The Booker Prize
会場 イギリスロンドン
報酬£50,000
初回1969年 (55年前) (1969)
公式サイト ⇒www.thebookerprizes.com
ブッカー賞(ブッカーしょう、Booker Prize)はイギリスの文学賞。世界的に権威のある文学賞の一つ。the Bookerなどの通称もある。
その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる。選考対象は、英語で書かれた長編小説。賞金は50000ポンド(2002年までは21000ポンド)。
1968年、フランスのゴンクール賞のような賞をイギリスにもという提案により、イギリスの小売業者ブッカー・マコンネル社の後援のもとブッカー・マコンネル賞 (The Booker-McConnell Prize for Fiction) として創設された。当時はイギリス連邦およびアイルランド国籍の著者に限られていた。創設に携わった編集者のトム・マシュラーは、ソサエティ・オブ・ヤング・パブリッシャーズでの話がきっかけだったとしている[1]。
2002年からは運営がブッカー賞財団に移転、財団のタイトルスポンサーは投資会社のマン・グループである。それに伴い、名称はマン・ブッカー賞 (The Man Booker Prize for Fiction) に変更した。
2019年にはアメリカ人の実業家マイケル・モリッツの基金がスポンサーとなり、名称はブッカー賞に変更され、アメリカ国籍の著者も対象となった[2]。
1992年にはロシア・ブッカー賞
(英語版)、2005年にはマン・ブッカー国際賞 (The Man Booker International Prize)が設立されている。2019年からは国際ブッカー賞 (The International Booker Prize)に改称されている。1993年にブッカー賞中のブッカー賞 (Booker of Bookers Prize) として、サルマン・ラシュディの『真夜中の子供たち』(Midnight's Children、1981年受賞)が選ばれた。 ブッカー賞が高い評価を得ている要因の一つに、その選考の仕方がある。 賞選考は、諮問委員会が選考委員を決定するところから始まるが、選考委員は毎年変わり、2度選ばれることは滅多にない。諮問委員会は財団より選出された作家、出版社2社、エージェント、書店、図書館と議長よりなり、選考委員は文芸評論家、学者、編集者、小説家、高名な人物などから、性別などのバランスに注意して選出される。 次に、選考委員による審査の前段階として、審査の対象となる作品が選出される。その年に出版された小説から、イギリスの出版社が最高2作まで申請でき、また、過去のブッカー賞受賞者の全著作、過去10年間のブッカー賞候補者の全著作は自動的に対象とされる。また、選考委員も別途、その年に出版された小説のうち、最低8作、最高12作を推薦する。さらに、出版社は選考委員に考慮のうちに入れてほしい作品を最高5作をあげることができる。この時点では何が選ばれたかは極秘とされる。 選考委員は、審査の対象として選出された作品すべてを読んだ上で、審査を行う。審査は3段階で、まず候補作 (Longlist)、次いで6作の最終候補作 (Shortlist)、そして受賞作が発表される。最終候補者には、2500ポンドと副賞が授与される。 2019年時点でジョン・クッツェー、ピーター・ケアリー、ヒラリー・マンテル、マーガレット・アトウッドが過去2回受賞している。
選考
受賞作一覧
1960年代
1969年
Something to Answer for, P・H・ニュービィ
最終候補作:
Figures in a Landscape, バリー・イングランド
Impossible Object, ニコラス・モスレー
The Nice and the Good, アイリス・マードック(「愛の軌跡」)
The Public Image, ミュリエル・スパーク
From Scenes like These, ゴードン・ウイリアムズ
1970年代
1970年
The Elected Member, バーニス・ルーベンス(『選ばれし者』鈴木和子訳、ヤマダメディカルシェアリング創流社、1996年)(遺贈)Troubles, J. G. Farrell
最終候補作:
John Brown's Body, A・L・バーカー
Eva Trout, エリザベス・ボウエン(「エヴァ・トラウト」)
Bruno's Dream, アイリス・マードック(「ブルーノーの夢」)
Mrs Eckdorf in O'Neill's Hotel, ウィリアム・トレヴァー
The Conjunction, T・W・ウィーラー
1971年
In a Free State, V・S・ナイポール(『自由の国で』安引弘訳、草思社、2007年)
最終候補作: