だったが、突如としてトカゲに似た奇怪な生物に襲われる。そんな絶体絶命ともいえる窮地に、つぐみの兄である鳴が現れる。異形の形態ブラフマン「サンサーラ」に変身した鳴は、圧倒的なパワーを持って奇怪な生物を打ち倒すと、つぐみを抱きかかえてどこかに消える。理解不能の事態を前に幻覚を疑う織葉だったが、その数日後、織葉が通う高校のクラスに、乃木坂鳴が転校生として現れた。

変身バイクPC超能力など作者の趣味を前面に出した多彩なガジェットの数々が特徴的。作中で織葉が乗るバイクや、つぐみが扱うPCなどは実際に存在する物が使用されている。SF的要素の強い作品であり、作中には数々の謎や伏線が張り巡らされている。
登場人物
主人公
乃木坂 鳴(のぎさか めい)
本作の主人公。ブラフマン「サンサーラ」に変身することが出来るブラフマンシステムのキャリア。直接的な血の繋がりがないつぐみを妹として扱い、高級マンションにて二人暮らしをしている。性格は冷めているようで激情家。学校などでは当たり障りのない人間を装っているが、つぐみの身に何かあったときや双子の弟、号と対面したときなどは顔つきなどが豹変する。家庭環境や、現状に対しての不満など重度のストレスを抱え込んで生活しており、怒りで感情を高ぶらせる、いわゆる
キレることも多々ある。対人関係は、弟の号と従姉の凜を除けば良好な方で、織葉や彼女の友人、家族などに出会ったことで段々と穏やかな性格になってきている。異質な環境で育ちながらも感覚は至って普通であり、嫌っていた研究開発やブラフマンシステムの実験の被検体となったのも、いざとなったらその力で兄弟たちを守るつもりからである。織葉のことは当初、変身能力などについて訊かれてもはぐらかしていたが、押しの強い彼女の性格に流され、さらに何度も彼女をリープスとの戦闘に巻き込んでしまったため、大まかな事情は話している。親しくなるにつれ、織葉のどこか達観した人間性を認めるようになり、つぐみを預けるなどそれなりに信頼している。また、織葉の中学時代の後輩である佳弥に対しては、互いに異質な力を持っていることから何かしらの共感を覚えており、織葉にも話さない自身の生い立ちなど踏み込んだ部分まで吐露している。『OVERBOOST』ではつぐみの開発したプログラムによってシステムのパワーアップを果たし、サンサーラRSとして多次元位相接続を駆使して戦っている。織葉たちとの日常を過ごす中で、特に佳弥と接する機会が多くなっており、凜の襲撃に際して共闘も行った。
柊 織葉(ひいらぎ おりは)
本作のヒロイン。自他共に認めるバイク好きで、YAMAHAを愛している。鳴とつぐみに知り合い、偶然にも鳴の変身を目撃してし、彼が織葉の通う高校のクラスに転入して来たことで親しくなる。当初、鳴には好奇心から来る興味本位で近づき、変身ヒーロー=正義の味方と考えていたが、次第に明らかになる鳴の戦う理由や、つぐみの思い、号の存在などを知り、二人のよき理解者となる。性格は、どちらかと言えばお節介、世話焼きな方で、幼いつぐみを何かと気にかけている。また、鳴に比べると非常に達観した物の見方をしており、鳴と号の争いを家族間の対立と言い切るなど、物事の核心を正確に把握している。あくまで一般人であるが、鳴やつぐみと深く関わっているため号や凜にマークされている。織葉自身も第三者として深く関わっている自覚があるらしく、号や凜と対面したときも臆することなく会話をした。両親は既に亡く、祖父と弟の三人暮らし。彼女に影響を与えた年上の男性がおり、織葉のバイク好きもその人物の影響であるとされ、作品中期まで使用していた愛車は形見だった。また、一通りの家事をこなすことが出来、特に料理はプロ級の腕前。親友の茜からはイタリアンが美味しいと絶賛されていた。後輩の佳弥とは中学時代に華道部の部活が一緒であり、それ以前の幼少期から交流がある。佳弥の持つ超能力を理解しており、理解した上で彼女を守ることを決めた。『OVERBOOST』では直接戦闘こそ行わないものの、バイクを使って鳴やつぐみのサポートをすることが多く、つぐみのことを「あたしたちの妹」というなど、実の妹のように感じ始めている節がある。事実、学芸会や文化祭の類に参加したことがないつぐみの心情を思いやり、自分のクラスの出し物に参加できるように計らうなどしている。
麻生 つぐみ(あそう - )
物語の鍵を握る少女。見た目は小学生程度の外見だが、天才的な頭脳を持っており、本人に曰くマサチューセッツ工科大学に在籍しているらしい。現在は休学中。音を聞いただけで織葉のバイクの不調箇所を見抜くなど、科学知識や機械技術、工学などには驚異的な能力を持っており、鳴を技術面から全面的にサポートしているものの、それ以外は普通の少女と何ら大差がない。ただし、幼稚園や小学校に通った経験は皆無であり、そのため一般的な学校行事を経験したことがなく、同年代の友人もいない。性格は、喜怒哀楽が割とはっきりしており子供らしい。しかし子供扱いされるのを嫌っており、背伸びをして色々なことにチャレンジしようとしては失敗している。また、独占欲が強く、織葉をはじめ、鳴と女の子が親しくなるのを快く思っておらず、何かと策を講じている。狭い世界で生きてきたためか、普通のこと、日常的な物などが珍しいらしく、また、家族という存在を実感したことがないため、織葉の祖父やYSPの店長などによく懐いている。そのため緑茶や茶菓子を好むなど、趣味が渋くなっている。娯楽に関してもまともな遊びをしたことがないらしく、折り紙やケンケンパなど古風な遊びを純粋に楽しんでいる。また、科学的に証明できないこと、俗に言うオカルトの類を嫌っており、その為、佳弥のことは当初不気味に思っていた。人懐っこいため、鳴とは違う意味で対人関係は良好で、特に織葉とは口では何だかんだと言いながらも、時には鳴より信頼していると思わせる描写もいくつか見られる。料理上手の織葉に影響されたこともあり、彼女に料理の勉強を師事している。子供なので家事はほとんど出来ず、やっても失敗しているが、家計を支えているのはつぐみであり、ハッキング等、違法手段で金を集めては生活費として使っている。今でこそ鳴と仲が良く、彼の存在を一番に思っているが、かつては鳴よりも彼の弟である号との仲の方が良かった。鳴もまた幼少の頃は、つぐみを疎んじる傾向にあったが、ある事件を境に親しくなった。号や凜の存在を心の底から恐れており、出会うと怯えを隠しきれなくなる。故に精神面においても、ある意味で人格者である織葉を頼ることが多い。『OVERBOOST』では織葉たちとの交流を重ねた結果、号や凜を相手にしても怯えることなく言い返すなど、精神的な成長が見られる。織葉以外にも茜や佳弥などからも妹のように見られることがあり、誰からも愛される存在となっている。また、響ですら実現不可能としていた多次元位相接続を独自に完成させており、その天才性は既に響や号すらも上回り始めている。
友人・家族等
橋本 茜(はしもと あかね)
織葉の親友にしてクラスメイト。織葉とは長い付き合いらしく、彼女の過去を家族以上によく知っているようである。鳴とは、彼がクラスに転校してきたことで知り合った。織葉が鳴と共に行動することが多くなったことに興味を覚え、こっそりと(本人としては)尾行した結果、リープスの襲撃の被害に遭う。


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