ブラック・クランズマン
BlacKkKlansman
第71回カンヌ国際映画祭に出席する監督・主要キャスト
監督スパイク・リー
脚本スパイク・リー
デヴィッド・ラビノウィッツ
『ブラック・クランズマン』(BlacKkKlansman)は、2018年のアメリカ合衆国の伝記犯罪映画。監督はスパイク・リー、出演はジョン・デヴィッド・ワシントンとアダム・ドライバーなど。
ロン・ストールワース(英語版)が2014年に上梓した回顧録『ブラック・クランズマン』(鈴木沓子・玉川千絵子訳、丸屋九兵衛監修、PARCO出版、2019年)を原作とし、実話をもとに警察と白人至上主義団体の戦いを笑いありスリルありで描いた社会派の刑事アクションである[2]。 1970年代のアメリカ・コロラド州コロラドスプリングスで、アフリカ系アメリカ人(黒人)初の市警察巡査となったロンが、白人至上主義団体クー・クラックス・クランの地方支部への潜入捜査に着手し、活動内容や極秘計画を暴くまでを描く。 映画は、スパイク・リー、ショーン・レディック、ショーン・マッキトリック、ジェイソン・ブラム、ジョーダン・ピールによって製作されている。映画の制作にあたって、レディックは原作を映画化する権利を買い取り、2017年9月に、スパイク・リーが監督に決定した。キャスト陣は翌月10月に決定し、ニューヨーク州で撮影が始まった。 同映画は、2018年5月14日、第71回カンヌ国際映画祭でカンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリを受賞し、8月10日、全米で上映が開始された。その日は、白人至上主義者の極右集会「ユナイト・ザ・ライト・ラリー」からちょうど1周年の日であった。 また同作は批評家からワシントンとドライバーの演技や、映画のタイムリーな題材を賞賛され、長年賞から遠ざかっていたリー監督の復帰作としても話題となった。第91回アカデミー賞で同作は、作品賞、監督賞(リー監督にとっては初)、助演男優賞を含む6つの賞にノミネートされ、最終的に脚色賞を受賞した。 AFIはまた、2018年のトップ10映画の1つとして同作を推薦し、第76回ゴールデングローブ賞では作品賞 (ドラマ部門)を含む4つのノミネートを獲得した。 1972年、ロン・ストールワース
概要
ストーリー
情報部に正式配属されたロンは白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)の新聞広告に電話をかけ、白人のレイシストを装ってKKK支部に入会する。同僚のユダヤ系警官フリップ・ジマーマンが潜入担当、ロンは電話連絡担当として、二人一役でKKK志願者を演じることになる。
白人訛りを使いこなすロンと、現場でのトラブルにも動じないフリップの演技は優秀で、KKK支部長ウォルターや全国指導者デビッド・デュークからも信頼を得て、次期支部長に推挙されるまでになる。過激派支部員のフェリックスだけが、新入りのロンに懐疑的な目を向け続け、ロンの正体を暴こうとする。
そのフェリックスが陸軍内のシンパから受け取ったプラスチック爆薬で黒人殺傷を企んでいることを察知したロンは、自分が警官であることを明かしてパトリスに集会を避けるよう警告する。パトリスはロンが身分を隠していたことをなじる。
パトリス達の黒人集会当日、同時にKKK支部でもデュークを迎えた集会が開かれる。フリップはKKK支部員ロンとして、ロンはデュークを警護する警官として、KKK集会に参加する。その裏でフェリックスに爆弾を託された妻コニーは、警戒が強化された黒人集会場からパトリスの自宅へ標的を変える。ロンが駆けつけたためにパトリスは間一髪で難を逃れ、コニーが仕掛け損ねた爆弾でフェリックス一味は爆死してしまう。
爆弾事件の後、ロンたち捜査班は署長から慰労とともに捜査を中止させられる。ロンはデュークに電話をかけて自分の正体をばらし、狼狽するデュークを皆で嘲笑して溜飲を下げる。
ある夜、仲直りしたパトリスとロンが警察を退職するかどうかで口論していると、何者かが玄関をノックする。2人が拳銃を構えながら玄関に向かうとカメラがズームアウトし、野外で十字架を燃やす儀式を行っているKKKの集団を捉える。2017年バージニア州シャーロッツヴィルの極右集会における実際のドキュメンタリー映像が次々にカットインされる。デモ隊に自家用車が衝突し、黒人男性が「クソ野郎は俺の街から出ていけ」と悲痛に叫ぶ。轢き殺された白人女性ヘザー・ハイアーの追悼の場面が映し出され、映画が終わる。
キャスト