フェムト秒(フェムトびょう)は、1×10?15秒に等しい国際単位系(SI)の時間単位である[1]。比較として、1フェムト秒に対する1秒は、1秒に対するおよそ3,171万年に相当する。光線は、1フェムト秒で約0.3 μm(ウイルスの直径に相当する距離)進む[2]。
記号fsでも表される[3]。
1フェムト秒は、1000アト秒または1/1000ピコ秒と等しい。
分子動力学シミュレーションの一般的なタイムステップは、1 fsのオーダーにおいて行われる[4]。
可視光の波の周期は約2フェムト秒である。 λ c = 600 × 10 − 9 m 3 × 10 8 m s − 1 = 2.0 × 10 − 15 s {\displaystyle {\lambda \over {c}}={600\times 10^{-9}~{\rm {m}} \over 3\times 10^{8}~{\rm {m}}~{\rm {s}}^{-1}}=2.0\times 10^{-15}~{\rm {s}}} 正確な長さは色を決定する光子のエネルギーにより異なる(粒子と波動の二重性参照)。この時間は光の波長を光速(約3×108 m/s)で割ることで計算でき、光がその距離を移動するのに必要な時間を決定できる[5]。
可視光スペクトルの色[6]色波長間隔周期間隔
赤~ 700?635 nm~ 2.3?2.1 fs
オレンジ~ 635?590 nm~ 2.1-2.0 fs
黄~ 590?560 nm~ 2.0-1.9 fs
緑~ 560?520 nm~ 1.9-1.7 fs
シアン~ 520?490 nm~ 1.7-1.6 fs
青~ 490?450 nm~ 1.6-1.5 fs
菫色~ 450?400 nm~ 1.5-1.3 fs
例
46 fs ? 知られている中で最も速い化学反応(水の放射線分解により、H2O+イオンが形成され、これが急速に反応し、ヒドロニウム (H3O+) や短寿命のヒドロキシルラジカル (?OH)になる)[7]
200 fs ? 光に対する目の色素の反応など、平均的な化学反応[5]
300 fs ? ヨウ素分子内の原子の振動の時間[8]
関連項目
フェムト秒化学
en:Femtosecond pulse shaping