フレネルレンズ(英: Fresnel lens[1] [fre??n?l l?nz, ?fr?zn?l l?nz])は、通常のレンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズであり、のこぎり状の断面を持つ。分割数を多くすればするほど薄くなるため、材料を減らし軽量にできる一方、同心円状の線が入ってしまう欠点や、回折の影響による結像性能の悪化が顕著になる。そのため、薄型化が特に有利な用途や、回折の影響を無視できる照明用などに用いられることが多い。
フランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネルによって発明された。 灯台や投光器などの照明系レンズなどに用いられる。当初、フレネルは、灯台用にこのレンズを設計した。灯台用レンズは巨大であるため、通常の設計では厚みがかなり大きくなり原材料費が高いこと、重量が重くなりすぎること、製造に手間がかかることからこのレンズを考案したと考えられている。 大型の物では、フレネルレンズの周囲にリング状のプリズムをも配置した物がある。この場合、中央部のフレネルレンズだけでは屈折角が大きすぎ水平方向に向けられない外周部の光も、プリズムによる全反射も利用して曲げることにより利用できる。プリズムへの入射光は一旦光源側に屈折し、全反射したのち再度屈折し水平方向に出射することになる(プリズムの三角の向きがフレネルレンズと逆であることに注意)。 また、カメラのフラッシュ用照明レンズとしても使用される。光源(通常はキセノンフラッシュランプ)の直前に取り付けられ、光が画面内にまんべんなく行き渡るようにカメラレンズの画角に合わせたものが選ばれる。 簡易な拡大鏡などに使用される。この種のものは無色透明なプラスチック(アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネートなど[2])を同心円状の溝を持つ薄板に形成することにより、平板なカードの様な形状でありながらレンズの役割を果たすようになっていることが多い。近年は断面を非球面とすることで、同心円状の溝を目立たなく、像を明るくしている製品がある[3]。 レフレックスカメラ(一眼レフや二眼レフ)のファインダーにおいてフォーカシングスクリーン(すりガラス面など)の付近に置かれるフィールドレンズ フレネルレンズの原理を円柱レンズに応用したものはリニアフレネルレンズと呼ばれる。フレネルレンズでは溝が同心円状であり、光は一点に集光する。一方、リニアフレネルレンズは溝が平行直線状であり、光は直線上に集光する。
用途
照明
日本で最初にフレネルレンズを採用した安乗埼灯台(写真は2代目)
関埼灯台で使用されていた第4等フレネルレンズ
フレネルレンズとプリズムを用いた灯台用照明のカットモデル
フレネルレンズとプリズムを用いた場合の光路図
フレネルレンズ
光学機器フレネルレンズのルーペ
リニアフレネルレンズ
脚注[脚注の使い方]^ 文部省、日本物理学会編『学術用語集 物理学編』培風館、1990年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-563-02195-4。
^ a b Smith, Warren J. (2000). Modern Optical Engineering: The Design of Optical Systems (3rd Ed. ed.). McGraw-Hill. pp. pp. 190-192, 274 -275. ISBN 978-0071363600
^ “ ⇒カタログ「VisuCard」”. スポーツオプティクスディパートメント. カールツァイス株式会社 (2007年). 2012年5月15日閲覧。