フロセミド
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フロセミド

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]安息香酸

臨床データ
Drugs.commonograph
ライセンスUS Daily Med:リンク
胎児危険度分類

AU: C

US: C




法的規制

? (Prescription only)

投与経路経口、IVIM
薬物動態データ
生物学的利用能43-69%
代謝肝臓と腎臓
作用発現30 to 60 min (経口), 5 min (静注)[1]
半減期最大100分
排泄肝臓66%, 胆汁33%
識別
CAS番号
54-31-9 
ATCコードC03CA01 (WHO)
PubChemCID: 3440
DrugBankDB00695 
ChemSpider3322 
UNII7LXU5N7ZO5 
KEGGD00331  
ChEBICHEBI:47426 
ChEMBLCHEMBL35 
化学的データ
化学式C12H11ClN2O5S
分子量330.745 g/mol
SMILES

O=S(=O)(N)c1c(Cl)cc(c(C(=O)O)c1)NCc2occc2

InChI

InChI=1S/C12H11ClN2O5S/c13-9-5-10(15-6-7-2-1-3-20-7)8(12(16)17)4-11(9)21(14,18)19/h1-5,15H,6H2,(H,16,17)(H2,14,18,19) 

Key:ZZUFCTLCJUWOSV-UHFFFAOYSA-N 

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ラシックス注射薬

フロセミド (Furosemide)は、心不全肝硬変、腎疾患(英語版)による浮腫の治療に用いられるループ利尿薬の一つである[1]。降圧を目的とした処方も行われる[1]。性状は白色結晶性の粉末であり、水にはほとんど溶けない。経口投与でも筋注でも速やかに吸収され、血漿蛋白との結合率が高く、肝臓や腎臓以外の組織にはほとんど分布しない。ヘンレ係蹄(ヘンレループ)の太い上行脚の管腔側の膜のNa+・K+・2Cl?共輸送担体(NKCC2)を抑制することにより、NaCl、K+の再吸収を抑制し、速効性かつ強力な利尿作用を示すが、作用時間も短い。経口投与後約1時間、静脈注射後は5分以内で臨床効果が現れるが、効果を発現する用量は患者毎に異なる[1]

主な副作用は起立性低血圧耳鳴り光線過敏症[1] である。強心配糖体と併用すると低カリウム血症を示す恐れがある[要出典]。そのため、ジギタリスなどの強心配糖体と併用するときはスピロノラクトングルコン酸カリウムを用いる。

代表的な商品名はラシックス錠・細粒・注およびオイテンシンカプセル(共にサノフィ社)。後発品多数(メーカ、剤形は略)。フロセミドが発見されたのは1962年であり[2]、日本で発売されたのは1965年である(20mg注)[3]:表紙。

WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている[4]。 他の薬物を排泄する作用があるため、世界アンチ・ドーピング機関の禁止薬物に規定されている[5]。米国ではウマの運動誘発性肺出血(英語版)の予防や治療にも用いられる[6][7]
作用機序

フロセミドなどのループ利尿薬はヘンレループの太い上行脚(英語版)内腔に存在するNa+・K+・2Cl?共輸送担体(英語版)(NKCC2)を阻害する。遠位尿細管におけるこの作用は炭酸脱水酵素の阻害効果やアルドステロンの阻害効果とは独立したものであり、皮髄浸透勾配を無効化し、自由水クリアランス(英語版)をブロックする。

ヘンレループでのNaCl吸収キャパシティが大きいため、利尿は炭酸脱水酵素阻害剤によるアシドーシスで制限されない。

加えて、フロセミドはGABA-A受容体の非競合的特異的阻害剤である[8][9][10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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