ブエルタ・ア・エスパーニャ2010
レース詳細
開催期間8月28日-9月19日
ステージ21ステージ
全行程3,418.5 km (2,124 mi)
優勝タイム87h 18' 33" (39.154 km/h (24.329 mph))
レース結果
優勝 ヴィンチェンツォ・ニバリ (ITA)(リクイガス・ドイモ)
2位 エセキエル・モスケラ (ESP)(シャコベオ・ガリシア
ブエルタ・ア・エスパーニャ2010は、ブエルタ・ア・エスパーニャ (Vuelta a Espana) の65回目の大会。2010年8月28日から9月19日まで行われた。 2010年6月14日、出場予定の22チームが決まった。UCIプロチームの中では、チーム・レディオシャックが招待されなかった[1]。
プレビュー
事前承認16チーム
Ag2r - ラ・モンディアル
アスタナ
Bbox ブイグテレコム
ケス・デパーニュ
コフィディス
エウスカルテル・エウスカディ
フットオン・セルベット
フランセーズ・デ・ジュー
ランプレ - ファルネーゼ・ヴィーニ
リクイガス・ドイモ
オメガファーマ・ロット
クイックステップ
ラボバンク
チーム・HTC - コロンビア
チーム・ミルラム
チーム・サクソバンク
招待6チーム
アンダルシア・カハスル
サーヴェロ・テストチーム
ガーミン・トランジションズ
チーム・スカイ
チーム・カチューシャ
シャコベオ・ガリシア
ステージレイアウト
初日はグランツール初となるナイトチームタイムトライアルとなった。これはスペインがこの時期灼熱となるのも考慮されてのことだが、今までと違うスケジューリングと走り慣れない状況が一波乱起こす可能性は否定できない。
第2ステージからいきなり(ツールなら)中級山岳ステージと呼べるようなアップダウンのある展開。第3、第4と2連続で山頂フィニッシュに近い上りゴールが設定されるなど、序盤から気の抜けないレイアウトが連続する。
ブエルタ名物となった3連続山頂フィニッシュは休息日前の第14?16ステージに設定。ここで総合争いが一気に絞り込まれると思われる。
TTは初日のチームTTを除くと第17ステージの1度のみとなった。しかしアップダウンがほとんどない平坦ステージで距離も46kmと短くないことから、TTが苦手なクライマーはここまでにリードを保持することが優勝への最低条件である。
決戦の舞台は第20ステージのボラ・デル・ムンドとなった。登山距離21.6km、平均勾配6.3%とツールでよく見るようなダラダラと上がり続ける山に見えるが、やはりそこはブエルタ、ラスト3kmは平均12%+MAX20%というプロファイルがフィナーレを演出する。また山岳ポイントも特例で山頂フィニッシュの「15、10、6、4、2」ではなく「20、15、10、6、4、2」とされるため、総合勢だけでなく山岳賞争いの選手も一位を狙いにくる乱戦が期待される。
総合争い
リーダージャージ色は二度目のマイヨ・ロホへと変更されたが、今年も去年同様に昨年のトップ3(1位アレハンドロ・バルベルデ(ドーピングによる出場停止)、2位サムエル・サンチェス、3位カデル・エヴァンス)が出場せず、またこれという本命が不在のため混戦が予想される。
その中でも一番の注目選手はジロ3位、ツールをスキップし準備してきたヴィンチェンツォ・ニバリ、そしてこれが現チームでのラストランとされるロマン・クロイツィガーのリクイガスコンビ。
対抗はやはりツールをスキップしたイゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)、そして移籍に伴いアシストからエースに抜擢されたホアキン・ロドリゲス(チーム・カチューシャ)、連続で上位には食い込むものの表彰台が未だにないエセキエル・モスケラ(シャコベオ・ガリシア)、ツールこそ序盤に落車による鎖骨骨折でリタイヤとなったが、その分休養してブエルタに望むフランク・シュレク(チームサクソバンク)もツール2位の弟アンディ・シュレクのアシストを受けロホを狙う。
三大ツール全出場を見せるデニス・メンショフ(ラボバンク)、カルロス・サストレ(サーヴェロ・テストチーム)だが、二人ともエースポジションとはいえジロ・ツールともに好成績を残した訳では無く、またグランツール3つめの疲労を考えると上位進出は難しいと思われる。
ポイント賞争い
今年の世界戦(オーストラリア)が非常にスプリンターに有利だとされてきたため、一流のスプリンターが顔を揃えることとなった(実際には周回コース内に大きな起伏があるため、どちらかといえばパンチャー有利ではあるが、ミラノ?サンレモ風とも言えなくはないのでスプリンターにもチャンス有り)。
去年のポイント賞アンドレ・グライペル(チーム・HTC - コロンビア)はオメガファーマ・ロットへの移籍発表も影響したのかメンバー落ち。代わりに絶対エースであるマーク・カヴェンディッシュがブエルタ初見参。今年も取れなかったツールをバネにし、今回こそポイント賞ジャージ獲得を狙う。不安要素はブエルタという山が多い舞台とリードアウト役がいつものマーク・レンショーではなくマシュー・ゴスであることか。
そのカヴェンディッシュからマイヨ・ヴェールを奪い取ったアレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ=ファルネーゼ・ヴィーニ)がブエルタにも登場。この勢いでシーズン2つめのポイント賞ジャージを目指す。
カヴェンディッシュ同様そろそろタイトルが欲しいタイラー・ファーラー(ガーミン・トランジションズ)。山という舞台で利点を生かせるトル・フースホフト(サーヴェロ・テストチーム)とダニエーレ・ベンナーティ(リクイガス・ドイモ)、元トラックスターで平地でのスプリントには自信を見せるテオ・ボス(サーヴェロ・テストチーム)、昨年0勝に終わったオスカル・フレイレ(ラボバンク)など、見方によっては総合より豪華な面々がグリーンジャージを狙う。
山岳賞争い
3年連続の山岳王を目指すダヴィ・モンクティエ(コフィディス)がやはり大本命。今年もジロ・ツールは眼中に無く、厳しく短い峠がメインとなるブエルタに併せてきた。
他は09ツールで好成績をあげたエゴイ・マルティネス(エウスカルテル・エウスカディ)、ジロの難関ステージを制したヨハン・チョップ(Bbox ブイグテレコム)らがあげられるが、やはり21ステージをトータルで通して見るとモンクティエと総合勢の争いが見られるか。
その他
毎年のように世界選への調整レースとして使われるブエルタだが、今年はグランプリ・シクリスト・ド・ケベック、グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルのワンデーレース2連戦がスケジュール内に組み込まれたことから、GP西フランス・プルエー→コンチネンタルツアー→グランプリ・シクリスト・ド・ケベック→グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルというワンデー中心の調整も可能になり、リタイヤの数はそこそこ減るとは思われる。