ファイル共有ソフトウェア
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ファイル共有ソフト(ファイルきょうゆうソフト)とは、インターネットで不特定多数の利用者とファイルをやり取りする、いわゆるファイル共有のためのソフトウェア[1]。本記事では不特定多数の人の間でファイルを共有するソフトウェアやウェブサービス(アップローダー)について説明する。限られた人数、あるいは組織内でのみファイルを共有するソフトウェア(ドキュメント共有)についてはグループウェアオンラインストレージ(クラウドストレージとも)などを参照のこと。
概要

ファイル共有ソフトは、ソフトが定めた専用のプロトコルで通信を行うことで専用のネットワークを構成し、そのネットワークに接続された不特定多数のコンピュータとの間で共有されているファイルのやりとりを行う仕組みを持つソフトウェアである。その手法は、当初はHTTPFTPのようなアップローダーに相当する手法であったが、21世紀に入ると、Peer to Peer技術(P2P技術)を利用したものが主流になってきた。

2001年以後、高速大容量通信(ブロードバンドインターネット接続)が世界的に発展するとともに、ファイル共有ソフトの利用者数も大幅に増加した。

日本において、当初は一対一でファイルをやり取りすることが主だったことからファイル交換ソフトと呼ばれているが、Winny以降、複数対複数でのやり取りが一般的になってからはファイル共有ソフトとも呼ばれている。一時期日本では利用率が9%を超えたこともあったが、2010年には使用率が5.8%まで減少した[2]
アップローダー詳細は「アップローダー」を参照

アップローダーは、HTTPFTPのような通信プロトコルを用いたクライアントサーバーモデルでの共有を行う。
アップローダーの特徴

HTTPやFTPのようなプロトコルは多くの
ウェブブラウザで標準でサポートされているため新たにソフトウェアインストールする必要がない。

Peer to Peer技術を使用した配布よりも管理が容易である。ファイルの変更や管理が即座に反映されたり、ダウンロードが要求後すぐに始まるなど、リアルタイム性では最も有利である。

誰がファイルをダウンロードしたのかが把握しやすい利点がある。

全ての検索・転送をサーバが把握できることの裏返しとして、匿名性は無い。

サーバーの処理能力やサーバーの接続された回線の性能(回線速度、信頼性)に大きく依存する。

Peer to Peer技術を利用したもの.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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出典検索?: "ファイル共有ソフト" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2014年9月)
Peer to Peer技術(以降P2Pと呼ぶ)は対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることを特徴とする。すなわちサーバーやクライアントの区別がなくファイルを他のコンピュータからファイルをダウンロードする一方で、他のコンピュータにダウンロード済みのファイルの一部を送信(アップロード)する技術である。P2Pを利用するファイル共有ソフトに対して匿名性を求める者がおり、これはクライアントサーバーモデルに比べると高い傾向にある。しかしファイルアップロード者から見たとき、これを利点と見るか欠点と見るかは人それぞれである。
匿名性P2P技術 を使うと、誰がデータを公開したかを隠すことができる。違法なコンテンツの共有を行う犯罪者にするとメリットであるが、コンテンツ提供者からするとデメリットである。
削除制御の困難さP2P技術 を使うと、データが一旦公開されると、キャッシュを持つノードが存在する限り、データが公開され続ける、という問題がある。
セキュリティ制御の困難さP2P技術 を使うと、エンドユーザのPC上の個人情報が、ユーザが意識しないうちに、漏洩する危険性がある。Winny事件では、違法なコンテンツや、ウィルス入りのデータが頻繁に公開されて、様々な社会問題となった。
インターネットへの負荷P2P技術 を使うと、一般ユーザの回線負荷が高まり、ISPのバックボーン回線の帯域が大幅に使用されるため、ISPから嫌われることになった。
P2P型ソフトの場合のデータ情報の持ち方

「このキーワードを含むデータは共有されているか?」「このデータを持っているのは誰か?」というような問い合わせに答えるためには、サーバにデータを持たせる場合と、各ノードに分散して持たせる場合と、特定の選ばれたノードに分散して持たせる場合、の3種類が存在する。
ハイブリッドP2P

共有するデータの情報をサーバーに伝え、サーバで管理して、実際のデータはノード同士でやりとりを行う仕組み。

BitTorrentNapsterWinMXなどは、この方式。
ピュアP2P

共有するデータの情報を、参加しているコンピュータ同士で、分散して持ち合って、実際のデータもコンピュータ同士でやりとりを行う仕組み

GnutellaFreenet、OceanStore、WinnyShareなどが、この方式。
スーパーノード型P2P

共有するデータの情報を、特定の選ばれたノード(スーパーノード)が分担して持つ仕組み。

KaZaA、などが、この方式。
P2Pネットワークにおける匿名化技術

従って、実際のP2Pでは、どのように相手のIPアドレスを知るか、が重要なポイントとなる。昨今のP2Pでは、例えば、コンテンツのタイトルや検索キーワード、放送局のチャンネル名といった、人にとって意味のある名前で通信相手を特定して、通信ができるようになっている。この意味で、P2P方式での通信網は、オーバーレイ・ネットワーク(Overlay Network)と見ることができる(以下、OLNと略記する)。通常のIPネットワークの上に、もう一層、別のネットワークを、特定のニーズに合うノード同士で作り上げる、という意味合いである。

もう少し具体的に言うと、例えばWinnyでは、「欲しいコンテンツの名前」で「そのキャッシュを持っている相手」を特定して通信をおこない、例えば、Skypeでは、「ニックネーム」で「ニックネームに対応する相手」を特定して通信をおこなう。一般化すると、「キー」を手かがりに「キーに対応するデータを持つ者」を発見して、その相手と通信をする、という動作になる。「キー」と「データ」をペアで結びつけた情報をインデックス情報と呼ぶ。通常「データ」は、そのデータを持つ者のIPアドレスとして記憶させる。(インデックスは、key-valueペアという呼び方をする場合もある。)P2Pでは、インデックス情報をどのように管理するかが重要となる。
課題と問題点

共有されるファイルの内容によっては違法行為となる場合があり、警察によるP2P監視システムを利用したサイバーパトロールや一斉検挙により、検挙されるものが後を絶たない[3]。日本において、2013年にファイル共有ソフト関連で検挙された者の内訳[4]は、著作権関連が66%、猥褻物陳列が19%、児童ポルノ禁止法違反が15%となっている。使用されたソフト別ではShareが50%、Perfect Darkが20%、Cabosが11%、μTorrentが11%、WinMXが7%、emuleが1%となっている。
著作権問題

手軽に共有できる点から著作権によって複製に制限があるデータを共有させるといった問題も発生している。

最初にファイル共有ソフトが著作権問題に問われたソフトウェアにNapsterがある。1999年12月RIAAがNapsterを提訴し[5]、Napsterは非商用目的で共有するのは合法であると主張したが、米連邦地裁からサービス停止命令が出され[6]、Napsterもこれに反論し続けたが、2001年7月にシステム障害を理由として、ファイル共有ソフトとしてのNapsterはサービスを終了した[7]

WinnyShareなどのファイル共有ソフトは、ファイルを暗号化し、データを送受信してファイルを共有する。


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