この項目では、幽霊船伝説について説明しています。
リヒャルト・ワーグナー作曲のオペラについては「さまよえるオランダ人」をご覧ください。
その他については「フライング・ダッチマン (曖昧さ回避)」をご覧ください。
アルバート・ライダー
フライング・ダッチマン (Flying Dutchman) は、近代イギリスの伝承に現れる幽霊船、もしくはその船長のオランダ人である。船長はさまよえるオランダ人、船はさまよえるオランダ船やフライング・ダッチマン号と訳すこともある。
目次
1 伝承の要旨
2 起源
3 ワグナーのオペラ
4 出典
5 関連項目
アフリカ大陸南端近くの喜望峰近海で、オランダ人船長が風(あるいは神)を罵って呪われた。船は幽霊船となり、船長はたった1人で永遠に(あるいは最後の審判の日まで)さまよい続けることとなった。 似た伝承として、北海を最後の審判の日までさまようドイツのフォルケンバーグ船長 (Falkenburg) の伝説があった。 幽霊船の形で現れる最古の文献は、1795年のジョージ・バリントン
伝承の要旨
起源
オランダ人が喜望峰沖で遭難し、乗っていた者は全員死亡した。
1隻の船が同行していたが、無事ケープ(現南アフリカ共和国)に着き、一度ヨーロッパに帰って、またこの海域に戻ってきた。
事故のときと同じ緯度に達したとき、遭難した船の幽霊船を見張りが見つけた。
船がケープに着くと、船員はその話を触れ回り、幽霊船は「フライング・ダッチマン」と呼ばれるようになった。
1821年のブラックウッド誌(英語版)では、次のように書かれた[2]。ほぼ現在知られる物語になっている。
幽霊船は、70年前(1751年)に出港したアムステルダム船である。
船長はヘンドリック・ファン・デル・デッケン(Hendrik van der Decken)である。
ケープタウンへ向かってテーブル湾に入る直前で激しい向かい風となったため、船長は風を罵った。
その夜、船が船長に「今夜中に湾に入る気か?」とたずね、船長は「最後の審判の日までかかっても入ってやる」と答えた。
その結果、船は今も湾に入れず近海をさまよっている。悪天候のときのみ見ることができる。
ワグナーのオペラ詳細は「さまよえるオランダ人」を参照
フライング・ダッチマンは、リヒャルト・ワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』(1842年)の題材として有名である。このタイトルは和訳されているだけで、原題 Der fliegende Hollander はフライング・ダッチマンのドイツ語訳である。
船長はたった1人で永遠にさまよう運命にあるが、7年に一度上陸でき、そのとき船長を愛す女性に出会えれば、呪いから解放される(死ぬことができる)。