ファルコン1
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ファルコン 1
ファルコン 1 ロケット
機能人工衛星打上げ
製造スペースX
開発国アメリカ合衆国
大きさ
全高21.3 m (70 ft)
直径1.7 m (5.5 ft)
質量38,555 kg (85,000 lb)
段数2
積載量
LEOへのペイロード670 kg (1480 lb)
ペイロード
SSO430 kg (990 lb)
打ち上げ実績
状態退役[1]
射場オメレク島実験施設
ヴァンデンバーグ空軍基地
総打ち上げ回数5
成功2
失敗3
部分的成功0
初打ち上げ2006年3月24日
22:30 GMT
第1段
1段目名称
1段目全長
1段目直径
エンジン1 マーリン 1C
推力454 kN (102,000 lbf)
比推力255 秒 (海面高度)
(2.6 kN・s/kg)
燃焼時間169 秒
燃料RP-1/LOX
第2段
2段目名称
2段目全長
2段目直径
エンジン1 ケストレル
推力31 kN (7,000 lbf)
比推力327 秒 (真空中)
(3.2 kN・s/kg))
燃焼時間378 秒
燃料RP-1/LOX

ファルコン1 (Falcon 1) はアメリカ合衆国の企業スペースX社により開発された2段式の商業用打ち上げロケット
概要ワシントンD.C.連邦航空局前で撮影

一段目はマーリン・ロケットエンジンを、二段目はケストレル・ロケットエンジンを使用する。いずれも自社開発のエンジンであり液体酸素ケロシンRP-1を推進剤としている。このうち、一段ロケットは洋上で回収して再利用可能なシステムで設計されたが、回収は行われたことがない。

ファルコン1以前の民間主導で開発されるロケットは余剰となったICBM等からの転用型が多く、固体燃料ロケットエンジンに比べて比推力が高いが開発と運用の難易度が高い液体燃料ロケットエンジンを本体と共に民間主導で新規開発する例はファルコン1が世界初である。また、再利用型打ち上げシステムを採用したことにより打ち上げ費用は670万ドルと従来より格段に低コストである。これらのことから、ファルコン1は商用ロケット市場に革命を起こすものであると専門家から評価された。

ファルコン1の打ち上げは5回行われ、そのうち2回が成功した。2009年の打ち上げの後、スペースX社は他のプロジェクトに注力するためにファルコン1の開発・製造を一時凍結した。そしてファルコン9ドラゴン宇宙船の開発が順調に進んだこともあり、ファルコン1は開発再開がなされないまま退役の状態に置かれた[1]
設計

ファルコン1は低軌道への重量あたり打ち上げ費を最小とするよう設計された。ファルコン1を大型化させたファルコン9と部品を共通化させることで設計コストを抑制している。第一段ロケットはパラシュートの展開により海上に着水させ回収、再利用する。

横倒しのまま射点に運び込み、打ち上げ前に支持タワーと共に起立させる方式を採用している。これにより組み立てと移動の迅速化、自由度を高めることが出来る。
第一段

第一段ロケットにはアルミニウム合金摩擦攪拌接合により製造した部品が用いられている。液体酸素とRP-1のタンク間の隔壁などに利用される。アーヴィン・パラシュート社により設計されたパラシュートは高速落下時のドローグシュートと主パラシュートの二段階からなる。

初期の打ち上げではロケットの再利用は行われていない。上に示した打ち上げ価格はロケットの再利用を考慮に入れておらず、将来は価格が下がるものと見られていた。
第二段

第二段ロケットは低温耐性を有するアルミニウム・リチウム合金を材料とする。
派生型マーリン・ロケットエンジン

2006年から2007年は開発初期型であるマーリンAが使用された。

2007年以降はエンジンと機体を改良したマーリンCが使用された。

2010年以降は、機体全長を延長し、燃料搭載量を増やしてペイロードの搭載重量を増加させたファルコン1eが計画されていたが、小型衛星市場が拡大しなかった上、Space X社はファルコン9ロケットとファルコンヘビーロケットの開発と製造に注力するために、ファルコン1の製造は中断することにした。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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