「ディスクフォーマット」はストレージの初期化について説明しているこの項目へ転送されています。FATやNTFSのようなフォーマット形式については「ファイルシステム」をご覧ください。
HDDやSDカードなどといった記憶装置(電子媒体)におけるフォーマット(初期化、イニシャライズ)とは、コンピュータやデジタルカメラなど対象となる情報機器で使用できる状態にすること。またデジタル家電[注釈 1]では、データを関連機器で扱うために必要なデータを記録することが必要な場合もある。これをアプリケーションフォーマットと呼ぶ。
なお日本ではフォーマット実施の事を初期化 (initialize)と呼ぶが、本来はフォーマット (formatting)は初期化の際の一要素であり、初期化そのものではない。 記録装置は、そのままではデータ(ファイル)を記録することはできない[注釈 2]。記録するためには、「ファイルシステムの識別子」や「パーティション情報」、「ディレクトリやファイルの名前や構成情報」などの初期値を記録する必要がある。この初期化が終わって初めて特定のディレクトリやファイルを作成することができる。なお、初期化の方法は、ファイルシステムによって異なる。 物理フォーマット(ローレベルフォーマット)(英: low-level format)とは、(書き込み可能な)記録媒体のデジタル信号列を、記憶装置で読み書き(認識)可能な状態に初期化する事、またその初期化された型式を言う。 書き込み可能なディスク媒体(磁気ディスク、光ディスク等)の場合、トラックやセクター等の信号列を含めてディスク全体を規定パターンで書き直す。セクター内のプリアンプル フロッピーディスクやMO、初期の容量の小さいハードディスクでは、ユーザーがしばしば物理フォーマットを行う事がある。 ハードディスクの容量が増大し、トラック密度が高くなるとともに、ヘッドのシーク機構も、ステッピングモーターからサーボモーターに切り替えられた。サーボモーターでは、ディスク上での厳密なトラックの絶対位置を決めることが出来ないため、今日のハードディスクでは、ユーザーが物理フォーマットを行うことはできない。メディアへの物理フォーマットは、工場で専用の装置により行われている。 近年ではウエスタンデジタルやシーゲイト・テクノロジーなどのハードディスク製造メーカーが、コントローラを直接操作して全領域に上書き処理するソフトウェアを無償で配布している。 ディスク全体を上書きする事から、論理フォーマットよりも遙かに作業時間が掛かる。 物理フォーマットが成された記憶媒体上に、パーティションやファイルシステムのために必要なデータを書き込む事である。また、そのような論理フォーマットされた形式・方式を言う。フォーマットと言うと通常、論理フォーマットを指す事が多い。 多くのOSでは、ファイルシステム作成時に「クイック」と言うオプションを選べる。これは、メディアの物理フォーマット(およびパーティショニング)が完全に出来ていることを前提として、最低限必要なファイルシステムデータを書き込むことにより、フォーマットに掛かる時間を短縮できるものである。これを「クイックフォーマット」と言う。クイックフォーマットに対して、クイックでない通常フォーマットを行うと、ハードディスク上の全セクターに対してテスト読み込みもしくは書き込みを実施するため、長時間を要する。 また、記憶媒体のフォーマット時容量は、物理フォーマット後のファイルシステム等に使える容量であるが、実際にユーザがデータとして使える容量は、パーティションやファイルシステムなどの情報の容量分を除いた分である。
概要
フォーマットの種類
物理フォーマット
論理フォーマット
フォーマットとデータ消去の関係「データの完全消去」も参照
物理フォーマット
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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