ファッションショー
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ファッションショーでランウェイを歩くモデル

ファッションショー(: fashion show)とは、服飾の作品発表、あるいは、流行創出や販売促進などを企図し、モデルに服を着せて観衆に提示すること。イベントとして大きくなると、日本ではコレクションと呼ばれることが多いが、英語では数日に渡る所に着目して「ファッション・ウィーク」(fashion week) と呼ぶ。
概要

服飾は立体的であり、光の加減や着る者のプロポーション、あるいは着て動いた場合に見え方が異なるため、陳列棚に並べるよりはマネキン人形に着せた方が、さらに、マネキン人形に着せるよりは人のモデルに着せた方が、顧客にとって自分が着た場合をよりイメージし易い。そのため、ターゲット顧客層を集めて、売り手側が売りたい服を着せたモデルを次々提示するファッションショーが開かれる。

国際的ファッションショーたるファッション・ウィーク (fashion week) に出演するスーパーモデルと呼ばれるファッションモデルは高身長であることが求められ、人種構成は白人が圧倒的多数を占めている。[1]

ファッションショーでは、予め選ばれたモデルが売り手側が用意した服を着て、観客席に挟まれた細長い舞台ランウェイまたはキャットウォークと呼ばれる)を音楽に合わせて歩いたりポージングしたりしてを表現する。観客の注意を服に向けるためモデルは無表情を貫くのが普通だが、その不文律は山本耀司川久保玲などの日本人デザイナーが台頭した1980年代初頭からのことと言われている[2]

ファッションショーは、エンゲル係数が小さく、可処分所得が多い上流階級に向けて行われていたためオートクチュールから始まるが、戦後は先進国において新たに生まれた富裕層に向けてプレタポルテのファッションショーも開かれるようになった。

その後、先進国において増大した中産階級に向けて服飾市場が拡大するが、その需要には大量生産により供給されるため、ファッションショーは卸売小売業者に対する「新作発表会」などの形で行われ、末端の消費者には、ファッション雑誌においてファッションモデルに、あるいは、テレビ映画などにおいて俳優タレントに、売り手側が売りたい服を着せて提示する手法が主流になった。一方、オートクチュールやプレタポルテのファッションショーは、中産階級にとっては実際に購買する対象ではなく、すなわちそれらの売り手側にとっては顧客ではないこともあって、ファッションデザイナー及びファッションブランドの(芸術)作品発表の場、あるいは、中産階級の服の流行の発信源などと見られるようになる。

2000年代に入ると日本では、中産階級の若者向けの服(リアル・クローズ)を対象としたファッションショーが、有料の興行として成立し始めた。
歴史.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

コレクションとファッションウィーク

日本では、「コレクション」と「ファッションウィーク」との違いがあいまいになっている。日本以外で「コレクション」は、各ファッションウィークの「公式スケジュール」として認められたブランドのショーやプレゼンテーションをさす。「公式」に認められるには主催者による厳しい審査がある。日本でも日本以外でも、各ブランドの新作群は「コレクション」と呼ばれるが、海外ではそれが「ファッションウィーク」全体をさすことはない[3]
オートクチュールとプレタポルテ

オートクチュールのファッションショー

パリ

ローマ(フランス語のオートクチュールはイタリア語ではアルタモーダ alta moda)


プレタポルテのファッションショー

パリ・コレクション

ミラノ・コレクション

ニューヨーク・コレクション

ロンドン・コレクション

オートクチュールパリローマで開催される。プレタポルテは、ニューヨークロンドンミラノパリの順で続けて開催され、これらは「世界四大コレクション」とも呼ばれている。

オートクチュールとプレタポルテを購買出来る層にとっては、そのファッションショーは展示即売会と同じである。そのため、実際に購買出来るであろう世界的なセレブリティや、各界の著名人などが多く招待される。他方、中産階級から見ると、ファッションデザイナー及びファッションブランドが、自らの服飾作品を発表するイベントである。その情報を伝え、流行創出に関係する各国のファッションジャーナリストフォトグラファーなどがマスメディアとして招待される。

近年では、日本でも「ジャパン ファッション ウィーク(JFW in Tokyo)」が開催されており、特に日本人デザイナー、ブランドを意識したコレクションが開催されている。2011年 S/Sで13回目となるが、この回からは冠スポンサーに「メルセデス ベンツ」を迎え、「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO」とし、新たなスタートを切る。

これらのショーが一段落すると、今度は、春夏物の場合は夏まで、秋冬物の場合は冬までの数ヶ月間に、世界各国において、ファッションブランド、デパートブティックなどが主宰して、上顧客やバイヤー向けのファッションショーが幾度となく開催される。開催場所はホテルや専用ミュージアムが見られる。開催形式は、モデルのウォーキングがある場合にもステージ上ではなくフロア上の場合もあり、モデルのウォーキングは無しで着て見せるだけの展示会形式で執り行われる場合もある。
リアル・クローズ

近年の日本では、リアル・クローズと呼ばれる中産階級の若者向けの服を対象としたファッションショーが成立している。買い手側にとっては、憧れのファッションモデルが見られるイベントであり、売り手側にとっては、消費の低迷や少子化によるパイの減少の打開策としての囲い込みの面がある。

ファッションブランドが単独で主催して開催する例、あるいは、ファッション雑誌が主催し、同誌に掲載されている複数のファッションブランドが参加して専属モデル読者モデルが出演し、読者を観客として招待する例は、かねてから販売促進の方法として存在した。

近年の傾向として、テレビ局や流通企業(ファッションビル等)が主催あるいは実行委員会の一角を担い、多数のファッションブランドが参加して、多くの観客を集める大規模イベントが見られるようになった。この新しい型の中でも大規模なものは公演時間が昼から夜まで6時間以上に及び、プロのファッションモデルや読者モデルの他に、地元芸能事務所所属者や一般参加者もモデルとしてステージに上がれるオーディションが存在し、参加型のファッションショーとなっている。


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