フクロウ類
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フクロウ目
カラフトフクロウ
分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:鳥綱 Aves
上目:新顎上目 Neognathae
階級なし:ネオアヴェス Neoaves
階級なし:コロナヴェス Coronaves
:フクロウ目Strigiformes

学名
Strigiformes
Wagler, 1830
英名
Owl



メンフクロウ科 Tytonidae

フクロウ科 Strigidae

フクロウ目(フクロウもく、梟目、学名 Strigiformes)は鳥類の1目である。

ミミズクと呼ばれるものも同じ仲間で、はっきりとした区別(分類学上の区別)はない。頭部の上方に突き出た耳のように見えるものを羽角(うかく)というが、羽角のない種をフクロウ、羽角のある種をミミズクと呼んでいる。
分布

南極を除く全大陸に分布し、特に熱帯では多様性が高く、グリーンランドにまで生息している[1]日本には10種ほどが生息している。
形態
目と耳

両目が頭部の前面に位置しており、上下にも僅かにずれている。

フクロウは遠目が利くが、逆に数十センチ以内の近い範囲ははっきりと見ることができない。瞳孔が大きく、弱いに敏感な桿体細胞網膜に多いため、夜目がきく(ただしその代償として昼間は眩しすぎるため、目を細めていることが多い)。フクロウの目の感度は人間の100倍。他の多くの鳥類と異なり、両目が正面にあるため立体視が可能で、静止していても対象までの正確な距離を把握できる。

両耳は、耳穴が左右でずれた位置に存在し、奥行きも違っている。左右非対称であることにより、音源の方向を立体的に認識することが可能になっている。また、パラボラ型の顔面の羽毛が対象の発するわずかな音を集め、聴覚を助ける役目をする。

暗所に強い目と、驚異的な聴力がフクロウ目の夜間ハンティングを可能にしている。
くちばし、翼、足

ワシのような形をしたくちばしをもつ。目の周囲を縁取るようにはっきりとした顔盤という羽毛が生えた部位がある。耳角と呼ばれる耳のように見える羽は耳ではなく、耳は顔盤のすぐ後ろに位置している。耳の位置は左右で異なっている。

フクロウ目の羽毛は柔らかく、風切羽の周囲には綿毛が生え、はばたきの音を和らげる効果があるため、ほとんど音を立てることなく飛行できる[2]

(あしゆび)のうち、いちばん外側の第4趾の関節が非常に柔軟で、多くの鳥類のような三前趾足(第1趾のみが後ろで前3本後1本)から対趾足(前2本後2本)に切り替えることができる。
生態フクロウとミミズク

左がアメリカフクロウ、右がワシミミズク

多くの種が夜行性で、フクロウ目は数少ない夜行性の鳥類(鳥類全体の約3%)の中で大きな割合を占める。肉食で小型の哺乳類や他の鳥類、昆虫などを鋭い爪で捕獲し捕食する。一部にはを捕食する種もみられる。森林にすむ種はの洞穴を住処とし、岩肌を利用したり、他の鳥の古巣を使うこともある[3]。単独またはつがいで生活する。

種類によっては、刺激を受けると、外見上の体の大きさを変えるものもいる。
系統と分類

フクロウ目は、スズメ目などと共に land bird クレードに含まれるが、land bird クレードの初期に分岐した類縁関係のはっきりしない目のひとつである[4][5]

2科27属220種が現生する[6]。このほかいくつかの化石科がある。

メンフクロウ科 Tytonidae - 2属18種

フクロウ科 Strigidae - 25属202種、フクロウシマフクロウアオバズクなど。

Ogygoptyngidae - Ogygoptynx など

†Protostrigidae - Eostrix など

†Sophiornithidae

フクロウ目は古くは、猛禽類として分類されてきた。カール・フォン・リンネは、タカ類ハヤブサ類モズ類と共にタカ目 Accipitres に分類した。

1990年代のSibley分類では、現在のフクロウ目・ヨタカ目アマツバメ目ズクヨタカ科の構成種を含めていた。彼らは狭義のフクロウ目とヨタカ目(ズクヨタカ科を含む)は姉妹群だとしており[7]、それらを合わせた群の名称がフクロウ目となったのは命名規則のためである。フクロウの首の動き

頭部を180度以上回転させることが出来る。
(シロフクロウ)

フクロウ目とヨタカ目は夜行性捕食性という生態が共通しており、頭骨にも共通点が発見された(ただしアマツバメ目とも共通である)[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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