クラウン ビクトリア(Crown Victoria)は、アメリカ合衆国の自動車メーカー、フォード・モーターが製造・販売していた自動車である。 アメリカ製セダンの中でも最大の部類のフルサイズに属する。オイルショック以降、キャデラックやクライスラーなどの競合車種の多くがダウンサイジングとFF化を敢行した中、フォードだけは昔ながらのラダーフレームとFRレイアウトを堅持した。このシャシはマーキュリー・グランドマーキー、リンカーン・タウンカーと共用のパンサー
概要
総生産台数は150万台を超え、生産はすべてカナダオンタリオ州セントトーマスに所在していたフォード・カナダの工場で行われた。2008年から2011年の最後の3年間はフリートセールスのみで直系の後継車種はないが、フルサイズセダンとして2007年の北米自動車ショーで発表されたリンカーン・MKSや、フォード・トーラスおよび派生モデルのフォード・ポリスインターセプターが実質的な後継車種となった。
アメリカでは「Crown Vic (クラウン・ビック)」の愛称で親しまれている。日本のトヨタ・マークIIやトヨタ・クラウン、日産・セドリックや日産・グロリアに相当する車種。
車名の由来
1955フォード1955 Ford Crown Victoria詳細は「en:1955 Ford」を参照
“クラウン ビクトリア(Crown Victoria)”の車名は、1955年フェアレーンの1レンジとして登場した6人乗りの2ドアクーペが最初である。
LTDクラウンビクトリア詳細は「en:Ford LTD Crown Victoria」を参照
フォード・LTDの上級トリムとして名付けられた。 クラウン ビクトリア
初代(1992-1997年)
前期型
中期型
後期型
概要
販売期間1992-1997年
ボディ
乗車定員5名
ボディタイプ4ドアセダン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン4.6L V8
変速機4AT
車両寸法
ホイールベース2,905mm
全長5,395mm(1992-1994)
5,385mm(1995-1997)
全幅1,975mm
全高1,440mm(1992-1994)
1,445mm(1995-1997)
車両重量1,700kg
その他
姉妹車マーキュリー・グランドマーキー
リンカーン・タウンカー
系譜
先代フォード・LTD
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フォード・LTDから完全に独立し、1991年に1992年モデルとして登場した。フォード・トーラスやセーブルが大ヒットしたためLTDとは違い、丸みを帯びたエアロダイナミックなデザインへと変貌した。ただ、グリルレスは不評であったために1993年の中期型からはグリルが追加され、1995年の後期型からは新規グリルとリアコンビネーションランプが追加されナンバー取付位置もリアライトの中央に移動させた。 クラウン ビクトリア 1999年モデル(シングルマフラー):200ps/4,750rpm 1998年モデルイヤーでフルモデルチェンジ。ラジカルなエアロルックを持った先代から、大きなヘッドライト、バンパー、グリルなど全く違うデザインとなった。これはボディをマーキュリー・グランドマーキーと共用化したことによるもので、両車のデザイン差異は先代と比較してかなり少なくなっている。 サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式が、リアにはワッツリンクを用いたソリッドアクスル式が採用された。その中でもグレードによりリアに調整式エアサスペンションを備えたグレードと従来のスプリング式のものが存在する。エンジンは先代に引き続き4.6L SOHC Modular V8エンジンのみが搭載され、1998年のデビュー時でカタログスペック200馬力(オプションのデュアルマフラー搭載時は215馬力)を発揮した。組み合わされるトランスミッションは自社製の4速ATのみが設定された。 グレードによりシート構成が異なり、前席がベンチシートのものと通常の独立したシートのものが存在する。またシフトレバーについてもコラムシフトのモデルとフロアシフトのモデルが存在している。 グレードは先代を踏襲し、ベースグレードに加えて上級グレードのLXおよび法務執行機関用フリートセールス向けのポリスインターセプター(Police Interceptor)グレードとタクシーなどの用途を想定した商用グレードが当初ラインナップされた。これに加えて最上級グレードとなるLX Sportが2002年から2007年の間生産された。 2003年にはフロントのサスペンションを中心とした大幅な再設計が施された。それまでボール・ナット式を採用していたステアリング機構はラック・アンド・ピニオン式へと変更され、リアサスペンションもツインチューブに代わりモノチューブが採用されるなど、ハンドリングの大幅な改善が行われた。 フルサイズセダンを代表する車種として長く親しまれてきたクラウンビクトリアであったが、2011年9月15日にカナダのセント・トーマス工場で最後の1台(サウジアラビア向け)が出荷され、生産終了となった。 パトカー用のグレード名は「ポリス インターセプター(Police Interceptor)」。
2代目(P7X型・1998-2012年)
P7X型
概要
販売期間1998-2012年
ボディ
乗車定員5名
ボディタイプ4ドアセダン
駆動方式FR
プラットフォームパンサープラットフォーム
パワートレイン
エンジン4.6L V8 SOHC
最高出力
1999年モデル(デュアルマフラー):215ps/4,750rpm
2001年モデル(シングルマフラー):220ps/4,750rpm
2001年モデル(デュアルマフラー):235ps/4,750rpm
2003年モデル(シングルマフラー):224ps/4,750rpm
2003年モデル(デュアルマフラー):239ps/4,750rpm
2004年モデル(ポリスインターセプター):250ps/4,750rpm
変速機4AT
前前: ダブルウィッシュボーン
後:ソリッドアクスル
後前: ダブルウィッシュボーン
後:ソリッドアクスル
車両寸法
ホイールベース2,915mm
全長5,385mm
全幅1,965mm
全高1,445mm
車両重量1,840kg
その他
姉妹車マーキュリー・グランドマーキー
マーキュリー・マローダー
リンカーン・タウンカー
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バージョン
ポリスインターセプター (Police Interceptor) (P71/P7B型)Police Interceptor ワシントンD.C.首都警察仕様