フィリキ・エテリア(ギリシア語: Φιλικ? Εταιρε?α 友愛会の意)は19世紀前半にオスマン帝国統治下のギリシャにおいて活動した秘密組織。「トルコ」の支配を排し、ギリシャ人による独立国家の建設を目的としていた。
フィリキ・エテリアのメンバーは、ロシア帝国に在住するギリシャ人が中心となっていた。バルカン半島でのロシアの影響力を拡大しようとするロシア政府が、組織に物質的援助を与えていたと言われる。彼らの決起が1821年に始まるギリシャ独立戦争の嚆矢となった。 オスマン帝国の弱体化に伴い、ロシア、イギリス、フランスの欧州列強三国による覇権争い、いわゆる東方問題が発生していた。その中、ギリシャは1774年にロシア、オスマン帝国間でキュチュク・カイナルジ条約が結ばれたことにより恩恵を受ける事となり、ロシアの保護を得たギリシャ商人らの活動が活発化することとなった。そしてフランス革命が勃発したことにより地中海東部からフランス商人らが消えたことにより、その代わりをギリシャ商人が務めることとなった[1]。 これらの活動は「トルコの軛(くびき)」から抜け出しており、ギリシャ人らに独立の気運を高める事となった。そして1800年、ロシアの保護下ではあったがイオニア七島連邦国が短期間ながらも設立され、憲法の制定などの政治的権利がギリシャ人らに与えられたことはギリシャが独立へ向かう一歩となった[1]。 その最中、18世紀末のウィーンにおいて、フランス革命の影響を受けたリガス・ヴェレスティンリスはギリシャ独立を目指して秘密結社を組織した。ヴェレンスティンリスはフランスで力を増しヨーロッパを席巻していたナポレオン・ボナパルトがギリシャに入った際には蜂起することを計画していた[2]。 ヴェレンスティンリスは『ルメリ、小アジア、エーゲ海諸島、およびワラキア・モルドヴァ住民の新政治体制』を著しオスマン帝国からのバルカン諸民族を解放してギリシャ共和国を建国する意図を持っていたが、これはオスマン帝国の知るところとなり、ヴェレンスティンリスは逮捕され絞首刑に処された[2]。 しかし、この意思はギリシャの人々に受け継がれ、1809年にパリでヘリノグロッソン・クセノドキオ(ギリシャ語ホテルの意味)
設立前夜
その秘密結社の中で最も重要な存在となったのがフィリキ・エテリアであった[3]。 フランス革命により惹起された民族主義の波がヨーロッパを広がるにつれ、コンスタンティノープルの陥落からオスマン帝国に支配されてきたギリシャ人の間でも独立を求める声が現れ始めてきた。1814年ロシア帝国の都市オデッサで3人のギリシャ人が会合を持ち、ギリシャでの革命を目指す秘密組織を設立した。参加したのはアルタ地方のニコラオス・スクファス
設立
フィリキ・エテリアは瞬く間に組織を拡大することになり、1814年から1816年にかける期間には入会者が20名に至っており、1817年には構成員はオスマン帝国領内のギリシャ人らにとどまらず、ロシア、モルドヴァ、ワラキア各地に在住するギリシャ人から構成されるようになった。組織は更に拡大を続け、1820年にはイオニア諸島を含むギリシャのほぼ全ての地域とギリシャ人が多く住む西欧、中欧の外国の都市に広がっていた[2][6]。1821年の始めにはメンバーの数は資料で確認できる数字は1,000人、実際には2,000人から3,000人までに至り[2]、貿易商、役人、ファナリオティスなどからなった。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}