フェノミナ
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フェノミナ
Phenomena
監督
ダリオ・アルジェント
脚本ダリオ・アルジェント
フランコ・フェリーニ
製作ダリオ・アルジェント
出演者ジェニファー・コネリー
ダリア・ニコロディ
ダリラ・ディ・ラザーロ
パトリック・ボーショー
ドナルド・プレザンス
音楽ゴブリン
撮影ロマノ・アルバーニ
編集フランコ・フラティチェリ
配給 ティタヌス
公開 1985年1月31日
1985年6月8日
上映時間111分(インターナショナル版)
115分(インテグラルハード完全版)
83分(アメリカ公開版)
製作国 イタリア
言語英語
イタリア語
ドイツ語
デンマーク語
日本語
製作費$3,800,000
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『フェノミナ』(Phenomena)は、1985年イタリア映画ダリオ・アルジェント監督作品、ジェニファー・コネリー主演。昆虫と交信できる不思議な能力を持った少女を巡る殺人事件を描くホラーサスペンス。
ストーリー

スイス北部の都市チューリッヒ郊外。この都市ではか弱い少女ばかりを標的にした連続殺人事件が起こっていた。そして、また1人、バスに乗り遅れた観光客の少女が、助けを求めて尋ねた民家で何者かに殺害され首を切断されるという事件が起きた。警察は高名な昆虫学者のマクレガー教授に腐敗した被害者の頭部を見せ意見を求める。被害者の頭部に集っている蛆虫がいまだ見つからぬ被害者の死体の隠し場所と犯人の潜伏場所を突き止める手がかりになると考えた教授は事件解決に向けて協力を約束する。

一方、市内の寄宿制女子学校に、有名な映画俳優を父に持つ美少女のジェニファーが転校してくる。彼女は昆虫と交信できる特異な能力の持ち主だった。持病の夢遊病で真夜中に徘徊している最中、殺人現場に遭遇したジェニファーは、ひょんなことからマクレガー教授と親しくなる。彼女が虫と親しくしている様子を見た教授は、いつでも訪ねておいでとジェニファーに言った。

寄宿舎に戻るとジェニファーはその特異な能力ゆえに校長から異常者扱いされ、生徒たちからも好奇の目を向けられるようになる。更にジェニファーのルームメイトであり唯一の友達だったソフィが恋人と会うために寄宿舎を抜け出したところを惨殺されてしまう。異変に気付いたジェニファーは、蛍の光に導かれて歩いた先で手袋を見つけ、つまみ上げた瞬間にソフィの死に顔のビジョンを垣間見る。そのことから手袋が犯人のものだと判断して教授に調べてもらうよう頼む。再び学校に戻ると、ジェニファーは他の生徒たちに取り囲まれ、虫と交信する能力のことを揶揄される。パニックに陥った彼女は無意識の内に蠅の大軍を呼び寄せる。生徒たちは驚愕の光景に慄き、ジェニファーは愛しげな顔で蠅たちを見つめた後に気絶してしまう。その光景を見てジェニファーを危険視した校長は、ジェニファーを精神病院に入院させることを決めた。

教授の家に逃げ込んだジェニファーは、調査を依頼した蛆が死体のみを食べるサルコファガスという蠅のものであることを彼女に伝える。そのことから犯人が死体愛好家だと推測した教授は、サルコファガスの成虫を利用して犯人の潜伏場所と死体の隠し場所を見つけ出せるという。ジェニファーは教授の言葉に従い、観光客の少女が失踪した場所である高原のふもとでサルファゴガスを放して後を追い、例の家を見つけるがそこは空き家だった。管理人に盗みに入ったと疑われたジェニファーは、床下に転がった手首に放したサルファゴガスがたかっていたことを知る由もないまま逃げ出す。一方、事件を担当していたガイガー警部もその空き家に目を付け、単身調査に向かっていたが、そこは8か月前から空き家だという。その日の夜、マクレガー教授が何者かに殺害される。

教授の死を知ったジェニファーは身のを危険を感じ、父の代理人のモリスに連絡を取ってアメリカに帰る手配を頼む。帰りの運賃の振り込みを銀行で待っているさなか、付き添いの女教師ブルックナーが現れてモリスにチケットの購入を頼まれたことを伝え、自分の家で翌日の便を待てとジェニファーを諭して連れていく。病気の子供と2人暮らしだと語るブルックナーだが、次第にヒステリックになっていき、ついにはジェニファーを監禁してしまう。家中が蛆だらけであることに気づいたジェニファーは解熱剤と偽って飲まされた毒を吐き出し地下へ逃げるが、何者かに一室に引きずり込まれる。それは事件の足取りを追ってやってきていたガイガー警部だった。血まみれの状態で鎖に繋がれている彼の姿に驚き後じさった拍子に、ジェニファーは被害者の死体と大量の蛆で満たされたプールに落ちてしまう。ガイガー警部は自分の手首の骨を外してなんとか手錠から抜け出し、ブルックナーの背後から掴みかかった。その隙になんとか這い上がったジェニファーは、部屋の隅で幼い少年が泣いているのに気づき、傍へ近寄る。少年が振り返ると、その顔は化け物のように醜い奇形だった。ジェニファーは家の裏の湖からボートに乗って逃げるが、少年は彼女を殺そうと飛び乗ってきて乱闘になる。少年が凶器の槍でジェニファーを突こうとしてボートのエンジンを壊し、ガソリンが引火して炎があがったため、ジェニファーはとっさに湖に飛び込んだ。ジェニファーの危機に呼応するかのように蠅の大軍が現れ、ボートに残った少年に群がり始める。顔中の皮膚を剥がされた少年は苦悶の末に湖に落ちて死亡する。なんとか逃れて陸に上がったジェニファーの元へモリスが駆けつけてくるが、ジェニファーが駆け寄った瞬間に追ってきたブルックナーに鉄板で首を刎ねられ死亡する。

