「籐」(とう)とは異なります。
「藤」はこの項目へ転送されています。駆逐艦については「藤 (駆逐艦)」をご覧ください。
フジ
Wisteria floribunda
Wisteria floribunda
(Longwood Gardens、2005年5月1日)
分類(APG III)
界:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
階級なし:真正バラ類I Eurosids I
目:マメ目 Fabales
科:マメ科 Fabaceae
亜科:マメ亜科 Faboideae
連:フジ連 Millettieae
属:フジ属 Wisteria
種:フジ W. floribunda
学名
Wisteria floribunda
(Willd.) DC. (1825)[1]
シノニム
Kraunhia floribunda (Willd.) Taub.
Rehsonia floribunda (Willd.) Stritch
英名
Japanese wisteria
品種
シロバナフジ W. f. f. alba[2]
アケボノフジ W. f. f. alborosea[3]
フジ(藤、学名: Wisteria floribunda、別名: ノダフジ)は、マメ科フジ属のつる性落葉木本で日本の固有種[4]。本州から九州にかけて分布する。花が咲く時期には「藤棚」が鑑賞・観光の対象となる[5]。
日本では同属のものに近畿地方以西に分布するヤマフジ W. brachybotrys があり、時に混同される。またシナフジ W. sinensis などの国外の種も栽培されることがあるが、日本では本種が用いられることが大半である。 和名フジの由来には定説がないが、一説には本来「フヂ」と呼称・発音され、風が吹く度に花が散るので「吹き散る」の意であるという[6]。漢字表記の「藤」は、本来は中国産の種であるシナフジを中国で紫藤と表記したことにより、日本でこれを省略して当てたものである[7]。藤という字そのものは藤本(とうほん)、すなわちつる性で木本性の植物を指す言葉である[8]。 別名にノダフジ(野田藤)があり[9]、これは摂津国野田村(現在は大阪市)の地名に由来する。野田村は「吉野の桜、高尾(高雄)のもみじ、野田の藤」と言われるほどフジの名所であった[6]。その他の地方名に、ツルフジ[10]、フジヅル[10]、ハナフジ[10]などでもよばれている。 なお、ヤマフジは下記のようによく似た別種の標準和名であるが、本種の野生品、あるいは山のフジ、ということでフジのことをヤマフジと呼ぶ場合があり、誤用と見られる事例もある。 日本の固有種[4][11]。本州・四国・九州の温帯から暖帯に、低山地や平地の林に分布する[9]。低山地や平地の林縁、山野、谷あいの崖地、林の中などに普通に見られる[12][10]。往々にして、足場の悪いところに自生している[10]。古くから観賞用として、庭園などにも植栽されている[11]。 落葉性のつる性の木本[13]。蔓は右巻き(S巻き)になり[11][14][注 1]、樹皮は灰褐色で皮目が多く、太いものは不規則に隆起する[14]。一年枝は淡灰褐色で、当初は褐色の短毛を密生するが後に無毛になり、短枝も出る[14]。春の芽吹きは、葉と花が同時に冬芽から展開する[14]。 葉は互生して、長さ20 - 30センチメートル (cm) になり、奇数羽状複葉で小葉は11 - 19枚からなる[9]。個々の小葉は卵状長楕円形から狭卵形で、長さ4 - 10 cm[10]、幅2 - 2.5 cm[15]、先端は突き出し、そのまた先は丸い。基部はほぼ円形をしている。小葉はほぼ無毛で[9]、若葉には毛がある[11]。葉質は草質で薄く、上面につやがあり[15]、葉縁には鋸歯がなく滑らかとなっている[16]。秋になると、日当たりのよいところでは濃い黄色に紅葉する[16]。落葉すると小葉はバラバラになる[16]。 花期は春から初夏(4 - 6月ごろ)で[17][9]、フジ属の中で最も長い総状花序を持ち、花序は枝の先端に出て下に垂れるように伸びて100 cmにも達し、多数の花を付ける[18][注 2]。
名称
分布・生育地
形態・生態
Size:85 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef