フィンランド湾
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フィンランド湾
上の地図はバルト海とフィンランド湾
下の地図はフィンランド湾の拡大図
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯59度50分 東経26度00分 / 北緯59.833度 東経26.000度 / 59.833; 26.000座標: 北緯59度50分 東経26度00分 / 北緯59.833度 東経26.000度 / 59.833; 26.000
主な流入ネヴァ川ナルヴァ川、キュミ川(英語版)など
ロシアフィンランドエストニア

延長400 km (250 mi)
最大幅130 km (81 mi)
面積30,000 km2 (12,000 sq mi)[1]
平均水深38 m (125 ft)
最大水深115 m (377 ft)
塩分濃度0.2から5.8パーミル

コトリン島マリー・ヴィソツキー島ゴーグラント島など[2]
主な沿岸自治体サンクトペテルブルクヘルシンキタリン
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フィンランド湾(フィンランドわん、フィンランド語: Suomenlahti、エストニア語: Soome laht、スウェーデン語: Finska viken、ロシア語: Фи?нский зали?в, tr. Finskiy zaliv; IPA: [?f?insk??j z??l?if])は、バルト海東部にあるである。北はフィンランド、東はロシア、南はエストニアに囲まれた東西約400kmの細長いである。エストニア北西のスピットハミ(英語版)とオスムサール島(英語版)、そしてフィンランド最南端のハンコ半島南西端で囲まれた海域である[3]

フィンランド湾に面する主要都市は、北岸にフィンランドの首都ヘルシンキ、南岸にエストニアの首都タリン、湾の東奥にロシアのサンクトペテルブルクがある。サンクトペテルブルクにはプリモルスク(英語版)などロシアの戦略上、重要な港がある。

東西に長いフィンランド湾は面積約3万平方km[4]、平均水深40m程で、冬は氷結する。ロシアのネヴァ川はフィンランド湾へ流入し、同じくロシアのラドガ湖ボルガ川は、ヴォルガ・バルト水路により、フィンランド湾と結ばれている。湾の東奥に位置するロシアのコトリン島をはじめ大小多くの島がある多島海である。
地理フィンランド湾、湾の周辺の青色部は湖沼フィンランド湾の結氷を示す衛星画像、2003年1月。

面積は約3万平方km[1]、東西はハンコ半島からサンクトペテルブルクまで400km、南北は湾口が70kmで最広部はモシュチヌイ島(英語版)で130kmだが、湾内は奥へ次第に狭くネヴァ湾(英語版)で13kmとなる。水深はやや浅く湾口から大陸へ次第に浅く、ナルヴァ=ヨエスー(英語版)で急激に浅くなり「ナルヴァの壁」とも称される。平均水深は38メートル (m) 、最深部は100mである。流量の3分の2を占めるネヴァ川をはじめ多くの河川がフィンランド湾へ注ぐために塩分濃度が低く、水面は0.2から5.8パーミルで水底は0.3から8.5パーミルである。平均水温は冬期に0近く、夏期に水面で15から17度、水底で2から3度である。11月末から4月末に東から西へ結氷が伸びて1月末までに湾全体が結氷するが、暖冬時は一部で結氷する[5]。強い西風が多く、荒波や増水、サンクトペテルブルクで洪水を引き起こす(英語版)こともある[6][7]

湾の北岸は屈曲して小さな入り江や岩礁が多く、ヴィボルグが大湾でハンコ半島ポルッカラなど半島は少ない。海岸は大半が斜面で砂丘も多く、マツの木が点在[6]する。南岸は水深が浅く海岸線は平坦だが、南岸全体は高さ55mのバルト・クリント(英語版)絶壁[8][9]である。湾東部はネヴァ湾まで続き、西はバルト海と合流する。

湾内は諸島や島嶼が多く、クロンシュタットがあるコトリン島、ベリョゾヴィエ諸島(英語版)、リシイ島(Lisiy)、ヴィソツク(英語版)に隣接するマリー・ヴィソツキー島ゴーグラント島、モシュチヌイ島(英語版)、ボルショイ・テュテルス島(英語版)、ソンメルス島(英語版)、ナイサール島(英語版)、ケミオンサーリ島(英語版)、コカル島(英語版)、セスカル島(英語版)、パクリ諸島(英語版)などが位置する[2]

流入最大河川は東からネヴァ川、南からナルヴァ川、北からキュミ川(英語版)である。ほかに南からケイラ川(英語版)、ピリタ川(英語版)、イェガラ川(フランス語版)、クンダ川(ドイツ語版)、ルーガ川、シスタ川(ロシア語版)、コヴァシ川(ロシア語版)、北からセストラ川(英語版)、ポルヴォー川(英語版)、ヴァンター川などが流入し、サイマー湖サイマー運河で結ばれる[2]

1700年以降にロシアは、フィンランド湾に人工要塞を19島築いた。海路からの攻撃防御が目的で、1700年から1721年までの大北方戦争を期に建設を加速した。アレクサンドル砦(英語版)、クラスナヤ・ゴルカ砦(英語版)、イノ砦(英語版)、トートレーベン砦(Totleben)、クロンシュロット砦(Kronshlot)などがある[10]
地質史

約3億から4億年前の古生代、現代のフィンランド湾にあたる場所はその全体が海となっていた。現代の地形は氷河活動によるものであり、氷河の後退によりリットリナ海(英語版)が形成したが、その水位は現代のバルト海より7から9メートル高い。紀元前約2千年、海の水位が下がったことで浅瀬がそのまま島嶼になった[11][12]バルト楯状地(英語版)の上昇によりフィンランド湾の形状に変化が生じ、北岸が南岸よりもはるかに高い地形が形成した[6]


コマロヴォ(英語版)近くのフィンランド湾海岸、2006年撮影ヘルシンキ近くの島嶼、2008年撮影聖オラフ教会(英語版)から眺望できるフィンランド湾、2008年撮影フィンランド湾にいる漁師、2004年撮影


冬のクロンシュタット、2008年撮影フィンランド湾から見る、ネヴァ川のパノラマ、2008年撮影コトカから見るゴーグラント島、2006年撮影


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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