フリーゲンダー・ハンブルガー
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フリーゲンダー・ハンブルガー (Fliegender Hamburger)は、第二次世界大戦前のドイツ特急列車に使用された流線形気動車(DRG Baureihe SVT877)の愛称である。あるいは、その車両によって運用された、ベルリン - ハンブルク間の列車を意味することもある。

英語圏では "Flying Hamburger"(フライング・ハンバーガー)として呼ばれている。第二次世界大戦前において、営業運転を行った列車としては、駅間平均速度ベースで、世界で最も速い列車として知られた。

この列車の登場以降、ドイツ国内を縦横に結ぶ高速列車網が構築された。本稿では「フリーゲンダー・ハンブルガー」以外にも、そこから派生した、当時のドイツの高速列車とその車両に関しても記述する。
背景

地域毎に運営主体が分かれていたドイツの鉄道は、第一次世界大戦の敗戦後、国家による一元運営となり、1920年に「ドイツ国営鉄道」(DR: Deutsche Reichsbahn、現・ドイツ鉄道)が発足する。ドイツ国鉄発足後は、鉄道技術の高度化を推進するが、スピードアップについても研究開発が進められた。

1930年代に入ると、道路網や空港の整備が急速に進んだ。その結果、自動車航空機への転移が進み、いわゆる「鉄道離れ」が起こるようになる。ドイツ国鉄では、自動車や航空機への対抗上、国内の大都市間をより高速で結ぶ、新しい列車を走らせる必要に迫られた。そこで、より高速運転が可能な車両の開発や、より高速運転が可能な地上設備への改良を行うことで、大都市間の所要時間を大幅に短縮する計画を立て、実行した。

この列車のために電気式気動車が製造され、首都ベルリンと、ドイツ国内の主要都市を結ぶ列車に順次投入されることになった。まず1932年に最初の車両が製造され、翌1933年5月より第一弾として、ベルリンと第2の都市ハンブルクを結ぶ特急列車として営業運転を開始した。その列車に運用された車両が「フリーゲンダー・ハンブルガー」(空飛ぶハンブルク人)である。
車両
SVT 877

運転開始に先立ち、1932年に、連接式2両編成の電気式気動車「SVT877」1編成が、ゲルリッツ車両機械製造会社(WUMAG: Waggon- und Maschinenbau AG Gorlitz)で製造された。

車体は、風洞実験の結果採用された流線形車体で、高速運転のため、車体は軽量化されている。塗装はクリームと青紫の塗り分けで、これは当時のドイツの看板列車でもあった豪華特急列車「ラインゴルト」と同じ組み合わせである。

機関はマイバッハ製の12気筒ディーゼルエンジン(1台あたり410馬力)で、編成両端の先頭車の運転台の裏に1台ずつ設置した。それに直結した直流発電機で発電した電気で電動機(1台あたり302kW、編成全体で604kW)を駆動するものである。

屋根上に設置された排気管の方向が走行時の空気流を利用して(風見鶏と似た原理)進行方向により換わるようになっていた。

これらの機構により、最高速度160km/h運転を可能とした。

ブレーキは、空気ブレーキのほか、電磁吸着ブレーキ(レールブレーキ)を装備し、160km/hから800m以内で停止できるようになっている。

車内は定員98席の座席と、小規模なビュッフェが設置されている。全車全座席が2等車(当時のドイツの鉄道は3等級制で、2等車は現在の日本のグリーン車に相当する)である。これは、高級ビジネスユーザをターゲットとしていたためである。
量産車ライプツィヒに展示されているハンブルク型車両(SVT137 225).mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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SVT877編成を元に5種類の車両が作られた。これらは高速気動車(Schnellverkehrs-Triebwagen, SVT)と総称される。

ハンブルク型("Bauart Hamburg"), 2車体, 連接台車, 604 kW, 2'Bo'2', No 137 149 - 137 152 / 137 224 - 137 232


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