この項目では、アルバムについて説明しています。コンピュータゲームのシリーズについては「ブラザー イン アームズシリーズ」をご覧ください。
『ブラザーズ・イン・アームス』
ダイアー・ストレイツ の スタジオ・アルバム
リリース1985年5月
録音西インド諸島 モントセラト Air Studios[1]
ジャンルロック
時間55分18秒(カセット、CD)
レーベルヴァーティゴ
ワーナー・ブラザース・レコード
プロデュースマーク・ノップラー、ニール・ドーフスマン
専門評論家によるレビュー
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アルケミィ?ダイアー・ストレイツ・ライヴ
(1984年)ブラザーズ・イン・アームス
(1985年)マネー・フォー・ナッシング
(1988年)
『ブラザーズ・イン・アームス』収録のシングル
「君にさよなら」
リリース: 1985年4月
「マネー・フォー・ナッシング」
リリース: 1985年6月
「ブラザーズ・イン・アームス」
リリース: 1985年10月
「ウォーク・オブ・ライフ」
リリース: 1985年12月
「愛のトリック」
リリース: 1986年4月
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『ブラザーズ・イン・アームス』(Brothers in Arms)は、イギリスのロック・バンド、ダイアー・ストレイツが1985年に発表した、5作目のスタジオ・アルバム。ライヴ・アルバム『アルケミィ?ダイアー・ストレイツ・ライヴ』(1984年)を挟んで発表された、3年振りのスタジオ・アルバムである。ダイアー・ストレイツにとって最大のヒット作であり、全世界での売り上げは3千万枚を超えている[13]。 このアルバムに収められている最後の曲「ブラザース・イン・アームス」は、1982年3月に勃発し、1992年2月に正式に収束した、イギリスとアルゼンチン間で戦われたフォークランド紛争が背景になっている。レコーディングはモントセラトのAir Studiosで行われ、ニューヨークのパワー・ステーションでミキシングが行われた[1]。ダイアー・ストレイツの中心人物であるマーク・ノップラーと、ニール・ドーフスマンが共同でプロデュースしており、ドーフスマンはエンジニアも兼任した[1]。本作ではガイ・フレッチャーが新メンバーとして迎えられており[14]、また、「マネー・フォー・ナッシング」にはスティングがゲスト参加した。 アルバムのクレジットでは、ウェザー・リポート等で活動していたオマー・ハキムと、当時ダイアー・ストレイツの正式メンバーであったテリー・ウィリアムズの2名がドラマーとして記載されている。ただし、『Sound on Sound』誌の2006年5月号に掲載された記事「CLASSIC TRACKS: Dire Straits 'Money for Nothing'」によれば、共同プロデューサーのドーフスマンは「彼(ウィリアムズ)は偉大なドラマーだが、彼のスタイルはストレート・アヘッドなロックン・ロールで、オマーのよりポリリズム的なスタイルの方がマーク(・ノップラー)の進めていた方向性に合っていた」「多くの異なるスタイルに精通したドラマーが必要だった」と語っており、「マネー・フォー・ナッシング」のイントロのスネアドラムとトムトムはウィリアムズの演奏だが、殆どのパートはハキムの演奏が採用された[15]。モントセラトに呼ばれたハキムは、わずか2日半ほどで全曲のドラム・パートを録り終えている[15]。なお、ハキムの起用が決定する前、ノップラーはアンディ・ニューマークやピーター・アースキンといったドラマーを候補に挙げていたという[15]。 収録曲「ウォーク・オブ・ライフ」は、ドーフスマンの意見によりアルバムから外すことも検討されたが、バンド側の意見が通って本作に収録された[16]。最終的には、「ウォーク・オブ・ライフ」は本作からの第4弾シングルとしてもリリースされている。 今作のレコーディングはプロデューサーである(エンジニアも兼任)ニール・ドーフスマンの得意技とも言える「フル・デジタル・レコーディング」で行われている(当時は「コストがかかりすぎる」と言う事で敬遠されがちだった)。スタジオでの実作業としてはデジタルマルチトラックレコーダーで録音後、アナログコンソールを使用してミックスしたものをA/Dコンバーターを通して2チャンネルのデジタルレコーダーにトラックダウンし、最終的にデジタルマスタリングしている。同じドーフスマンプロデュースであるスティングの『ナッシング・ライク・ザ・サン』(1987年、全英1位)も、フル・デジタル・レコーディングである。このアルバム収録の「マネー・フォー・ナッシング」もマーク・ノップラーとスティングの共作曲であり、ボーカルで参加している。 本作はLP、カセット、CDの形態でリリースされたが、カセットおよびCDは、大半の曲がLPより1分以上長いヴァージョンとなっている[17]。
背景