フリースタイル_(ラップ)
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.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}動画提供依頼:日本語フリースタイルラップを行う様子の動画提供をお願いします。(2019年1月)リン=マニュエル・ミランダが即興でフリースタイルのラップを行う様子。バラク・オバマ前大統領がランダムな言葉が書かれたカードを出し、それを題材にリリックを考えている。

ラップにおけるフリースタイル (: Freestyle) とは即興でラップを行うスタイルを指す語である。元来は特定の主題や構造をあらかじめ決めない形でリリックを朗唱するものを指していたが、その後即席のラップを指す語として用いられるようになった。楽器を用いてビートを刻みながら行うこともあれば、使用しないこともある[1][2][3][4][5]ジャズなどの他の即興演奏ではリードする奏者が即興を行い、他のバンドメンバーがビートを作って合わせるが、ラップにおけるフリースタイルもこれに似た方式で行う[6]
初期の定義

How to Rap において、ビッグ・ダディ・ケインとマイカ9は、もともとフリースタイルは特定の主題なしにリリックを吐き出すものだったと述べている。ビッグ・ダディ・ケインは「80年代には、フリースタイルのラップを書くってのは、書くライムのスタイルがフリーだってことだったんだよ…基本、自分の自慢をするだけみたいなライムでさ[7] 」と述べている。マイカ9は「その頃はフリースタイルってのはでたらめなものについてライムをかますってことで、なんか書いたり覚えたりするようなもんじゃなかったんだよね[6]」と付け加えている。ディヴァイン・スタイラーは「オレがいた一派だと、フリースタイルってのはコンセプトなしに書くライムで…今だと即席で出てくるのがフリースタイルって呼ばれてるけど、オレが始めた頃はすごく違ってたんだ[8]」と述べている。クール・モー・ディーも、自著There's A God On The Micで初期の定義に言及している[9]

フリースタイルには二種類あったんだよ。オールドスクールのフリースタイルってのは基本的に、とくに何を主題に書いたとかいうわけじゃなくて、しっちゃかめっちゃかに広がるようなライムのことでさ。それから、即席でやるフリースタイルってのが出てくるんだ。[10]

オールドスクール・ヒップホップでは、クール・モー・ディーは即興のラップはフリースタイルではなく「カミング・オフ・ザ・トップ・オヴ・ザ・ヘッド」coming off the top of the headなどと言われていたと述べている[11]ビッグ・ダディ・ケインは「即席のラップ、つまり書いて準備するんじゃなくてなんでも心に浮かんだことを言うようなのを指す時には、ただ「オフ・ザ・ドーム」off the domeって呼んでいたよ[7]」と述べている。

この初期の定義、つまり特定の主題に基づかずに書くラップを指すフリースタイルについて、ビッグ・ダディ・ケインは「それがホントのフリースタイルってやつだよ[7]」と述べ、クール・モー・ディーもこれが「本当の[12]」のフリースタイルで、「マジにオールドスクールなフリースタイル[13]」だと言っている。クール・モー・ディーはクール・G・ラップの Men At Work が「すごく良い例[12]」で「ホンモノ[12]」のフリースタイルだと評しており、さらにラキムの Lyrics of Fury も好例としてあげている[14]
新しい定義

1990年代初頭から、フリースタイル・フェローシップのようなグループやアーティストが即興のラップを普及させたことに伴い、「フリースタイル」はその場で即興で作るラップのリリックを指す言葉として広く用いられるようになった[1][3][4][5]。このタイプのフリースタイルは、ケヴィン・フィッツジェラルドの2000年のドキュメンタリー映画『Freestyle: The Art of Rhyme』でとりあげられ、フリースタイルという言葉は即興ラップを指す語として多数のアーティストに用いられている[1]

クール・モー・ディーはこの言葉の使われ方の変化について、1980年代の中頃から末くらいのどこかの時点で起こったことだと示唆している。「1986年までは、フリースタイルってのはみんな書くものだったんだ[15]」と述べ、「1990年代になるまでは、自分のリリックのすごさを示す以外にとくに目的も主体もないようなライムをどんだけ一生懸命考えつけるかってことだったんだ[12]」と語っている。

マイカ9は、フリースタイル・フェローシップのせいでこの言葉の再定義が起こったと説明している。「オレがいっちょかみしたって言われているよね。オレとフリースタイル・フェローシップがフリースタイルが世に出るのに一役買ったって。フリースタイル・フェローシップを作って、フリースタイルが何なのかってことを定義しなおすことでさ…ジャズのソロみたいに即興でラップすることだって言って、フリースタイルの意味を変えたんだ[6]」。

今日ではこの種のフリースタイルは非常に重きを置かれるものとなっているが、クール・モー・ディーによるとかつてはそうではなかった[1]。クール・モー・ディーは「オールドスクールなアーティストはたいがい、今フリースタイルって呼ばれてるものを認めてなかったんだ[12]」と回想し、さらにこう述べている。

即席でやるMCみたいなのってホント評価されてなくってさ。書けない時にだけMCはそういうことをするんだっていう考えがあったんだ。即席でライムするラッパーはあんまり厳しく批判されないよう、必ず言い訳を持ち合わせてなきゃならなかった。[15]
即興フリースタイルの方法

ラッパーの多くが即興のフリースタイルを通してラップを身につけており、How to Rapで詳述されているように、練習手法としてよくフリースタイルで会話したり、ライムを使ったゲームで遊んだりしている[16]。フリースタイルを行う理由はいろいろで、楽しみのためだったり、癒やしのためだったり、いろいろなラップの手法を開発するためだったり、自己アピールのためだったり、芸域を増やすためだったり、スピリチュアルな目的のためだったりする[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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