フェキソフェナジン
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フェキソフェナジン
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(RS)-2-[4-[1-ヒドロキシ-4-[4-(ヒドロキシ-ジフェニル-メチル)-1-ピペリジル]ブチル]フェニル]-2-メチル-プロピオン酸

臨床データ
胎児危険度分類

C (US)
B2 (AU)

法的規制

処方箋医薬品 (日本, US, UK)
一般用医薬品 (CA, AU)

投与経路経口
薬物動態データ
血漿タンパク結合60-70%
代謝肝臓(服用量の5%)
半減期14.4 時間
排泄胆汁、便、腎臓
識別
CAS番号
153439-40-8
ATCコードR06A626 (WHO)
PubChemCID: 3348
DrugBankAPRD00349
KEGGD07958
化学的データ
化学式C32H39NO4
分子量501.656
SMILES

OC(CCCN1CCC(CC1)C(O)(c1ccccc1)c1ccccc1)c1ccc(cc1)C(C)(C)C(=O)O

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アレグラ60mg錠アレグラFX(一般用)

フェキソフェナジン(Fexofenadine)は、ヒスタミンH1受容体拮抗薬で、アレルギー性鼻炎花粉症)、蕁麻疹、皮膚疾患に伴う.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}?痒(そうよう)に用いられる。商品名「アレグラ」(Allegra、イタリア語の「嬉しい」「楽しい」から)で発売され、現在はジェネリック医薬品オーソライズド・ジェネリック(AG)も販売されている。

フェキソフェナジンは第二世代抗ヒスタミン薬であり、第一世代抗ヒスタミン薬のものと比較して、鎮静の副作用は改善されている。特に添付文書に眠気に関する使用上の注意がない。

この項では、テルフェナジンについても記述する。
開発と販売

テルフェナジンの活性代謝物で、後継の化合物である。

フランスサノフィ(旧アベンティス[1])が創製した。アメリカ合衆国では1996年から、日本では2000年から日本法人のアベンティス・ファーマ(現・サノフィ)から発売されている。同社の主力商品の一つであり、ロラタジン(クラリチン、2002年日本発売)やセチリジン(ジルテック、1998年日本発売)などと並び、世界で最も消費されている第二世代抗ヒスタミン薬の一つである。

日本では1996年頃から、フェキソフェナジンの第I相臨床試験を開始。テルフェナジンの改良品という緊急性もあり、日本で初めてブリッジング試験(世界の臨床試験データを承認申請に使う手法)により、第III相臨床試験を実施せず、1999年に厚生省に製造承認申請し、2000年11月にアレグラ錠が発売された。日本薬局方にも収載されている。

特許の存続期間終了により、2012年(平成24年)に後発医薬品の製造販売が始まった。その後、2件(第3041954号・第3037697号)の用途特許について、専用実施権の侵害であるとして、後発3社に対し2012年10月にサノフィから提訴がなされていたが、2014年3月に和解が成立している。
適応

日本での処方箋医薬品は、アレルギー性鼻炎花粉症など)、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚?痒症(ひふそうようしょう)、アトピー性皮膚炎)に伴う痒みに対し、その効能・効果が認められている。

一般用医薬品の「アレグラFX」、「アレグラFXジュニア」、「アレグラFXプレミアム」共にアレルギー性鼻炎のみ承認されており、効能・効果には、花粉・ハウスダスト(室内塵)などによる鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻水、鼻づまりと明記され、痒みには認可がない。
特徴

日本で承認されている抗ヒスタミン薬のうち、添付文書の重要な基本的注意の箇所に眠気を催すことがある旨のないものは、現在のところフェキソフェナジンとロラタジンビラスチンに限られている。
薬物相互作用

一般医薬品のほとんどの胃薬に制酸剤として含まれている、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウムとの同時服用により、フェキソフェナジンがそれらに吸着され作用が減弱する。

薬物の吸収にかかわるトランスポーター(OATP)を阻害するジュースグレープフルーツジュース、リンゴジュース、オレンジジュース)との同時服用によって効果が減弱するため、服用後1時間空けてから飲むこと。
副作用

副作用として眠気があらわれることが少なく、眠気の発現頻度がプラセボと比較しても有意な差が認められない点である。しかしながら承認時の日本のみのデータでは、眠気発現率は8%程である。

2015年9月に、製造販売後調査の中間報告でアナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応が2例に見られたことが報告された[2]
製剤

医療用の処方箋医薬品として、アレグラ錠60mg、口腔崩壊錠のアレグラOD錠と、また小児向けのアレグラ錠30mgが発売されている。2012年11月に日本でスイッチOTC化され、第1類医薬品として発売された(ただし一般用医薬品には、蕁麻疹や痒みに対する効能は記載されていない)。処方箋医薬品同様にサノフィが製造しているが、発売は久光製薬が担当している[3]。当初は「アレグラ錠60mg」のスイッチOTC品である「アレグラFX」のみだったが、2017年11月に「アレグラ錠30mg」のスイッチOTC品である、14歳以下用で要指導医薬品の「アレグラFXジュニア」も発売された[4]

その後、「アレグラFX」は2016年11月1日付で第2類医薬品に区分変更、「アレグラFXジュニア」は2020年11月9日付で第1類医薬品に区分変更され、2021年11月9日付で第2類医薬品に再度区分変更されたため、「アレグラFX」・「アレグラFXジュニア」共に薬剤師又は登録販売者がいる店舗での購入が可能となっている。

2013年2月に、フェキソフェナジンと血管収縮作用を有するプソイドエフェドリンを配合した抗アレルギー薬「ディレグラ」が発売されている[5](「ディレグラ」は2020年12月に製造販売承認並びに販売をLTLファーマへ移管している[6])。

この「ディレグラ」も2024年1月にスイッチOTC化され、要指導医薬品となる「アレグラFXプレミアム」として発売された[7]。なお、本製品は久光製薬ではなく、サノフィの日本におけるコンシューマー・ヘルスケア部門を担うエスエス製薬が発売を担当している。
キャラクター

医療用医薬品のアレグラでは、2000年の日本発売時よりハクション大魔王を広告キャラクターにし、壺の置時計やボックスティッシュ、患者向けのアレルギー解説本などの販促物に登場している。

スイッチOTCのアレグラFXでは発売元の久光製薬が独自に設定したキャラクター「アレグラ人」(「サトシーラ」(演:大野智())、「サクラーバ」(演:桜庭和志)、「ハルカージョ」(演:大場はるか))が登場するテレビCMが2013年1月18日より放送されている。さらに2014年度版からこれらの3人組に加えて「タケージョ」(演:あき竹城)も登場している。2015年1月27日OA開始分からは「ハルカージョ」に代わって「ナオナオ」(演:奈緒)が登場している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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