フォノン
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この項目では、量子について説明しています。

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フォノン(: phonon)、音子、音響量子、音量子は、結晶中における格子振動量子準粒子)である。

格子振動を、音波などの弾性波が伝搬する連続的な媒質弾性体)中のだと考え、場の量子論を応用することにより考案された[1]
概要「場の量子論」も参照

場の量子論を結晶格子に応用し、結晶中の振動を量子化したものがフォノンである。フォノンは、光子と同様に生成や消滅をすることができ、質量は存在しない。一般的な量子力学のように粒子数が固定された系の波動関数でフォノンを記述することは難しい。

振幅が大きくなる、つまり振動が激しくなることはフォノンのが増えることで表される。
1次元の格子振動の量子化

1次元の量子的な調和振動子はN個の同種原子から成る。これはフォノンを考える上で、最も簡単な量子的モデルである。このモデルは直ちに2次元、3次元に一般化することができる。

質点の位置は平衡位置からのずれx1, x2…として記述される。(すなわちxi = 0は、粒子iが平衡位置にあることを意味する)2次元以上の場合では xiはベクトル量となる。この系のハミルトニアンは次のように書ける。 H = ∑ i = 1 N p i 2 2 m + 1 2 m ω 2 ∑ { i j } ( n n ) ( x i − x j ) 2 {\displaystyle {\mathcal {H}}=\sum _{i=1}^{N}{\frac {p_{i}^{2}}{2m}}+{\frac {1}{2}}m\omega ^{2}\sum _{\{ij\}(\mathrm {nn} )}\left(x_{i}-x_{j}\right)^{2}}

ここでmは各原子の質量(ここでは全ての原子で等しいと仮定する)、xi とpiはそれぞれi番目の原子の位置演算子と運動量演算子であり、和は最近接において行う。しかし格子は、粒子のようにふるまう波動としての側面も現れる。慣習として、変数として粒子の座標の代わりに、基準モードの波数ベクトルを用いたフーリエ空間における波を扱う。基準モードの数は、粒子数と等しい。しかし、フーリエ空間は系の周期性を考える上で非常に有用である。

xkの離散フーリエ変換として定義されるN個の基準座標Qk、pkのフーリエ変換として定義されるN個の共役運動量Πkを導入する。 Q k = 1 N ∑ l e i k a l x l Π k = 1 N ∑ l e − i k a l p l . {\displaystyle {\begin{aligned}Q_{k}&={\frac {1}{\sqrt {N}}}\sum _{l}e^{ikal}x_{l}\\\Pi _{k}&={\frac {1}{\sqrt {N}}}\sum _{l}e^{-ikal}p_{l}.\end{aligned}}}

kn はフォノンの波数であり、すなわち2πを波長で割ったものである。

これらは実空間もしくは波数空間における次の交換関係を満たす。 [ x l , p m ] = i ℏ δ l , m [ Q k , Π k ′ ] = 1 N ∑ l , m e i k a l e − i k ′ a m [ x l , p m ] = i ℏ N ∑ l e i a l ( k − k ′ ) = i ℏ δ k , k ′ [ Q k , Q k ′ ] = [ Π k , Π k ′ ] = 0 {\displaystyle {\begin{aligned}\left[x_{l},p_{m}\right]&=i\hbar \delta _{l,m}\\\left[Q_{k},\Pi _{k'}\right]&={\frac {1}{N}}\sum _{l,m}e^{ikal}e^{-ik'am}\left[x_{l},p_{m}\right]\\&={\frac {i\hbar }{N}}\sum _{l}e^{ial\left(k-k'\right)}=i\hbar \delta _{k,k'}\\\left[Q_{k},Q_{k'}\right]&=\left[\Pi _{k},\Pi _{k'}\right]=0\end{aligned}}}


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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