RAID
RAID隊員。肩章はFIPNのもの
創設1985年
所属政体 フランス
所属組織フランス国家警察
兵種/任務/特性対テロ特殊部隊
人員約300名[1]
所在地エソンヌ県ビエーブル
特別介入部隊(とくべつかいにゅうぶたい)は、フランス国家警察の特殊部隊。正式名称は「捜査・支援・介入・抑止」(フランス語: Recherche, Assistance, Intervention, Dissuasion)であり、RAIDと略称される[2][3]。 国家警察総局(DGPN
来歴
このことから、1985年10月23日、国家警察総局(DGPN)の直轄下で、全国規模で対テロ作戦に対応する部隊が設置されることとなった。これがRAIDである[4][5]。
編制RAIDのネクスター「ティトゥス」装輪装甲車
上記の経緯より、RAIDは、フランス国家警察の最高指揮組織である国家警察総局(DGPN)の直轄下にあり、当初は170名規模で編制されていた[7]。国家警察の最精鋭部隊として、他の部隊よりも手厚い予算措置が組まれている[8]。国家警察はフランスの都市圏での警察活動を担当しており、この担当地域内で発生した事案のうち、GIPNでは対応が困難なものについてRAIDが対応する体制となっていた。その後、2009年7月31日に国家警察介入総隊(FIPN)が設置され、RAIDとGIPN、そしてBRI-BACの作戦指揮が統一されることになった[2]。その後、2015年4月に国内のGIPN部隊は廃止され、RAIDに統合された[7]。これにより、人員は約300名に増強された[1]。
入隊するためには最低5年間の勤務歴が必要とされる。9ヶ月の訓練コースでは、航空機など輸送機関への突入、空挺降下、戦闘潜水、監視などの訓練を行う。なお、拳銃としてはマニューリン MR 73やベレッタM92、グロック17/19/26、SIG SP2022、短機関銃としてはH&K MP5やFN P90、自動小銃としてはSIG SG551[9]、M4カービンやH&K G36、H&K HK417、FN SCAR、狙撃銃としては国家警察の狙撃手で標準的なティッカT3のほか、特級射手はブレイザーR93LRS2[8]やPGMウルティマラティオを使用し、また1,000メートル以上の超長距離射撃に備えた対物ライフルとして、PGM ヘカートIIも装備する[10]。 創設直後の1985年12月にナントで発生した重罪院立てこもり事件で早速出動した。また1987年の直接行動幹部の検挙や、1993年5月にヌイイ=シュル=セーヌで発生した保育園立てこもり事件
RAID隊員によるVIP警護訓練 (2018年)
活動史
2012年3月のミディ=ピレネー連続銃撃事件では、家宅捜索に抵抗した殺人容疑者宅を包囲、32時間後に突入。約4分間の激しい銃撃戦の後、容疑者が窓からバルコニーへ出たところを狙撃手が射殺。突入側は2名が軽傷。
また2015年1月9日のユダヤ食品店人質事件や同年11月13日のバタクラン劇場占拠事件(パリ同時多発テロ事件)では、パリ警視庁のBRI-BACと共同で突入を行っている[11]。
参考文献^ a b GMPA (2015年10月28日). “ ⇒30 ans du RAID” (フランス語). 2016年2月18日閲覧。
^ a b フランス国家警察 (2012年6月13日). “ ⇒Le RAID (Recherche, Assistance, Intervention et Dissuasion)” (フランス語). 2016年1月3日閲覧。
^ 警察庁「第2節 テロ対策」『平成14年 警察白書』2002年。https://www.npa.go.jp/hakusyo/h14/h140202.html。
^ a b La Tribune du commissaire (2015年). “ ⇒DOSSIER - L’intervention de police dans tous ses etats” (フランス語). 2016年1月3日閲覧。