ピーターラビット
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この項目では、ピーターラビットシリーズについて説明しています。

原作の絵本については「ピーターラビットのおはなし」をご覧ください。

2018年の映画については「ピーターラビット (映画)」をご覧ください。

その他の用法については「ピーターラビット (曖昧さ回避)」をご覧ください。

『ピーターラビットのおはなし』よりピーターと家族

ピーターラビット(Peter Rabbit)は、ビアトリクス・ポター児童書に登場する主役キャラクターであり、シリーズ作品の総称ともなっている。「ピーターうさぎ」と翻訳されている場合もある。

1893年9月4日にビアトリクス・ポターが友人の息子に宛てた絵手紙が原型である[1][注 1]1902年には初の本「The Tale of Peter Rabbit(日本語タイトル:ピーターラビットのおはなし、ピーターうさぎ、ピーターうさぎのぼうけん)」が出版される[1]

ピーターラビットシリーズの累計発行部数は全世界で2億5000万部を超え[2][1]、第1作の「ピーターラビットのおはなし」の発行部数は全世界で4500万部を超えている[3]

日本では福音館書店版での「ピーターラビット」という表記が最も一般的なものとなっているが、日本以外の多くの国では"Peter Rabbit"を各国の言語に翻訳したタイトルで出版されている。日本でも「ピーターうさぎ」というタイトルの翻訳も存在する(詳しくは後述)。
ピーターの登場する作品
ピーターラビットのおはなし詳細は「ピーターラビットのおはなし」を参照『ピーターラビットのおはなし』初版本(1902)

ビアトリクス・ポターの最初の本で、ピーターと彼の家族が紹介された。ある日彼の母は森で遊んでいるピーターと彼の姉妹、フロプシー、モプシー、カトンテールを置いて市場へ出かける。母の言いつけを破ってピーターはマグレガーさんの農場へ忍び込んで野菜を食べ、マグレガーさんに見つかり、追い回される。辛くも逃げ出す事ができたが上着とをなくしてしまい、それはマグレガーさんの新しいカカシへ使用された。
ベンジャミンバニーのおはなし詳細は「ベンジャミンバニーのおはなし」を参照

ピーターのいとこ、ベンジャミンバニーはマクレガー夫妻の留守の間に、ピーターの服が未だにあるへピーターを連れてくる(前夜の雨の所為で服は少し縮んでいた)。ピーターの服を取り返した後、彼らはピーターの母の為にタマネギを盗むが、マクレガーさんのに捕まる。幸運にも、彼らが居ない事に気付いたベンジャミンの父に助けられる。
ティギーおばさんのおはなし

ピーターはベンジャミンと共に、この話でティギー・ウィンクルが他の衣服の中のピーターの上着を繕う場面で言及されている。
「ジンジャーとピクルズや」のおはなし詳細は「「ジンジャーとピクルズや」のおはなし」を参照

ジンジャーという猫とピクルズという犬による雑貨屋の盛衰の話で、商売の概念が子供にもわかりやすく解説されている。
フロプシーのこどもたち

ベンジャミンとフロプシー、そして彼らの子供らがレタスを求めて大人になったピーター夫婦の家にやってくる。
キツネどんのおはなし詳細は「キツネどんのおはなし」を参照

ベンジャミンとフロプシーの子供達は悪名高いアナグマ、トミー・ブロックに誘拐される。フロプシーがトミーを入れたベンジャミンの父へ怒りをぶつけている間に、ベンジャミンとピーターがブロックの後を追いかけると、彼はトッド(アヒルのジマイマのおはなしに登場したキツネにそっくりのキャラクター)の家へ隠れる。トッドは彼のベッドにアナグマが寝ているのを見て、の入ったバケツをトミーへ落ちる様にセットする。しかし罠を作動させる前に彼は目覚め、二匹はつかみ合いに入る。それを見ていたピーターとベンジャミンはその間に子供を救出する。
映像化
アニメーション
ピーターラビットとなかまたち(1992年 ‐ 1995年)
原題はThe World of Peter Rabbit and Friends
1992年から1995年にかけてBBCで放送された。実写パートとアニメパートで構成され、実写パートではニーヴ・キューザック演じるポターとコリー犬のケップ、及びピーターが登場する(実写パートでピーターとケップに台詞はない)。日本では、1990年フジテレビが本作と同じく英国のテレビシリーズである「きかんしゃトーマス」の放映権を獲得した事が本作の放送へと繋がり[4]1992年より同局の教育番組「ひらけ!ポンキッキ」及びその後継番組「ポンキッキーズ」において、コーナードラマとして放映された。イギリスとの共同製作としてエンディングクレジットにはポニーキャニオンとフジテレビがクレジットされている。吹き替えキャストにはポター役として檀ふみ、ピーター役として石井寧が起用された。番組独自のテーマソング「ぼうけんさがして」(作詞・作曲:黒田亜樹・宮崎美枝子、歌:芍薬)も製作され、1992年よりVHSビデオも全9巻発売された。その後フジテレビ版の音声を流用し、映像を再編集したものがNHKにて放送された。近年ではCS放送「カートゥーン ネットワーク」にて放送され、フジテレビで放映された映像、音声が流用された。また、2008年には角川エンタテインメントよりビアトリクス・ポターのドキュメンタリー映像やブックレットを封入した4枚組のDVD-BOXが発売された。
各話リスト

ピーターラビットとベンジャミンバニーのおはなし(1993年4月19日 - 4月23日放送)[5]

こねこのトムとあひるのジマイマのおはなし(1993年5月17日 - 5月21日放送)[6]

