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フロントエンド(英: front-end)とバックエンド(英: back-end)は、プロセスの最初と最後の工程を指す一般的用語である。フロントエンドは各種入力をユーザーから収集し、バックエンドが使える仕様に合うようにそれを加工する。フロントエンドとバックエンドの結合部はインタフェースと呼ばれる。 無線回路において、アンテナ側の送受信端の回路部分をフロントエンドと呼ぶ。通常は「弱い信号を増幅する」場合と、「高い周波数を低い周波数に変換する」場合を指すことが多い。一方バックエンドは増幅とフィルタリングを行って信号を精製・編集する。PA(電力増幅器)や高周波スイッチと組み合わせてフロントエンドモジュールとしたものがセットメーカ向けに販売されている。同様にICの場合はフロントエンドICという。後段のIF(中間周波数)部分以降とは、最適なプロセスが異なるため、ICを分けるのである。しかし、近年は半導体技術の進歩により、フロントエンドとIFを1チップにしたICも珍しくなくなって来ている。 EDAでは、設計のフロントエンドとは論理的・電気的設計を行う工程を指す(論理合成など)。バックエンドは回路の配置と配線などレイアウトを決定し、物理的検証を行う工程である(デザインルールチェックなど)。 自動車の前面の、ヘッドライト・方向指示器・フロントグリル・フロントバンパーがある部分をフロントエンドと呼ぶ。後方はバックエンドと呼ぶ。 自転車のフレームと車輪を繋ぐ部分をエンドと呼び、前輪部分をフロントエンド、後輪部分をリアエンドと呼ぶ。 原子力発電所で、燃料製造・発電所建設・運転などにかかわる事業を「フロントエンド事業」と呼ぶ。また原子炉の廃炉や放射性廃棄物の処理、核燃料サイクルにかかわる事業を「バックエンド事業」と呼ぶ。 コンピュータネットワークにおいてフロントエンドと言えば、ネットワークのトラフィックを最適化したり保護したりするネットワーク機器を指す。ネットワークが外部からの攻撃にさらされる部分にそのような機器が置かれ、トラフィックは必ず最初にフロントエンドを通過してネットワーク内の他のマシンに到達する。 ソフトウェア設計におけるフロントエンドは、ユーザーと直接やりとりするソフトウェアシステムの部分を指し、バックエンドはフロントエンドへの出力を生成する部分を指す。ソフトウェアシステムをフロントエンドとバックエンドに分けることは一種の抽象化であり、システムを異なる部分に分離して扱いやすくする効果がある。フロントエンドの処理をおこなうハードウェアやソフトウェアをフロントエンドプロセッサ(FEP)と言うことがある。 多くのプログラムは概念的にフロントエンドとバックエンドに分割できるが、多くの場合バックエンドはユーザーからは見えない。しかし、既存のプログラムのフロントエンドとすべく開発されるプログラムもあり、例えばコマンド行インタフェースしかないプログラムにGUIを提供する。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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