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フィニッシングスクール(英語: finishing school)は、おもに未婚の若い女性のための、結婚前に備えるべき社交的なお付き合いのために必要な文化的な教養、(文学、芸術、音楽、歴史その他)やマナー、プロトコール、社交術、化粧、美容、料理、家事など全般を教える学校。
その為「フィニッシング」 (英: finishing) とは「仕上げ」「完成された」という意味であり、『これなら、いつお嫁に出しても恥ずかしくない 』といった意味合いが込められていた。 日本には、ヨーロッパやアメリカからおもに戦後に入ってきた言葉で、日本に従来からあった「花嫁学校」を英語で表したものであるが、意味にズレがある。日本の「花嫁学校」は茶道、華道、料理、裁縫などを中心に学ぶ習い事に近い「お稽古」の延長のような教室であるのに対し、「フィニッシング・スクール」の場合は、おもにヨーロッパの貴族や良家の子女がデビュタントとしてヨーロッパ社交界でデビューするための準備学校といったハイ・ソサエティ特有のニュアンスがあった。 おもに19世紀頃まで、王侯や貴族など名家の子女たちにとって、お抱えの家庭教師による自宅内でのマンツーマン・レッスンが主流であった。当然、学問や教養、芸術、マナー、衣装なども全て、家庭内で一流の講師により指導を受けていた。これは日本の明治維新後の20世紀初頭までの皇族や華族の子女たちも同様であった。21世紀の現代においても、イギリスを始めとする君主国の王室、日本皇室の「御后教育」(プリンセス・レッスン)は同様にプライベートでのマン・ツー・マンで、専門の講師により行われている。 やがて、時代が進み、18世紀の中頃から、教育機関や教育方法、学習指導要領など教育制度が徐々に整えられてくると、たとえ王侯・貴族や良家の子女であっても学校へ通学し学習することが一般的となってくる。 そうした中、一般大衆、中流階級以下庶民に至るまで、子供たちが通学する学校とは一線を画す、おもに王侯貴族や資産家令嬢、良家の子女たちを対象としたボーディングスクールにみる全寮制の教育機関が多く設立されるようになった。 そのような教育機関のうち、おもに『未婚の女性』を対象とし、ヨーロッパ社交界や王侯貴族・資産家・財閥家などの子女が婚姻するまでの間に、礼儀作法や教養などエッセンス的に教育を受ける機関として、一般の義務教育機関とは別に「高等学校」「専門学校」「各種学校」「大学」に相当する学校が設けられた。それらの多くは、おもにスイスで多く設立された。 スイスで主に設立された背景があるのは、永世中立国として、たとえ戦乱の最中にあっても、どの国にも属さず対立しない政治的中立性が、子女たちの身の安全に最も適した場所として、多くの親たちの賛同を得たことによる。 基本的に小学校・中等学校、あるいは高等学校など、各国の義務教育機関を終了した生徒たちが入学することが基本となっているスクールが多く、4年制、3年制、2年制、1年制および半年以下の短期のコースなど、様々なコース設定がされている。 コースの重点は教養と社会的なスキルに置かれ、カリキュラムでは特に礼儀作法、言葉遣い、会話、社会的スキル、外国語などが含まれる。
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