ひげのサムエルのおはなし(1993年6月21日 - 6月25日放送)[7]

グロースターの仕たて屋のおはなし(1993年8月27日放送)[8]

ティギーおばさんとジェレミー・フィッシャーどんのおはなし(1993年8月27日放送)[8]

こぶたのピグリン・ブランドのおはなし(1993年8月27日放送)[8]

2ひきのわるいねずみとまちねずみジョニーのおはなし

フロプシーのこどもたちとのねずみチュウチュウおくさんのおはなし

キツネどんのおはなし



キユーピー3分クッキング
約20年以上企業〈(主力のマヨネーズ及びドレッシング)とアヲハタ(ジャム・缶詰部門)〉のイメージキャラクターであった事から、番組の1990年代半ばから2000年代前半頃までオープニングとエンディングで使われていた。1980年頃から約20年間キユーピーのCMでも長年使用されていた。
ピーターラビットのだいぼうけん(2012年 - 2016年)
初の3DCGアニメーション。原題はPeter Rabbitで米国では2012年12月14日にNick Jr.で英国では2012年12月25日にBBCで放送された。日本では2014年9月6日よりカートゥーンネットワークで放送された。
映画化
ピーターラビットと仲間たち/ザ・バレエ(1971年)
バレエ映画で、英国ロイヤル・バレエ団が出演。振付フレデリック・アシュトン。監督レジナルド・ミルズ。ピーター・ラビットをはじめとするビアトリクス・ポターのキャラクター達が、精巧なマスクと衣装に再現され、華麗にバレエを舞いながらメドレー式に5つの物語を追う。絵本の世界は全てバレエで構成され、全体を通してセリフや解説が一言も出てこない異色の映画である。本国イギリスでは大ヒットし、以後は舞台作品として英国ロイヤル・バレエ団の定番レパートリーの一つとなっている。日本では1978年に公開、2003年にDVD化された(廃盤)。
ピーターラビット(2018年[9])、ピーターラビット2/バーナバスの誘惑(2021年)
実写と3DCGアニメの融合作品。監督はウィル・グラック
日本における受容
日本語訳

もっとも古い日本語訳は、1918年に『子供之友』(婦人之友社発行)に掲載されたものとされてきた。しかし1906年11月に発行された『日本農業雑誌』(日就社(現:読売新聞社)刊)に「お伽小説 悪戯な小兎」(松川二郎による訳)というタイトルで、一部に日本向けアレンジを加えた日本語訳が掲載されていたことが、2007年に判明し[10]、それまでの世界最古の外国語訳とされてきた1912年発行のオランダ語訳をもさらに遡る翻訳と認定される可能性があると報道された[11][12]

また実業之日本社の『幼年の友』1915年第2?4号に「ピータロー兎」というタイトルで日本語訳が掲載されていた。大東文化大学教授河野芳英の研究により、著者として記されている「海南」が官僚時代の下村宏(海南)である可能性が高いことが、2015年判明したと報じられた[13]

紙芝居は、早くからあったようで、高橋五山作・蛭田三郎絵・濱田廣介監督の「ピーター兎」は1938年「幼稚園紙芝居第11輯」として出版されている[14]

書籍として最初に発行された日本語訳は、1949年に世界社から出版された『天がおっこちてくる : アメリカ童話集』所収の『ピイターうさぎ』(ポター原作)、しまてるお著・松田文雄[15]、および1956年光文社から出版された光吉夏弥訳・ 瀬尾太郎絵の『世界新名作童話 ぴーたーうさぎのぼうけん』とエンゼル社から出版された堀尾青史文・たくみ工房美術・酒井善衛撮影の『ピーターうさぎ』(エンゼルブック人形絵本17)である。続いて1965年講談社から那須辰造訳・山田三郎絵の『せかいのおはなし ピーターうさぎ』、1969年偕成社から岸田衿子訳・三好碩也絵の『ピーターうさぎのぼうけん』、1971年旺文社から波多野勤子訳・赤坂包夫絵の『グロースターのようふくやさん』など複数の翻訳が出版されたが、1971年11月福音館書店から石井桃子の翻訳で『ピーターラビットのおはなし』が出版され、その後順次ピーターの登場する作品が翻訳出版されると、日本では福音館書店版がいわゆる定本と見なされるようになった[2]

その他八木田宜子訳、岡松きぬ子訳、まさきるりこ訳、きたむらまさお訳、中川李枝子訳などが出版されている。2022年には早川書房が120周年記念として川上未映子の翻訳版を刊行した[2]
イメージキャラクターとして

1980年から1990年代までキユーピーマヨネーズ[注 2]がCMのイメージキャラクターに起用したのを切っ掛けとして、ピーターラビットの登場キャラクターをデザインした瓶入りマヨネーズが今日まで販売されつづけている。また三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)では1988年からイメージキャラクターに起用され[16][17]、同行が2005年10月1日にUFJ信託銀行と合併した後も、引き続きキャラクターとして使われている。三菱UFJ信託銀行子会社三菱UFJ不動産販売もキャラクター採用している。また2007年には、映画の公開をきっかけとして「こぶたのピグリン・ブランド」がサントリー「DAKARA」のイメージキャラクター、2014年には、イライジャ・ウッドと共にトヨタ自動車のミニバン「ノア」のイメージキャラクターとして採用されている。

一部の図書カードの柄、ナガシマスパーランド埼玉県こども動物自然公園のイメージキャラクターとしても使われている。ナガシマスパーランドでは、2003年10月よりイメージキャラクターとして「ピーターラビット」のライセンス契約を世界で初めて締結し、園内でサンダル・浮き輪などのグッズ販売も行う。


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