ファイト・クラブ
Fight Club
監督デヴィッド・フィンチャー
脚本ジム・ウールス
『ファイト・クラブ』(Fight Club)は、1999年製作のアメリカ映画。日本では1999年12月11日に20世紀フォックス配給により、日比谷映画他、全国東宝洋画系にて公開された。チャック・パラニュークの同名小説の映画化。 物語は『僕(I)』の視点で進行し、随所に『僕』のモノローグが挿入される。 大手自動車会社に勤務し、全米を飛び回ってリコールの調査を担当する『僕』(エドワード・ノートン)は不眠症に悩んでいた。高級コンドミニアムの自宅にはイケアのデザイン家具、職人手作りの食器、カルバン・クラインやアルマーニの高級ブランド衣類などを買い揃え、物質的には何不自由ない生活を送っているものの、症状が改善しないまま半年が経過している。 『僕』が精神科の医者に苦しみを訴えると、医者は「世の中にはもっと大きな苦しみがある」と言い、睾丸ガン患者の集いを紹介される。そこで『僕』はボブをはじめとした睾丸を失った男の悲痛な告白を聞き、慰めの言葉に感極まって彼らと共に涙を流す。すると、その夜は驚くほど深い眠りにつくことができた。 これが癖になった『僕』は黙っていれば誰も疑わないことに味を占め、末期ガン患者や結核患者などの自助グループに偽の患者として通うようになる[3]。ある日、睾丸ガン患者の集いに再び参加していると、明らかに女性であるマーラ・シンガー(ヘレナ・ボナム=カーター)が現れる。『僕』は様々な自助グループでマーラを見かけるようになると、彼女という異物が存在することで泣けなくなり、再び不眠症に陥ってしまう。娯楽目的のマーラを排除しようとする『僕』だが、自らも偽の患者であるために目論みは失敗し、お互いの参加する自助グループを分けて遭遇しないことで妥協する。 出張続きの日々を送る『僕』は、飛行機の機内で石鹸の行商人タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と出会う。自分と同じアタッシュケースを持ち、「本気になれば家にある物でどんな爆弾も作れる」と語る彼に好感を抱く。 『僕』が出張から帰ってくると、自宅では爆発事故が起きていた。コンドミニアムの外には自宅にあった物が無残な姿で飛び散っており、買い揃えた家具もブランド衣服も全て失ってしまう。出張用の荷物が詰まったスーツケースはトラブルで警察に送られたため、『僕』の手元にはアタッシュケース1つと、マーラとタイラーの連絡先だけが残っていた。『僕』はタイラーに助けを求め、バーで酒を酌み交わすことになる。タイラーは『僕』とは正反対の性格で、ユーモアあふれる危険な男だった。タイラーは『僕』を自宅に泊めることを快諾するが、代わりに「力いっぱい俺を殴ってくれ」と頼んでくる。2人は駐車場でふざけ合いながらも本気で殴り合った後、廃墟としか思えない邸宅で共同生活を始める。 2人は駐車場での殴り合いを度々行うようになり、いつしかそれを見ていた酔っ払いも殴りあいに参加し始めた。『僕』にとって殴り合いは新たな心の癒しとなり、痣だらけの顔で会社に通うことも一切気にならず、むしろ殴り合いが行われる土曜日の夜が待ち遠しくて仕方なかった。やがて殴り合いの場はバーの地下室へと移り、大勢の男達が集まって1対1の“ファイト(喧嘩)”を行う秘密の集まりへと変化する。集まりはファイト・クラブと名付けられ、いくつかのルールが設定された。
あらすじ