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紋章地図
基本情報
連邦州:バーデン=ヴュルテンベルク州
行政管区:フライブルク行政管区
地域連合:南部オーバーライン地域連合
フライブルク・イム・ブライスガウ(標準ドイツ語:Freiburg im Breisgau, アレマン語:Friburg im Brisgau)は、ドイツ連邦共和国南西部、バーデン=ヴュルテンベルク州の郡独立市である。単にフライブルクと呼ばれることも多く、以下ではこれを用いる。
ドイツゴシック建築の傑作とされる大聖堂(13世紀建設開始-1513年完成)[2]を擁し、美しい家並み、清潔な街区も魅力的な文化都市である。
環境保護で先進的な取り組みをしている都市であり、日本では「環境首都フライブルク」と紹介されることがある[3]。大学都市でもあり、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(フライブルク大学)や教育大学・音楽大学が所在し、学生や教職員などが多く居住している。また、外国人へのドイツ語教育機関であるゲーテ・インスティトゥートがある。
「フライブルク」という名(意味は「自由な都市」)の都市はドイツ語圏の各地に存在し、スイスの都市フリブール(ドイツ語の正式名はフライブルク・イム・ユヒトラント (Freiburg im Uechtland))などが知られるが、単に「フライブルク」と呼ぶ場合、日本ではフライブルク・イム・ブライスガウを指すことが多い。フライブルク市街(北西から南東方向)シュロスベルクの展望台からの眺め フライブルクは1945年から1952年4月25日のバーデン=ヴュルテンベルク州設立までの間、バーデン州の州都であった。ドイツ最南の主要都市であるフライブルクは、フライブルク行政管区、南部オーバーライン地域連合、ブライスガウ・ホッホシュヴァルツヴァルト郡の官庁所在地である。なお、フライブルクはこの郡に囲まれているが、属してはいない。 ドライザム川
概要
大聖堂と「ベッヒレ」と呼ばれる水路(共にフライブルクの象徴である)のある旧市街には、年間300万人以上の観光客が訪れる。
1457年に設立されたアルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(フライブルク大学)の存在により、フライブルクはドイツの古典的な大学都市の一つに数えられている。
地理
位置敷石で示された北緯48度線
フライブルクはバーデン=ヴュルテンベルク州の南西部のライン地溝帯(上ライン盆地)南東端、シュヴァルツヴァルト山地の麓に位置する。近隣の主な都市としては、近い順にフライブルクから約38km西のコルマール(フランス)、約46km南西のミュルーズ(フランス)、約51km南のバーゼル(スイス)、約66km北のストラスブール(フランス)、約85km南東のチューリッヒ(スイス)、約120km北のカールスルーエ、約133km北東のシュトゥットガルトがある。フライブルクを貫通してドライザム川が流れている。
フライブルク市の領域の大きさは南北18.6km、東西20kmである。フランスとの国境からは最も近い場所で3km、スイスとの国境からは42km離れている。
かつて市壁だったアウフ・デア・ツィンネン通りから200mほど北に北緯48度線が通っている。南北に走るハプスブルク通りの両側の歩道上に、その位置が敷石で示されている。
隣接する自治体フライブルクの地形(鉄道を表示)
以下の都市や自治体がフライブルク市に面している。北から時計回りに、フェアシュテッテン(ドイツ語版)、グンデルフィンゲン(ドイツ語版)、グロッタータール(ドイツ語版)、シュテーゲン(ドイツ語版)、キルヒツァールテン(ドイツ語版)、オーバーリード(ドイツ語版)、ミュンスタータール/シュヴァルツヴァルト(ドイツ語版)、ボルシュヴァイル(ドイツ語版)、ホルベン(ドイツ語版)、アウ(ドイツ語版)、メルツハウゼン(ドイツ語版)、エブリンゲン(ドイツ語版)、シャルシュタット(ドイツ語版)、バート・クロッツィンゲン(ドイツ語版)、ブライザハ・アム・ライン(ドイツ語版)、メルディンゲン(ドイツ語版)、ゴッテンハイム(ドイツ語版)、ウムキルヒ(ドイツ語版)、マルヒ(ドイツ語版)。以上はエメンディンゲン郡に属するフェアシュテッテンを除き、全てブライスガウ・ホッホシュヴァルツヴァルト郡に属している。 フライブルクはシュヴァルツヴァルト山地とライン地溝帯の境界に位置しており、断層が市域の中央を通っている。市の東部にはツァールテン盆地へと続く谷が、北側のロスコプフ山と南側のブロンベルク山に挟まれて位置している。市の南部のカッペル地区とギュンタースタール地区はシュヴァルツヴァルト山地の中にある。麓の延長であるシュロスベルク山(城山)が、中心市街地に向かって鼻のように突き出ている。グライフェンエック宮の下部、アウグスティーナー道の西側の岩は、中世最盛期の市壁を建設するために切り出された。南東にある標高1284mのシャウインスランド山頂は、シュヴァルツヴァルト山地でも最も高い場所の一つであるが、フライブルク市域に属している。市域の標高差が1000m以上というのは、ドイツの主要な都市の中では最大である。市の西部は氷期に形成された扇状地の上に広がっている。市の南には麓の一部であるシェーンベルク山が位置しているが、これは古い山地の一部であり、ライン地溝帯が沈下する際に一部が崩れ落ちたものである。 フライブルクは温暖で湿潤な温帯に位置しているが、場所によって大きな違いがある。平地は比較的温暖で乾燥していて、山地は涼しい。平均気温は11.4℃で、ドイツの主要な都市の中では最も暖かい。2003年の猛暑の際には、8月13日に40.2℃(公式)を記録していて、これは同じ数値が観測されたカールスルーエやマンハイムと並んで、ドイツの観測史上最高値である。地球温暖化の影響により、年平均気温は9.7℃(1961年から1990年の平均)から11.4℃(1981年から2010年の平均)に上昇した。 フライブルクの平均年間日照時間は1650時間で、これもドイツの主要な都市の中で最高である。平均年間降水量は908mmで、ドイツ全体の平均である800mm弱よりかなり多い。降水量の多くは夏期(5月 - 8月)の分であり、6月が107mmと最も多い。最も少ない2月の降水量は50.6mmである。 フライブルクの夏の気候を特徴づけるものの一つが、東部に位置するヘレンタール渓谷にちなんで「ヘレンターラー」と呼ばれる「風」である。シュヴァルツヴァルトの高地から吹き下ろしてくる風が、決まって暗くなり始めた頃の時間帯に市内を吹き抜けていく。気象専門家のヨルク・カヒェルマンやハンス・フォン・ルドルフの見解によると、この風は一般に思われているような冷たい風ではなく、フェーン現象による温かい風である。この風の影響で、フライブルクはドイツで最も熱帯夜(ドイツでは20℃を下回らない夜をいう)の多い都市となっている。 フライブルク市内には28の地区があり、主に統計上の目的でさらに42の領域に分けられている。旧フライブルク郡の再編により、エブネット
地質
気候
市の構成フライブルク市内の地区
フライブルク市内の28の地区は以下の通り。
アルトシュタット(旧市街)
ノイブルク
ヘルデルン
ツェーリンゲン
ブリュール
ホッホドルフ
ヴァルトゼー
リッテンヴァイラー
エブネット
カッペル
オーベラウ
ヴィーレ
ギュンタースタール