フットボール(英: football)は、得点するために指定された相手陣地のゴールにボールを蹴り込む要素を含む一群のチームスポーツの総称、または、スティックなど他の器具を使わないでボールをゴールに持ち込む競技の総称、または、足でボールを蹴る・操作する球技の総称、またその競技に用いられるボールをいう[1]。フットボールには、
アソシエーション・フットボール(サッカー、ア式蹴球)
ラグビーフットボール(ラグビーリーグまたはラグビーユニオン、ラ式蹴球)
アメリカンフットボール(米式蹴球、またはカナディアンフットボール、グリッドアイアンフットボール(英語版))
オーストラリアンフットボール
ゲーリックフットボール
これらの様々なフットボールの派生競技はフットボールコード(code: 法典)として知られている。現代のフットボールコードは、18世紀および19世紀のイングランドのパブリックスクールにおけるこれらの競技の法典化に遡ることができる[4][5]。20世紀には、これら様々なフットボールは世界で最も人気のあるチームスポーツとなった[6]。
また、通常「フットボール」と呼ぶ場合、その地域で最も人気のあるフットボールの競技を意味する。
各コードの共通要素キッキングの動作:(上から下、左から右の順に)アソシエーション、グリッドアイアン、オーストラリアン、およびラグビーフットボール
時の権力は度々『フットボール禁止令』を敷いたが、大衆のフットボールへの情熱は消える事を知らなかった。近代イングランドでは、良家の子弟のための全寮制学校、パブリックスクールを中心に、フットボールをスポーツとしてルール化する動きが現れ、これが後のサッカー(アソシエーション・フットボール)としてのフットボールのルール作成、そしてそこからのラグビーの分岐につながった。大英帝国の影響力と力によってこれらのフットボールのルールは大英帝国が支配する地域の外にも広がっていった[7]。サッカーとラグビーは、当時世界中に存在したイギリスの植民地にも伝わり、アイルランドの旧来のフットボールに影響を与え、またアメリカ、オーストラリアで独自のフットボールが派生して行った。19世紀末までには地域ごとの独特なフットボールコードが既に発展していた[8]。例えば、ゲーリックフットボールは地域の伝統的なフィールド競技の遺産を維持するために意図的にそれらのルールを取り入れた。1888年に、イングランドで最初のプロフェッショナルフットボール競技会であるフットボールリーグが創設された。
とはいえ、フットボールの様々なコードはいくらかの共通要素を共有している。アメリカンフットボール、カナディアンフットボール、ラグビーユニオン、ラグビーリーグの選手は試合の開始時にフィールドの限定された領域に位置取る[9]。また、これらのコードではボールを移動させる主要な方法としてスローイングとランニングを用いる傾向にあり、限定された場合にのみキックを用いる。ボディータックルは主要な技術であり、試合は通常5-90秒のプレーの短い流れを含む[9]。サッカー、オーストラリアンフットボール、ゲーリックフットボールはピッチ上でボールを移動させるためにキックを用いる傾向があり、手でのボールの扱いがより限定されている。また、ボディータックルの試合での役割はより低く、選手はより自由にフィールド上を移動することができる(オフサイドルールは大抵あまり厳しくない)[9]。
フットボールの様々なコードは以下の要素を共有している[要出典]。
2つの「チーム」は大抵11人から18人の選手からなる。人数を少なくした(1チーム5人かそれ以上)ルールも人気がある。
試合を行う領域が明確に決められている。
「点」・「ゴール」は、ボールを相手チームの陣地の端やゴールエリア、あるいはラインを越えて移動させることで得られる。
ゴールあるいは点は選手が2つの「ゴールポスト」の間にボールを入れることで得られる。
ゴールあるいはラインは相手チームによって「守備」されている。
選手は、?ルールに依るが? キック、ラン、ハンドパスによってボールを移動させる必要がある。
選手はボールを移動させるのに道具を使わず体のみを用いる。
全てのコードにおいて、共通の技術としてパス、タックル、タックルの回避、キャッチ、キックが含まれる[9]。ほとんどのコードにおいて「オフサイド」ルールが存在し、得点はゴールポスト間のクロスバーの上あるいは下をボールが通過することで得られる。いくつかのフットボールルールの共通点は、ゴールラインを越えてボールを運んだ時に得点が入ること、「マーク」あるいは「フェアキャッチ」の後「フリーキック」が与えられることなどである。
名称
語源詳細は「en:Football (word)」を参照
「フットボール」という用語の起源に関しては相反する説明が存在する。「football」(あるいはfoot ball)はボール (ball) を足 (foot) で蹴る動作を意味しているという説明は広く受け入れられている。もう一つの説明は、中世ヨーロッパにおいて「徒歩で (on foot)」で行われていた様々な競技を元々意味しているというものである。どちらの説明に関しても決定的な証拠はない。 「フットボール」またはその派生語は、ほとんどの場合サッカー(ア式蹴球)を指す。「フットボール」の意味する競技が、サッカーである国は、イギリス、インド、アルゼンチン[10]、ジャマイカ、シンガポール、スイス、ルクセンブルク、トリニダード・トバゴ、ハイチ、ブラジルなどがあり、20世紀にイギリスやフランスから独立した国はその影響を大きく受けている。
「フットボール」という語句の使用