フラワー級コルベット
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フラワー級コルベット

基本情報
種別コルベット
命名基準花の名
前級キングフィッシャー級
次級キャッスル級
リバー級 (フリゲート)
要目
排水量原型: 980トン
改型: 1,015トン
全長原型: 62.48 m
改型: 62.54 m
最大幅10.06 m
吃水3.51 m
ボイラースコッチボイラー×2缶 (原型)
3胴型水管ボイラー×2缶 (改型)
主機3段膨張式レシプロ蒸気機関
推進器スクリュープロペラ×1軸
出力2,750馬力
速力16ノット (30 km/h)
航続距離3,500海里 (12kt巡航時)
乗員29?85名
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フラワー級コルベット (英語: Flower class corvette) は、イギリス海軍が建造したコルベットの艦級。計画当初は対潜捕鯨船(A/S whaler)と称されていたが、後にコルベットとして扱われるようになった[1]。なお、艦名はほとんどが花にちなんだものであることからこの名がある[2]

第二次世界大戦中、イギリスカナダで多数が建造されたことから、イギリス海軍以外にもカナダ海軍アメリカ海軍など他の連合国でも使用されており、米海軍で運用されたものについてはテンプトレス級コルベット(Temptress class patrol gunboats)と呼称されている。目次

1 来歴

2 設計

3 装備

4 配備

4.1 運用国


5 参考文献

6 関連項目

来歴

1935年ドイツ再軍備宣言と英独海軍協定(英語版)を受けて、1930年代末の時点で、国際情勢は既に次なる大戦に向けて動き始めていた。戦争が勃発した場合、外洋域での護衛艦もさることながら、局地防衛用の沿岸警備艦艇が重要となると予想されたことから、1939年1月、第一海軍卿は、対潜艦として運用可能な艦船に関する予備研究を指示した。この際には、トロール船捕鯨船掃海艇改修型、沿岸スループの急造対応型、そしてハント級駆逐艦が対象とされた。沿岸スループやハント級駆逐艦のような在来型の軍艦は、建造できる造船所が限られるうえに、主機として採用されていたギヤード・タービンディーゼルエンジンは、戦時には不足することが予測された。これに対し、トロール船や捕鯨船のレシプロ蒸気機関であれば比較的容易に調達できるうえに、これらの船は比較的少ない要員で運用できた[1]

2月8日、グドール造艦局長(DNC)は、スミス・ドック社のエドワード・リード技師を訪ねた。リード技師は既に海軍向けの哨戒トローラーの設計を手がけており、より新しく高速のトロール船である「インペリアリスト」を紹介した。しかしグドール造艦局長は、むしろリード技師が最近設計した捕鯨船「サザン・プライド」(FV Southern Pride)および「ソンドラ」(FV Sondra)に興味を示した。トロール船の速力が11ノット程度であるのに対して捕鯨船は15ノットを発揮でき、これは用兵面で大きな意義があるものと考えられた。リード技師は、これらの捕鯨船を元に哨戒トローラーの技術を導入した艦であれば、建造期間6ヶ月で、3週間ごとに竣工できるとの見通しを示した。これを受けて、3月20日、第三海軍卿(英語版)は、1940年度計画にこの対潜捕鯨船の建造を盛り込むことを提案した[1]

性能面では、1938年度計画で建造されていたギルモット級沿岸スループのほうが優れていたことから、対潜捕鯨船(A/S whaler)の設計と平行して、造艦局長はギルモット級を元に戦時急造に対応した派生型の検討も行わせていたが、やはり量産性がネックとなり、こちらは実現しなかった。既に戦争の脅威は急迫しているものと判断されており、帝国防衛委員会(CID)は1年以内に履行可能な計画を求めていた。このため、1939年7月に着手された戦時緊急計画に盛り込まれた哨戒艦艇10隻は、いずれも対潜捕鯨船とされた。これによって建造されたのが本級である[1][3]
設計

上記の経緯より、基本設計は「サザン・プライド」をベースとしているが、艦砲を搭載するため船首楼は延長された。また対潜戦の際の機動性を重視して、舵とその周囲の構造も変更された[1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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