ブラジル高速鉄道
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ブラジル高速鉄道
リオデジャネイロ - サンパウロ - カンピーナス
予定路線図
基本情報
ブラジル
種類高速鉄道
開業未定 (計画中)
詳細情報
総延長距離518 km
軌間1,435 mm (標準軌)
最高速度360 km/h
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ブラジル高速鉄道
凡例


Km駅




0セントラル・ド・ブラジル


5アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港


135ヴォルタ・ヘドンダ


165ヘセンデ




315サン・ジョゼ・ドス・カンポス


280タウバテ


410グアルーリョス国際空港


430カンポ・デ・マルテ空港


470ジュンディアイ


510ヴィラコッポス国際空港


518カンピーナス総合




ブラジル高速鉄道(ポルトガル語: Trem de Alta Velocidade、略称TAV)は、ブラジル高速鉄道計画。リオデジャネイロ - サンパウロ - カンピーナス間で計画されていたが、凍結中である。
概要

ブラジル高速鉄道はリオデジャネイロからサンパウロを通り、カンピーナスを結ぶ鉄道路線として開業する予定。2000年代に経済成長による航空インフラ容量の逼迫、相次ぐ航空事故などで鉄道輸送の気運が高まったことを受け、ブラジル政府が事業計画を推進している。

当初は2014 FIFAワールドカップに合わせる予定で、サンパウロからリオデジャネイロまでを結ぶ鉄道として計画され、後にカンピーナスまでの約100kmを延長することがブラジル政府により決定されていた。延長後の総距離は518kmに及ぶ。しかし、計画は遅れており、2009年7月には施工会社の入札まで終えている予定だったが、2011年に至っても施工業者すら決められず、2014年までに竣工しなかった。その後、2016年に開催されるリオデジャネイロオリンピックに合わせて開業することが見込まれていたが、これにも間に合わなかった。

2011年7月11日に入札が行われ、7月29日に落札企業を発表する予定であったが[1]、7月11日に応札する企業がなく[2]、実質3度目の延期となった[3]。入札する際は建設する技術を持っていることが前提。落札の基準は想定運賃の安い企業[4]。落札した企業には40年間の運営や運賃の上限設定が求められ、事業費は70%程度を政府が出資した上で、残り30%は民間から調達し、さらにその30%のうち80%はブラジル企業が、20%が落札企業が負担することとされていた。しかし、その後も建設に向け目立った動きはない。
特徴

距離 518km

総事業費 331億
レアル(見積額、2010年11月時点のレートで約1兆6000億円)

所要時間

リオデジャネイロ - サンパウロ間 急行タイプ80分 各駅停車タイプ101分

サンパウロ - カンピーナス間 急行タイプ24分 各駅停車タイプ28分


運賃 リオデジャネイロ - サンパウロ間 199レアル(エコノミークラスの場合)[5]

軌間 1435mm[6](注:ブラジルの在来線(都市間鉄道)には狭軌(メーターゲージ)か広軌が多い。ブラジルの鉄道#軌間を参照。)

最高速度 時速360km[6]

上記数値はメディアにより数値が多少違うことがある。
各国の動き

以下に最有力候補とされる国とその企業を示す。
韓国KTXの初期車両KTX-I

韓国の企業連合は韓国鉄道公社現代重工業現代ロテム、サムスンSGS、LG CNSなど総22社から成る[7][8]

特に2010年11月29日に予定されていた入札では、高いリスク(後述)を嫌い各国企業連合が入札を見送る中、唯一応札する意志を示していた。韓国も条件とされているサンパウロ - リオデジャネイロ間の運賃199レアルを下回る運賃で運行が可能[5]だとしており、当初は落札する見込みがもっとも高いとされていた。この背景には韓国企業連合が韓国政府の支援を受けており、リスク度外視でも同国が保有する韓国高速鉄道(KTX)の技術の初海外輸出に結び付けたい意志があったとされる。また、地元資産家や建設会社と接触し、建設段階から協力する見込みもある[7]

これらの理由からもっとも有力視されていた韓国企業連合だが、2010年11月26日になって入札は急遽2011年4月11日まで延期され、さらに4月7日になると7月11日まで再延期された。その理由としてブラジル政府は「政治的な判断」としていたが、実績の少ない韓国高速鉄道に不安を抱いているためとも、韓国企業連合の単独入札になるのを嫌い形式的にでも競争入札になることを狙ったものだとも言われている[9]

韓国企業連合内部でも、ブラジル企業が土木事業の80%以上を手がけることになる条件から採算性を危ぶみ、現代アムコなど建築企業4社が2011年4月1日に連合離脱を表明、残る建築企業も存続に懸念を示す。また、施工にかかる事業費を実際より低く見積もっていたことが発覚し、韓国事業団の団長であった漢陽大学校の教授が解任されるなど問題も生じた結果[10]、結局2011年7月の入札では韓国勢も入札を見送った[11]

さらに、KTXは2011年までに韓国内で多数の事故を起こしていることから安全性に疑問が呈されており、入札に影響が及ぶ可能性が指摘されている[12]
日本JR東日本E2系

日本の企業連合は三井物産三菱重工業東芝日立製作所から成る。

技術については日本の新幹線技術を売り込む予定で、駅舎など地上施設を一手に受注し、さらに駅に接続するショッピングセンターオフィスなども建設して利益を得、鉄道建設費の縮小に充てるのが日本の方針[13]。しかし需要予測が甘く、リスクが大きいなどの理由で2010年11月29日の入札は見送った。入札が延期されたのを受け、ブラジル政府に条件の改善を求めていたが、実現には至っていない。
フランスフランス国鉄TGV Duplex

フランスの企業連合はアルストムを中心に成っている。アルストムはフランスでTGVの車両を開発・製造しており、TGV輸出版も担当した。ブラジル国内においても同社はサンパウロ地下鉄に車両納入や信号システムの構築を担当した実績がある。今回もTGVの技術を売り込む予定であったが、日本と同じ理由で入札は見送った。入札延期後の予定については明らかではない。延期された2013年8月の入札期限では唯一応札したとされる[14]
スペイン

RENFECAF、交通インフラの建設・コンサルティング企業イネコが合同で受注を目指している[15]。広軌在来線を活用する場合、同国の軌間可変技術タルゴが有利になる見方もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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