競走馬については「ブラックロック (競走馬)」をご覧ください。
ブラックロック
BlackRock Inc.
ニューヨークのブラックロック本社
種類公開会社
市場情報NYSE BLK
ブラックロック(BlackRock Inc.、NYSE: BLK)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に本社を置く、世界最大の資産運用会社である[2]。
2021年末における同社の運用資産残高(AUM)は10兆ドル(約1,153兆円)と日本のGDPの2倍に相当する[3][4]。世界30ヶ国・70のオフィスに合計18,000名超の従業員が在籍している[5]。ファンドを通じて主要な上場企業の大株主となっており、S&P500種株価指数を構成する企業の80 %以上において、持ち株比率の上位3位までに入っている[6]。日本ではブラックロック・ジャパン株式会社としてビジネスを展開しており、383名の社員が在籍している(2022年末時点)[7]。 ブラックロックは債券運用のブティック会社として1988年に設立された。その後、合併や買収を繰り返し、債券運用のみならず株式やオルタナティブ、アドバイザリー戦略など、幅広い金融サービスを提供する総合資産運用会社に成長した。特に2006年のメリルリンチ・インベストメント・マネジャーズとの経営統合により、株式やマルチアセット、オルタナティブのラインナップを拡充した。さらに、2009年のバークレイズ・グローバル・インベスターズとの経営統合により、アクティブ運用を強化するとともに、インデックス運用、iシェアーズ ETF(上場投資信託)ビジネスを獲得した[8]。株式や債券運用など伝統的な資産クラスではゴールドマン・サックス・アセットマネジメント、JPモルガン・チェース・アセットマネジメント、フィデリティ・インベスメンツ、上場投資信託(ETF)ではバンガード・グループやステート・ストリート、オルタナティブ運用ではブラックストーン・グループ、コールバーグ・クラビス・ロバーツ、カーライルなどの運用会社と競合している[9][10]。 また、ブラックロック・グループ内の独立した事業部門であるブラックロック・ソリューションズを通じて、資産管理テクノロジーであるアラディン(Aladdin
概要
ブラックロックは、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなど米ウォール街の投資銀行にとって最大のトレーディング・パートナーであり、米国金融業界に大きな影響力を有する[13]。また、ジョー・バイデン政権では、ブラックロック出身者であるブライアン・ディーズとアデワレ・アデエモがそれぞれ国家経済会議委員長と財務副長官に就任するなど、政財界への影響力を強化していることが指摘されている[14][15]。
アメリカの資産運用業界、特にインデックス運用においては寡占化が進んでおり、上位3社であるブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリートは「ビッグ・スリー」と呼ばる[16]。ビッグスリーはアップルやマイクロソフト、コカ・コーラ、ゼネラル・エレクトリックなど米大企業のほとんどを所有し、S&P500にいたってはその90 %近くにおいて、最大の株主となっている[16]。議決権を通じた社会への影響力が高まっているとの指摘をうけ、近年では投資先企業への議決権行使を委譲するなどの施策が行われている[17][18]。
同社は1999年にニューヨーク証券取引所に上場している。S&P100、S&P500、ダウ・ジョーンズ USなどの株価指数において、構成銘柄の一つとして採用されている[19]。
歴史
1988年 - ユダヤ系アメリカ人のローレンス・フィンク(英語版)らが、ブラックストーン・グループ債券運用部門としてブラックストーン・フィナンシャル・マネジメントを設立した。創立者のうち4人がファースト・ボストン(現:クレディ・スイス)出身者であった。フィンクが仕掛けたことで、不動産担保証券取引がファースト・ボストンモーゲージ部門でブームとなっていた[20]。