フルマゼニル
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フルマゼニル

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

Ethyl 8-fluoro-5-methyl-6-oxo-5,6-dihydro-4H-benzo[f]imidazo[1,5-a][1,4]diazepine-3-carboxylate

臨床データ
販売名Anexate, Lanexat, Mazicon, Romazicon
Drugs.commonograph
胎児危険度分類

AU: B3

US: C




法的規制

AU: 処方箋薬(S4)

CA: ?-only

UK: 処方箋のみ (POM)

US: ?-only

? (Prescription only)

投与経路経静脈投与
薬物動態データ
代謝肝代謝
半減期7-15 min (initial)
20-30 min (脳)
40-80 min (末梢組織)
排泄尿排泄 90-95%
糞便中 5-10%
識別
CAS番号
78755-81-4 
ATCコードV03AB25 (WHO)
PubChemCID: 3373
IUPHAR/BPS4192
DrugBankDB01205 
ChemSpider3256 
UNII40P7XK9392 
KEGGD00697  
ChEBICHEBI:5103 
ChEMBLCHEMBL407 
別名ethyl 8-fluoro- 5,6-dihydro- 5-methyl- 6-oxo- 4H- imidazo [1,5-a] [1,4] benzodiazepine- 3-carboxylate
化学的データ
化学式C15H14FN3O3
分子量303.288 g/mol
SMILES

Fc(c1)ccc-2c1C(=O)N(C)Cc3n2cnc3C(=O)OCC

InChI

InChI=1S/C15H14FN3O3/c1-3-22-15(21)13-12-7-18(2)14(20)10-6-9(16)4-5-11(10)19(12)8-17-13/h4-6,8H,3,7H2,1-2H3 

Key:OFBIFZUFASYYRE-UHFFFAOYSA-N 

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フルマゼニル注射液

フルマゼニル(Flumazenil)はベンゾジアゼピン系薬剤の拮抗薬である[1]。商品名 アネキセート(Anexate)。
概要

フルマゼニルはイミダゾベンゾジアゼピン系物質であり、非定型ベンゾジアゼピン受容体リガンドに分類される。常温では結晶質の白色粉末として存在する[2]。水には殆ど溶けない[2]。人体においては殆ど鎮静効果を持たず、ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静呼吸抑制の解除を目的に用いられる[2]。急性のベンゾジアゼピン中毒患者の治療の他、内視鏡治療や検査、日帰り処置等の終了後に速やかにベンゾジアゼピン系鎮静剤の作用を解除する用途で良く使用される[3]。臓器毒性や組織刺激性もなく安全性の高い薬剤とされる[3]

ゾルピデムエスゾピクロン、ザレプロン、ゾピクロンはベンゾジアゼピン化合物ではないが、同様にベンゾジアゼピン受容体に作用する薬剤であるために、フルマゼニルによって拮抗される[4]。一方、ベンゾジアゼピン結合部位を介在しないフェノバルビタールメプロバメートスボレキサントラメルテオンオピオイドなどの中枢性神経抑制薬による作用は拮抗できない[2]オピオイドに対してはナロキソンが使用される[3]
投与方法

通常経静脈投与の単回投与(0.2mg)として使用される[2]。フルマゼニルの拮抗効果は通常投与2分以内に発現する[2]。効果不十分の場合は、1mgまでの増量(ICUなどの管理が行き届いた環境なら2mgまで)が可能である[2][3]。ただし、フルマゼニルの血中半減期は50分なのに対して、ベンゾジアゼピン系薬剤はより長い半減期を持つ薬剤が多いので、フルマゼニルによる拮抗が得られた後にベンゾジアゼピン系薬剤による再鎮静が出現することが知られており[3]、その場合は追加投与が必要になる[2][3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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