フィリックス・ザ・キャット
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「フィリックス」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「フェリクス」をご覧ください。
メディアを再生する 『フィリックスと金の鵞鳥』(1936年)

フィリックス(フィリックス・ザ・キャット。英語: Felix the Cat)は、黒猫をモチーフにしたアメリカ漫画アニメーションキャラクターである。日本では、戦前は主に「フェリックス」と呼ばれ、また1960年代前半には雑誌『家庭全科』(国際情報社刊)で「黒猫フェリックス」(ジョー・オリオ(英語版)作)の題で連載されていたが、一般に日本語読みはフィリックスである。目次

1 歴史

2 新しいフィリックス

2.1 登場キャラクター


3 日本における歴史

4 主なフィルモグラフィ

5 関連項目

6 脚注

7 参考資料

8 外部リンク

歴史 笑うフィリックス(オットー・メスマー(英語版)原画による初期のもの)

名前の由来は「フェリシアス」(ラテン語由来、幸運の意味)と「フェーリス」(同、猫の意味)より。漫画家アニメーターであるオットー・メスマー(英語版)が創作し、1919年に、オーストラリア出身で渡米後に映画プロデューサーになった

パット・サリバン(英語版)により Feline Follies(英語版) としてアニメーション化され劇場に登場した。数分程度の短い白黒サイレントアニメーションであり[1]、初期のものは、体型は普通の猫に近く、フィリックスという名前もなかった。しかしすぐに大きな目、2本脚で歩く特徴的なキャラクターとなり、フィリックスの名が付けられて子供から大人まで広く人気を呼び、続編が多数(約150本)製作された。野球チームニューヨーク・ヤンキースの公式キャラクターとなったりVAF-31(アメリカ海軍航空隊)のマークに用いられた。アメリカ国外でも知られ、日本の漫画家田河水泡は、『のらくろ』のキャラクター創造のヒントがフィリックスであった旨を晩年のラジオ番組で明らかにしている[2] フィリックスを部隊マーキング等に用いるVAF-31(アメリカ海軍航空隊)のロゴ

しかしサリバンの死によってフィリックスの版権は混乱、贋作アニメや無許可商品が粗製乱造された。またトーキーをいち早く導入したマックス・フライシャーの、ソング・カー・テューンズや、ウォルト・ディズニーミッキーマウスの登場にもかかわらずサイレント作品に固執したことも一因となり、フィリックスの人気は凋落。わずかにメスマーが新聞に細々と連載を続けるのみとなった。

フィリックスの人気がよみがえるのは第二次世界大戦後である。メスマーの助手を務めていたジョー・オリオロの手になるリニューアルによるもので、ほっそりした体型と2本の長い脚ですっくと立つ、現在広く知られるスタイルに生まれ変わった。同時に脇役も多種多様な顔ぶれがそろった。アメリカでの人気も高いが、世界各国でも、この新しいフィリックスが広く知られるようになった。これは、1958年にカラーでテレビアニメ化されて各国で放送されたことにもよる。日本でも、白黒放送ではあるが1960年にNHKテレビで、1963年にはフジテレビで放送され人気を呼んだほか、雑誌『家庭全科』にジョー・オリオロ筆の4コマ(時には3コマ)漫画が掲載された。その後も人気は衰えず、日本でも1980年代には女性雑誌やテレビコマーシャルのキャラクターなどに採用されて、21世紀に入っても親しまれている。2020年現在では、丸川製菓の「フィリックスフーセンガム」のキャラクター版権は、ドリームワークスが所有[3]している。
新しいフィリックス詳細は「en:Felix the Cat (TV series)」を参照

ジョー・オリオロはオットー・メスマーの創作したフィリックスの容姿を変えたが、それだけではなく、特にテレビ版においては多彩な脇役を配し、魔法の黄色いかばん(トリック・バッグ、Magic Bag または Bag of Tricks)を持たせて活躍させるなど、新たな世界を開拓した。黄色いかばんはフィリックスの思いのまま、どんな物にでもなって用を弁ずる万能の小道具であり、『ドラえもん』の四次元ポケットとの共通点が多く、漫画評論家の米澤嘉博も『ドラえもん』の発想の原型のひとつとして、フィリックスを上げている[4]。またフィリックスは正義感が強く、銀行強盗や破壊行為などの悪事を企てたり、黄色いかばんを奪おうとする大博士(だいはかせ)とロックのコンビを相手に、一時は負けそうになりながら最後にはフィリックスが勝利を収める勧善懲悪的な話が主であるが、それだけでなく、豆博士(まめはかせ)との絡みやテレビ人間との丁々発止、あるいはフィリックスの日常生活を題材にした話もあり、多様な展開を見せる。


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