ブラッド・ワーク
Blood Work
監督クリント・イーストウッド
脚本ブライアン・ヘルゲランド
原作マイクル・コナリー
『わが心臓の痛み
『ブラッド・ワーク』(Blood Work)は、2002年のアメリカ合衆国のサスペンス映画。監督・主演はクリント・イーストウッド、共演はワンダ・デ・ジーザス、ジェフ・ダニエルズ、アンジェリカ・ヒューストンなど。マイクル・コナリーの『わが心臓の痛み(英語版)』[2]を原作とし、ブライアン・ヘルゲランドが脚本を担当している。 FBIの捜査官テリー・マッケイレブは、彼宛てのメッセージを現場に残す連続殺人犯を追跡していたが、心臓発作を起こして倒れてしまい、犯人を取り逃がしてしまう。マッケイレブはFBIを退職し、心臓移植手術を待つことになる。 2年後、無事に移植手術を終えて退院したマッケイレブは、港のクルーザーに生活の拠点を移して生活していた。そこにグラシエラという女性が訪れ、妹がコンビニ強盗に巻き込まれて殺された事件の捜査を依頼する。マッケイレブは依頼を断ろうとするが、自分に移植された心臓が被害者のものだったことを知り、殺人によって自分の命が生かされたことに怒りを覚え、依頼を受け入れる。マッケイレブは市警のアランゴ刑事、ウォーラー刑事に協力を求めるが十分な協力が得られなかった。犯人像をプロファイリングして連続殺人犯であると睨んだマッケイレブは図書館で類似のATM強盗殺害事件を見つけ、その事件を担当している保安官事務所のウィンストン刑事を訪れる。かつてマッケイレブの手助けで女性でありながら出世を出来たこともあるウィンストンは快く協力を申し出て、必要な捜査資料を渡す。2つの事件の凶器は同じ拳銃であることが判明した。 マッケイレブは、隣のクルーザーで暮らすバディ(本名 ジャスパー・ヌーン)を運転手にして捜査を進める(マッケイレブは心臓手術から回復途上のため運転できなかった)。捜査資料を読み込んだマッケイレブは、事件現場や凶器が盗まれた場所などとの位置関係で容疑者リストから一人の容疑者ボロトフに目をつけ、彼を問い詰めるが逃げられてしまう。また、2つの事件現場からはいずれも被害者の身につけていたものが1つずつ消えており、犯人が持ち去ったのではないかと思われた。 捜査を進めるうちに、2つの事件の被害者は同じ希少な血液型でドナー登録していたこと、二人とも犯人から脳死状態にされていたことが判明し、マッケイレブは、犯人が同一犯で、自分に心臓移植をさせるためにドナーの二人を殺したと推理した。そんな中、容疑者の一人だったボロトフが死体で発見され、近くに2事件の凶器とみられる拳銃と、2つの事件現場から消えていた遺留品が見つかったことから、ボロトフが犯人で自殺したものとアランゴ刑事らロス市警は判断して事件解決を発表するが、マッケイレブはプロファイルに合わないので疑いを持ち続ける。 コンビニ強盗発生時の防犯ビデオを見直していたマッケイレブは、事件発生時刻と911通報の順序が矛盾することに気づき、911通報した人物が犯人であると判断する。そうなるとATM強盗殺人事件の目撃者であるロックリッジも疑われるが、マッケイレブの元にアランゴ刑事、ウォーラー刑事が現れ、三件目の殺人事件が発生したことを告げる。被害者は容疑者の一人だったロックリッジで、現場には「ハッピー・バレンタイン」の文字と、2年前の連続殺人犯が残したものと同じ数字が残されていた。再び現れた犯人を捜すマッケイレブは、グラシエラの甥が数字を見て「1の数字だけない」と言ったことが頭に残り、そこから数字の意味が「1がない=ノー・ワン(No One=Noone)」だと知り、ヌーンの元に向かう。ヌーンは犯行を認め、「昔のように自分を追い掛け回して欲しいから、二人を殺して心臓を提供した」と語り、同時にグラシエラとレイモンドを人質にしたことを告げる。 マッケイレブはヌーンを連れて、二人が監禁されている廃船に向かい二人を助け出すが、ヌーンに逃げられてしまう。マッケイレブは二人をクルーザーに乗せて逃がし、ヌーンと対決する。対決の末にヌーンを射殺したマッケイレブは、グラシエラと彼女の甥と三人で新しい人生を歩み出す。
ストーリー
登場人物