ブラックパンサー_(マーベル・コミック)
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ブラックパンサー
出版の情報
出版者
マーベル・コミック
初登場Fantastic Four #52(1966年7月)
クリエイタースタン・リー(ライター)
ジャック・カービー(作画)
作中の情報
本名ティチャラ (T'Challa)
所属チームファンタスティック・フォー
アベンジャーズ
ファンタスティック・フォース
イルミナティ
アルティメッツ
パートナーストーム
能力

天才的な知性

狩猟と追跡の技能

武術と格闘術

ヴィブラニウム製スーツなどのハイテク装備と武器

強化された五感、筋力、スピード、敏捷性、スタミナ、耐久力、回復力、反射神経

錬金術による予知能力、霊的な攻撃に対する防御

ブラックパンサー (: Black Panther) とは、マーベル・コミックコミック作品に登場するスーパーヒーローである。シルバーエイジ期(英語版)にライター・編集者のスタン・リーおよびライター・作画家のジャック・カービーによって創案され、『ファンタスティック・フォー』第52号(1966年7月)で世に出た。本名はティチャラ (T'challa) といい、アフリカにある架空の王国ワカンダの君主にして守護者である。ハート形のハーブを摂取する儀式によって強化された身体能力に加え、天才的な知性と厳しい鍛錬、格闘術、さらに国王として所有する先端技術や富を駆使して敵と戦う。ブラックパンサーは同じくヒーローであるストームと結婚したことでも知られているが、それぞれが所属するチームが対立したことから離婚に至った。

ブラックパンサーはアメリカのメインストリーム・コミックで初めてスーパーヒーローとなったアフリカ系のキャラクターである。『ジャングル・アクション』誌(第6 - 18号)で13号にわたって展開されたブラックパンサーのストーリーは、マーベル社で初めてグラフィックノベル形式で描かれた作品だと評されている。

ブラックパンサーとして活動したヒーローはティチャラだけではない。あるストーリーラインでは、ニューヨーク市の警察官だったマルチレイシャルのカスパー・コールがブラックパンサーを名乗った。コールは初め単なる模倣者であったが、後にホワイトタイガーの名を得てティチャラの盟友となった。またティチャラが重傷を負って活動できない間、その妹シュリがブラックパンサーとワカンダの指導者の役割を担った。

ブラックパンサーは数々のテレビ番組、アニメ映画、ビデオゲームに登場してきた。実写映画に登場したのは、チャドウィック・ボーズマンが演じた2016年の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が最初である。2018年に公開される映画版『ブラックパンサー』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でもボーズマンが同役を演じる。これらの映画作品はすべてマーベル・シネマティック・ユニバースの一部である。IGNが2011年に作成した「コミックブック・ヒーロー・トップ100」リストではブラックパンサーが51位を占めた。
コンセプトと誕生
背景

ブラックパンサーはアメリカのメインストリーム・コミックに初めて登場した黒人スーパーヒーローである。それ以前のコミックには黒人の主人公はいないも同然で、スーパーパワーを持つものに至っては皆無だった。数少ない黒人主人公を挙げると、まず一号限りで終わった少部数の『オール・ニグロ・コミックス (All-Negro Comics)』(1947年)の登場人物がいる。1950年代には、マーベル社の前身であるアトラス・コミックス(英語版)が発行するオムニバス誌『ジャングル・テールズ (Jungle Tales)』で「バントゥの王子ワク (Waku, Prince of the Bantu)」という黒人主人公のストーリーが連載された。デル・コミックス(英語版)の西部劇キャラクターであるロボは黒人として初めてコミックブックの主役となった。脇役についてはカリカチュア化されたキャラクターが多いが、それを除いても、Sgt. Fury and his Howling Commandos に登場するアメリカ陸軍歩兵ガブリエル・ジョーンズの例がある。

ブラックパンサーから数年遅れてデビューしたアフリカ系アメリカ人ヒーローには、マーベル・コミックスのファルコン(1969年)やルーク・ケイジ(1972年)、DCコミックスの三代目グリーンランタンことジョン・スチュワート(1971年)がいる。
名称

「ブラックパンサー」の名が考案されたのは、1966年10月のブラックパンサー党結成よりも先である。とはいえ、ブラックパンサー党に影響を与えたLCFO[† 1]はそれ以前から黒豹のロゴを用いていた。また、第二次世界大戦中に人種隔離政策(英語版)によって作られた黒人の戦車大隊(第761戦車大隊(英語版))はブラックパンサーズと呼ばれていた[1][2]

ブラックパンサー党を連想させることを避けるため、『ファンタスティック・フォー』第119号(1972年2月)へのゲスト出演からブラックレパードへの改名が行われたが[† 2]、同年の『アベンジャーズ』第105号(1972年11月)で取り消された[3][† 3]

ブラックパンサーを創案した一人であるスタン・リーは、その名に政治的な意図は一切なく、LCFOのロゴを参考にしたこともないと述べている[4]。実際に着想の元になったのは、黒豹を連れていたパルプ冒険小説の主人公だという[5]ジャック・カービーによるオリジナルのコンセプトアートではコール・タイガー (Coal Tiger) という仮の名が使われていた[要出典]。
刊行履歴

ブラックパンサーは『ファンタスティック・フォー』第52 - 53号(1966年7 - 8月)で初登場し、続いて『ファンタスティック・フォー・アニュアル』第5号(1967年)で再登場、さらに『テールズ・オブ・サスペンス』第97 ? 100号(1968年1 - 4月)でキャプテン・アメリカと共演した。その後、アフリカに位置する架空の国家ワカンダからニューヨークに移住し、アメリカのヒーローチーム『アベンジャーズ』(第52号、1968年5月)に加入すると、数年にわたって同タイトルに登場した。アベンジャーズ在籍中、3号にわたって『デアデビル』誌に単独でゲスト出演したほか、『アストニッシング・テールズ』では、ドクター・ドゥームを主役とする短命に終わった連載ストーリーに登場した(第6 - 7号、1971年6 - 8月)。

ブラックパンサーは『ジャングル・アクション』誌の連載ストーリーで初めて主人公の座を得た。まず、ブラックパンサーが中心となった『アベンジャーズ』第62号(1969年3月)が『ジャングル・アクション』第5号(1973年7月)に再録され、次号(同年9月)から新しいシリーズの連載が始まった。ライターはドン・マクレガー(英語版)が、ペンシラーはリック・バックラー、ジル・ケイン(英語版)、ビリー・グラハムらが務めた。またインカーのクラウス・ヤンソンとボブ・マクラウドは同作がプロデビュー作となった。このシリーズは評論家から高く評価され[6]、同誌第24号(1976年11月)まで継続された。[7]

現在では一般化したが、一つのタイトルで数号にわたって長篇ストーリーを展開するフォーマットはマクレガーが始めたものである[8]。最初のストーリーアーク「豹の激情 (Panther's Rage)」は『ジャングル・アクション』の連載開始から13号かけて展開された。批評家ジェイソン・サックスは同作を「マーベル最初のグラフィックノベル」と呼んだ。


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