ブルックナーは15年前に精神病院で看護師をしていたが、重症患者の檻に引きずりこまれてレイプされ子供を産んだ。その子は重い奇形があり性格も異常で、少女を狙っては殺人を繰り返していた。そんな息子を母として純粋に愛していたブルックナーは、子供を守るために秘密に近づく人間たちを殺していたのであった。マクレガーとガイガーを殺したことを告白したブルックナーは、息子を死に追いやったジェニファーへの憎悪にかられ、押し倒した彼女の首に鉄板を押し当てて殺そうとするが、突如姿を現したチンパンジーのインガにカミソリで滅多切りにされて死亡する。インガはマクレガー教授のパートナーであり、教授の殺害現場の唯一の目撃者だったのだ。

カミソリを放り捨て悲しげな顔で寄り添うインガを抱きながら、ジェニファーはただ呆然と立ち尽くしていた。
登場人物

※ 日本語吹替版キャストの詳細は#バージョン・音声に記載。
ジェニファー・コルビノ
演 - ジェニファー・コネリー、日本語吹替 - M・A・O[1] / 小笠原亜里沙(配役交換版)本作の主人公。有名な映画俳優を父に持つ美しい少女。昆虫と交信できるという不思議な能力を持つ[2]。昆虫学者のマクレガー教授と親しくなり、少女連続殺人事件解決のために協力するが、自分自身も命を狙われることになる。持病の夢遊病に悩まされており、特異な能力を持つがゆえに生徒達や教師からも白眼視されている。
ジョン・マクレガー
演 - ドナルド・プレザンス、日本語吹替 - 麦人[1] / 山寺宏一(配役交換版)高名な昆虫学者。ひょんなことから知り合ったジェニファーの能力に興味を示し、彼女の力を借りて事件解決のために動く。下半身が不随で車椅子に乗っている。ジェニファーにとって自分の特異な力に理解を示してくれる唯一の理解者であったが、彼女にサルファゴカスの成虫を持たせて犯人の足取りを負わせた日の夜、侵入してきた何者かに腹部を刺され殺害される。
フラウ・ブルックナー
演 - ダリア・ニコロディ、日本語吹替 - 榊原良子[1]ジェニファーの付き添いである教師。ヒステリックな性格で虫が嫌い。息子がいる。実は殺人事件の犯人の母親で、息子を守るために近づいてきた人間を殺害していた。秘密に接近してきたマクレガーを殺害しジェニファーも殺そうとするが、マクレガー教授の死を目撃していたインガの復讐を受け死亡する。
校長
演 - ダリラ・ディ・ラザーロ、日本語吹替 - 唐沢潤[1]寄宿学校の校長。冷徹な女性。ジェニファーの夢遊病と特異な能力を精神障害と判断し、精神病院に入れようとする。
ルドルフ・ガイガー
演 - パトリック・ボーショー、日本語吹替 - 山寺宏一[1] / 麦人(配役交換版)連続殺人事件の調査を担当する警部。犯人に拉致されたジェニファーを追う内、自身にも身の危険が及ぶ。犯人の足取りを追ってブルックナー親子の隠れ場所に潜入するも捕らえられ、痛めつけられた挙句手銃で壁に繋がれ監禁される。部屋にやってきたジェニファーが蛆のプールに落ちた際、その様子を見て高らかに狂喜するブルックナーの隙をついて手首の骨を自ら折って手銃を外し、ブルックナーに掴みかかる。その後、ブルックナーによって殺害されたことが彼女自身の口から明かされた。
ベラ・グランド
演 - フィオーレ・アルジェント、日本語吹替 - 内山茉莉[1]デンマークからの旅行客。物語の冒頭で殺される。演じているのは監督の実娘フィオーレ・アルジェント
ソフィ
演 - フェデリカ・マストロヤンニ、日本語吹替 - 小笠原亜里沙[1] / M・A・O(配役交換版)ジェニファーのルームメイト。タバコを隠れて吸ったり、夜に恋人とこっそり会ったりする不良少女だが、ジェニファーの親友として親しくなる。しかし、恋人に会うために木宿舎を抜け出した直後、何者かに惨殺される。
カート
演 - ミケーレ・ソアヴィ、日本語吹替 - 加瀬康之[1]ガイガー警部の部下。
カール
演 - カスパー・カパローニ、日本語吹替 - 石井マーク[1]ソフィのボーイフレンド。


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