フォーミュラ4
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フォーミュラ4(Formula 4、F4)は、モータースポーツの一カテゴリーである。フォーミュラカーレースの中でフォーミュラ3 (F3) の下位に位置し、以下に分類される。

日本フランスイギリスで国ごとの規格をもとに開催されている選手権。

国際自動車連盟(FIA)が制定した国際規格をもとに、世界各国・各地域で開催されている選手権(FIA-F4)。
目次

1 国別のF4

1.1 日本(フォーミュラ4選手権)

1.1.1 マシン

1.1.2 運営改革

1.1.3 クラス分け

1.1.4 国土交通大臣杯


1.2 フランスF4

1.3 イギリス(BRDC F4)

1.4 カナダ(CASC F4)

1.5 南米


2 FIA-F4

2.1 おもなレギュレーション

2.2 公認モデル

2.3 世界各国・各地域のFIA-F4

2.3.1 FIA公認選手権

2.3.2 FIA-F4規格のシリーズ


2.4 各選手権の歴代勝者


3 脚注

4 参考項目

5 外部リンク

5.1 日本

5.2 海外


国別のF4
日本(フォーミュラ4選手権)

日本のフォーミュラ4選手権(F4選手権)は、1993年に創設された日本独自のジュニア・フォーミュラの一つである。運営はエンジンチューナー・レーシングカーコンストラクター及びサーキット等の代表者で構成される日本F4協会が行っている。後述するFIA-F4が日本に導入されてからは、日本自動車連盟 (JAF) の地方選手権として、JAF-F4[1]と表記される場合がある。

創設当初の名称は「フォーミュラJJ地方選手権(FJJ)」。モータースポーツブームが起きた1980年代末、全日本F3選手権のレベルが上昇し参戦コストが高騰。入門フォーミュラのFJ1600から、ミドル・フォーミュラのF3へのステップアップが困難になっていたため、両カテゴリの間を埋める役割が期待された。1990年にはフォーミュラ・トヨタフォーミュラ・ミラージュという同様の趣旨をもつメーカー主導のシリーズがスタートしていたが、F4は車輛選択の自由度があるマルチメイクをモットーにしている。

初期は移動経費を軽減するため、サーキットや地域ごとに分散して4?5のシリーズが開催されていた。2001年より「関東シリーズ」と「関西シリーズ」の2ブロックとなり、2004年に「東日本シリーズ」と「西日本シリーズ」に改称して続いてきたが、2019年より1シリーズに統合された。

出身の有名選手には道上龍荒聖治塚越広大関口雄飛平川亮山下健太牧野任祐福住仁嶺角田裕毅らがいる。
マシン

エンジンは、現在は排気量が最大2,000ccの量産L4エンジンを改造したもので、価格はレギュレーションで最高220万円(2011年より[2])とされている。

シリーズ発足から2009年までは排気量の上限は1,850ccだった。当初はトヨタマツダ及び日産のエンジン等も使われていたが、後にパフォーマンスや入手性から戸田レーシング製のホンダB18Cエンジンの事実上ワンメイクになった。このエンジンもベースエンジンの入手が困難になったため、2010年からエンジン排気量の上限を2,000ccに拡大[3]。2,000ccエンジンについては、戸田レーシングがホンダのK20Aトムスがトヨタの3ZRをベースとしたエンジンを供給している[4]。2012年現在はこれに加え日産・SR20やホンダ・B20C、さらに従来のホンダ・B18Cを独自にボアアップしたエンジンも使用されている[5]

レギュレーション上は従来の1,850ccエンジンと2,000ccエンジンの混走が認められており、性能の均衡化を図るべく、2,000ccエンジンについてはリストリクターによる出力制限が設けられている。規定改正後暫くの間は実際に混走状態が続いていたが、2012年のF4コンストラクター日本一決定戦では全車が2,000ccエンジンを搭載し、移行がほぼ完了した[5]

シャシーも価格がレギュレーションで最高680万円(2011年より[2])とされ、かつては東京R&D製なども存在したが、後にウエストレーシングカーズの事実上のワンメイクになった。2010年よりカーボンコンポジットモノコックの使用が認められたため[3]日本自動車レース工業会(JMIA)がF4への積極参入を図る姿勢を表明し[6]、新型シャシーが東京R&D・ムーンクラフト・ZAP SPEEDなど複数のコンストラクターから発売された。なお従来マシンの使用も引き続き可能だが、最低重量が変更されたためその分の調整が必要である[3]。また後述するように、2014年からは旧フォーミュラチャレンジ・ジャパン (FCJ) のマシンも参戦している。

タイヤはワンメイクで、シリーズ発足から2011年まではADVAN横浜ゴム)が指定されていたが、2012年よりダンロップ住友ゴム工業)に変更になった[7]
運営改革

近年は、F4においても参戦コストの高騰や支援企業の減少等によりエントラントは減少傾向にあり、2000年代後半にはシリーズ全戦に参戦する台数が10台を割っていた。FJ1600及びF4のエントラントを支援するジャパン・スカラシップ・システム (JSS) は、2006年より「F4日本一決定戦」と題し、FJ1600と同様に優勝者にF3などへのステップアップチャンスを与えるシステムを導入するなどの改革を行ったものの、2006年より発足したほぼ同格のカテゴリーであるフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ:トヨタ・日産・ホンダの自動車メーカー3社が支援)に近年エントラントの人気が集まったことなどから、参戦台数の減少が続いた。

これに対し前述したように、2010年よりエンジン排気量の拡大・新しいマシン規定など、カテゴリ発足以来の大規模なレギュレーション変更が行われた結果、参戦台数は増加する傾向を見せており、今のところはレギュレーション変更が成功したといえる。

さらに2013年限りでFCJがシリーズを終了。これに伴い2014年からはトヨタ・ホンダの両メーカーがF4にて若手ドライバー育成活動を行う方針を明らかにしており、カテゴリーの重要性は高まりつつある。
クラス分け

F4では2012年より、使用するマシン種別や年齢等に応じて、総合チャンピオンとは別に以下の3つのクラスを設けている[8]。2014年に「FCクラス」が新設されたことで、クラスは全4クラスとなった。
Aクラス
アルミニウムを主要構造体とするマシンによるクラス。
Cクラス
カーボンコンポジットモノコックを主要構造体とするマシンによるクラス。
ジェントルマンクラス
満40歳以上かつ自らF4協会に登録を行ったドライバーを対象としたクラス。


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