ブラックホール
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「ブラックホール」のその他の用法については「ブラックホール (曖昧さ回避)」をご覧ください。
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}イベントホライズンテレスコープにより撮影されたM87中心部の超大質量ブラックホール。リングの直径は約1000億キロメートル、質量は太陽の約65億倍と推定されている[1][2]。なお、この撮影画像は8基の電波望遠鏡が数日間にわたり収集した撮影データを基に作成された。2019年4月10日13時 (UTC) に公表。イベントホライズンテレスコープにより撮影された天の川銀河中心部のいて座A*にある超大質量ブラックホール。2022年5月12日13時 (UTC) に公表。ブラックホールの想像図
天の川を背景として太陽質量の10倍となるブラックホールから600km離れた視点を想定し、理論的な計算を基に作成したシミュレーション画像。光はブラックホールより出られないため真っ暗で、周囲の光が重力でねじ曲げられる様子が描かれている。(Ute Kraus、2004年 ⇒[1]ブラックホールの重力レンズ効果によって、背景の銀河の像が歪められている状態を想像したアニメーション動画。

ブラックホール(英語: black hole)は、宇宙空間に存在する天体のうち、極めて高密度で、極端に重力が強いために物質だけでなくさえ脱出することができない天体である。
名称.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。ブラックホール

「black hole」という呼び名が定着する以前までは、崩壊した星を意味する「コラプサー」(collapsar)などと呼ばれていた[3]。光すら抜け出せない縮退星に対して「black hole」という語が用いられた最も古い印刷物は、ジャーナリストのアン・ユーイング(Ann Ewing)が1964年1月18日の『サイエンス・ニュースレター』で記した「'Black holes' in space」と題するアメリカ科学振興協会の会合を紹介する記事である[4][5][6]。一般には、アメリカ物理学者であったジョン・ホイーラーが1967年に初めて用いたとされる[7]が、実際には当時ニューヨークで行われた会議中で聴衆の一人が洩らした言葉をホイーラーが採用して広めたものであり[5]、またホイーラー自身はブラックホールという言葉の考案者であると主張したことはない[5]
特徴

巨大な天体を観測すると、その向こう側から来る光が曲げられて見えることから、光も重力の影響を受けることは知られていた。つまり、重力が強大になるにつれ、ある点で「光すら脱出できない」ほどの状態となる。光より速い物質は存在しない前提であるため、いかなる物質や電波なども発出されないという特性から、その天体を直接的に観測を行うことは困難であり2019年4月10日に初めて観測に成功し、メディアに公開された。そのため、その近傍にある他の天体や、その背後に見えるはずの天体との相互作用を介して間接的な観測が行われている。X線源の精密な観測と質量推定によって、現在観測されているいくつかの天体はブラックホールであると考えられている[8]

ブラック「ホール」という名称であるが、あたかも水面の渦巻きに吸い込まれるかの様に落下していく「穴」ではない。また光さえも脱出できない=何も見えないことから、多くの想像図では黒い球体で描かれる。ただし正確には、通常の観測によっても「何も見えない」ため「黒い球体」も誤った表現となる。SF等では「時空に穴が開いていて、どこか別の場所に出口となる穴[注釈 1]に繋がっている」とされる描写があるが、現実ではそのようなものの存在は確認されていない。イメージとしては磁石が四方八方どの方向からもを引き付けるような感覚で考えると理解しやすい。太陽系がある天の川銀河系も含め、現在観測されている他の銀河系や連星系のほとんどについて構造を検討すると、その中心天体はブラックホール化していないと説明がつかないことが多い。地球から最も近いところでは、約1000光年先にある連星系HR6819がブラックホールの候補とされ、その研究と観測が進められている。また2019年に撮影に成功したブラックホール(おとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホール)は約5500万光年先である。
事象の地平面「事象の地平面」も参照

周囲は非常に強い重力によって時空が著しく歪められ、ある半径より内側ではどのような向きに向かう光や推進力を得続ける物体でもブラックホールの内側に向きが変わって出られなくなる。この半径をシュヴァルツシルト半径、この半径を持つ球面を事象の地平面(シュヴァルツシルト面)と呼ぶ。この中からは光であっても外に出てくることはできないため、現在天体観測に用いられているほぼ全ての光線、電波が出てこなくなる[注釈 2]。ブラックホールは単に元の天体の構成物質がシュヴァルツシルト半径よりも小さく圧縮されてしまった状態であり、事象の地平面の位置に何かが存在する訳ではなく、ブラックホールに向かって落下する物体は事象の地平面を超えて中心へ引き込まれる。

ブラックホールの引力は光速を超えているため、ブラックホールに向かって落下する物体を離れた位置の観測者から見ると、物体が事象の地平面に近づくにつれて光速に近づくために、相対論的効果によって物体の時間の進み方が遅れるように見える。最終的に観測者からはブラックホールに落ちていく物体は事象の地平面の位置で永久に停止するように見える[9]。同時に、物体から出た光は重力による赤方偏移を受けるため、物体は落ちていくにつれて次第に赤くなり[10]、やがて可視光領域を外れ見えなくなる。逆に落ちていく物体から見れば、事象の地平面を通過する頃には事象の地平面の外側の時間の進み方が大幅に高速化するように見えると想定されている。
特異点「重力の特異点」も参照

ブラックホールには密度、重力が無限大である重力の特異点があるとされる。角運動量を持たないシュヴァルツシルト・ブラックホールでは中心にあり、回転するカー・ブラックホールではリング状に存在する。
降着円盤「降着円盤」および「活動銀河」も参照

連星系を形成するブラックホールは降着円盤を形成する場合がある。円盤は膨大な熱とX線を放射する。多くのものは宇宙ジェットを伴うが、ジェットの生成メカニズムははっきりとは分かっていない。ブラックホールの観測において非常に重要である。
理論史

物理学の未解決問題なぜブラックホールの中では物理的情報が喪失してしまうのか?
カール・シュヴァルツシルト

ブラックホールの理論的可能性については、18世紀後半に先駆的な着想があった[11]


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