フィジー語
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フィジー語

Na vosa vaka-Viti
話される国
フィジー
地域第一言語バヌアレブ島,ビティレブ島東半, カダブ島, ナヤウ島, ラケンバ島, オネアタ島, モセ島、コモ島, ナムカ島, カバラ島、 ブラガ島、 オゲア島 バトア島、その他諸島で第二言語
話者数母語話者35万人、第二言語話者20万人
言語系統オーストロネシア語族

マレー・ポリネシア語派

中東部

東部

大洋州諸語

フィジー語





表記体系ラテン文字
公的地位
公用語 フィジー
統制機関統制なし
言語コード
ISO 639-1fj
ISO 639-2fij
ISO 639-3fij
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フィジー語(フィジーご、フィジー語: Na vosa vaka-Viti)は、フィジーで話される言語オーストロネシア語族、メラネシア語派に属す。第一言語としての話者は35万人、第二言語としての話者は20万人。1997年にフィジー協会が発足し、英語ヒンディー語にならんで国語としての独立の運動を行っている。フィジー語
文字と発音

ラテン文字を用いる
母音

短母音:a,e,i,o,u

長母音:?,?,?,?,?、辞書、教材以外では上に棒(
長音符)をつけない

二重母音:ai,ei,oi,au,eu,ou,iu

子音

他の言語の表記とは大きく異なる。特に有声音の前に軽い鼻音が出現するのは大きな特徴である[1]

b [mb]

c [d]

d [nd]

dr [nr]

f [f]

g [?]

h [x]

j [t?]

k [k]

l [l]


m [m]

n [n]

p [p]

q [?g]

r [r] - いわゆる「巻き舌のr

s [s]

t [t]

v [β]

w [w]

y [j]

アクセントは長音(長母音と二重母音)がある場合はそこに来る。短母音だけの語の場合は語末から二番目にアクセントが来る。長い語では末尾の要素のアクセントが主になる。
文法
語順

SVO型である。

主語が代名詞のときは主語-動詞、主語が名詞のときは動詞-主語という語順になる。[2]

時制は時制を表す標識を動詞の前におく。

au ? rai-ci koya.(私 過去の標識 見る―他動詞化 彼を)

「私は彼を見た。」

au s? rai-ci koya.(私 現在の標識 見る―他動詞化 彼を)

「私は彼を見る。」

na tau na uca.(未来の標識 降る 定冠詞 雨)

「雨が降るだろう。」

否定文は、否定の語句 sega ni を代名詞(時制を表す標識)と動詞の間におく。

au ? sega ni rai-ci koya.(私 過去の標識 否定 見る―他動詞化 彼を)

「私は彼を見なかった。」
形容詞句

形容詞(独立性の低い名詞)は、名詞に後置される。[3]

na vale levu(定冠詞 家 大きい)「大きい家」

na vale kau (定冠詞 家 木)  「木の家」

同等の名詞は ni でつなげる。

na dela ni vale 「家の頂上」

ただし、固有名詞の前では、例外的に、通常の所有は nei、身体部位、親族は i によって結合する。[3]

na i-vola nei Tomasi 「トマスの本」

na ulu i Tomasi    「トマスの頭」
形態論

接頭辞、接尾辞をもつ
接頭辞

vaka- 使役化(通常は接尾辞の -taka(他動詞化)とセットで使われる)

vaka-dodonu-taka「正す」 (dodonu「正しい」)

また、この vaka- は形容詞化、副詞化としても使われる。

vaka-Viti 「フィジーの、フィジー風に」

vika-vinaka「良く」 (vinaka「良い」)

ca-, ka-,ra-,ta-,lau- 偶発的受動 ta-sova「こぼれた」 ( sova「注ぐ」)

ra-mudu, ka-musu「折れた」 ( musu「壊す」)

これらの選択には規則性がない

ya- 配分 ya-dua「一つずつ」( dua「1」)


i- 動詞を名詞化する i-vola「本」( vola「書く」)

接尾辞

*-a,-ca,-ga,-ka,-ma,-na,-ra,-ta,-va,-ya,および-haka,-kaka,-laka,-maka,-naka,-raka,-taka,-vaka[3] 他動詞化(これらもどれがどの動詞につくかの選択に規則性はない)

cina「照明」:cina-va 「照らす」

rere「怖い」:rere-vaka「恐れる」

動詞の目的語が、固有名詞、人称代名詞であるとき、-a を-i に変え、-ca,-caka は-ci,-caki などのようになる。[3]

ena dau nanu-mi Viti.(彼+未来の標識 いつも 想う(他) フィジーを)

「彼はいつもフィジーのことを想っている。」
人称代名詞

一人称主語(双数以上)に包括型と排除型をもつ。

一人称双数形包括 edaru 排除 keirau

一人称三数形包括 edatou(datou) 排除 keitou

一人称複数形包括 eda(da) 排除 keimami

三人称単数の主語形がなく、また人称に男女の区別はない。

代名詞形は無生物の名詞には適用できないなどの特徴がある。
被所有物への範疇化

メラネシア語派的な特徴として、被所有物への範疇化が行われ、[3]範疇が異なるとそれに合わせて所有代名詞の形が変わる。

被所有物が食べ物であれば範疇II、飲み物であればIII、身体部位や親族であればIV、それ以外(中立)のものはIに分類される。

I na nona vale「彼の家」  (nona 彼の vale 家)

II na kena uvi「彼のヤムイモ」(mena 彼の uvi ヤムイモ)

III na mena t?「彼の茶」   (kena 彼の t? 茶)

IV na ulu-na 「彼の頭」   (-na 彼の ulu 頭)

これにより、

na nona yaqona 「彼の(栽培した、売るための)カヴァノキ」

na mena yaqona 「彼の(飲むための)カヴァ」

のように、所有代名詞の違いで名詞を形容することができる。



参考文献

岩佐嘉親『フィジー語入門』(1985年、泰流社)


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