フォックスキャッチャー
Foxcatcher
監督ベネット・ミラー
脚本E・マックス・フライ
『フォックスキャッチャー』(原題:Foxcatcher)は、2014年のアメリカ合衆国の伝記映画。1996年に起きたデイヴ・シュルツ(英語版)殺害事件を題材にしている。監督はベネット・ミラー、主演はスティーヴ・カレルとチャニング・テイタムが務める。
本作は2014年5月に開催された第67回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、ベネット・ミラーが監督賞を受賞した[3]。 1984年のロサンゼルスオリンピックのレスリングで金メダルを獲得したマーク・シュルツは、デュポン財閥の御曹司であるジョン・デュポン自ら率いるレスリングチーム結成プロジェクトの「フォックスキャッチャー」に来ないかという誘いを受ける。最新の設備が整ったトレーニング場を持つチームに入れることを喜んだマークはその申し出を受けてしまう。しかし、ジョン・デュポンは統合失調症を患っていた。 ソウル五輪に向けて精鋭チームを率いるマーク。デュポンは、自分が指導者としてオリンピックのコーチ席に入ることに固執した。マークの兄で、優秀なコーチでもある金メダリストのデイヴを呼び寄せるデュポン。兄が来たために立場を失ったマークは、精神的に不安定になっていった。 全米レスリング協会に多額の寄付をし、フォックスキャッチャーを五輪代表チームの公式練習場として認めさせるデュポン。優秀な選手をフォックスキャッチャーに呼び集めるデイヴ。しかし、デイヴは内心ではデュポンが自分の上に立つコーチだとは認めていなかった。 ソウル五輪でマークは敗退し、フォックスキャッチャーを去った。デュポンはコーチとして全くデイヴに及ばなかった。デイヴはその後もデュポンのもとでコーチを続けたが、ある冬の日、妻の目の前でデュポンに射殺された。逮捕されたデュポンは2010年に獄中で病死した。 ※括弧内は日本語吹替 ベネット・ミラーは2007年より本作の映画化を模索し始めた。ミーガン・エリソンが自身の経営するアンナプルナ・ピクチャーズを通して、資金を提供した。そして、ミラー、エリソン、ジョン・キリク、アンソニー・ブレグマン
あらすじ
キャスト
ジョン・デュポン - スティーヴ・カレル(飛田展男)
大富豪の篤志家、レスリングの熱狂的なファン。演じるカレルは特殊メイクを施してデュポンそっくりに演じている[4]。
マーク・シュルツ - チャニング・テイタム(山崎健太郎)
レスリングの金メダリスト。
デイヴ・シュルツ
マークの兄で、レスリングの金メダリスト。
ジーン・デュポン - ヴァネッサ・レッドグレイヴ(宮沢きよこ)
ジョンの母親[5]。
ナンシー・シュルツ - シエナ・ミラー(山根舞)
デイヴの妻[5]。
ジャック - アンソニー・マイケル・ホール(野川雅史)
デュポンのアシスタント[6]。
ヘンリー・ベック - ガイ・ボイド(英語版)
フレッド・コール - ブレット・ライス(英語版)
ダニエル・シュルツ - サマラ・リー
アレクサンダー・シュルツ - ジャクソン・フレイザー
ロージー - ジェーン・モーダー
ロバート・ガルシア - ダニエル・ヒルト
製作
2012年10月15日よりペンシルベニア州ピッツバーグのメトロポリタン・エリアで本作の撮影が始まり、2013年1月に終了した。[9]。
ペンシルベニア州のニュータウン・スクエアにあった1922デュポン・マンション(ジョンはリスター・ホールと名付け、フォックスキャッチャーの本拠地としても使用された。)は宅地開発業者に売られてしまい、2013年1月に取り壊された[10]。そのため、本作の撮影にはバージニア州リーズバーグにあるデュポン・マンションに似た外装の邸宅、モーヴェン・パークが使われた[11]。また、ペンシルヴェニア州スイークリー・ハイツ1899にある邸宅、ウェルペン・ホールが、フィラデルフィアのデュポンの邸宅の代わりに屋内の撮影に用いられた[12]。
チャニング・テイタムはマーク・シュルツを演じたことに対して、「今まで演じた役の中で一番難しい役だった。」と述べている[6]。