ピラーニャ
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この項目では、軍用車について説明しています。その他の用法については「ピラニア (曖昧さ回避)」をご覧ください。
スイス陸軍のピラーニャ

モワク ピラーニャ(Mowag Piranha)は、スイスのモワク社で開発された装輪式装甲兵員輸送車である。1960年代に開発が始まり、最初の試作車両1972年に完成した。

現在の用装輪式装甲車隆盛のはしりとなった車両であり、採用国はアメリカカナダなどの西側先進国をはじめ、開発途上国で次第に増え続け、ライセンス生産車を含めて数多くの派生型・発展型が開発・生産されている。

モワク社は2004年ジェネラル・ダイナミクスの傘下に入り、2010年にはGDELS(ジェネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン・ランド・システムズ)となったため、現在は同社の製品となっている。
概要

4x4(4輪駆動)、6x6(6輪駆動)、8x8(8輪駆動)、10x10(10輪駆動)のモデルが存在するが、主流となっているのは8x8型である。車体は全て小火器に対する防御力を有する防弾鋼板溶接構造で、前部左側が操縦室、その右側が機関室、中央部が兵装/砲塔部、後部が兵員室となっている。また、水陸両用性も持ち合わせ、2基のスクリューで水上浮航が可能(使用国によっては取り外されていることもある)。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}4x4型6x6型
スイス陸軍の装甲救急車8x8型
ベルギー陸軍の車両(左:コッカリル 90mm低圧砲装備車 右:30mm機関砲装備車)10x10型

拡張性も高く、歩兵戦闘車偵察戦闘車指揮車両、自走迫撃砲戦車駆逐車戦闘工兵車装甲回収車など多彩なバリエーションが製造されている。チリ陸軍では、HS.404 20mm機関砲を連装砲架に搭載したTCM-20対空機関砲を6x6型ピラーニャに搭載した自走対空車両を運用しており[1]ベルギーカタールサウジアラビアは、コッカリル 90mm低圧砲装備のLCTS90 2名用砲塔を8x8型ピラーニャに搭載した火力支援車(装輪戦車)を運用している[2]。また、ジェネラル・ダイナミクス社の子会社GDLS(ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ)が製造ライセンスを取得し、カナダ軍向けのAVGP(6x6型)、アメリカ海兵隊向けのLAV-25(8x8型)、オーストラリア陸軍向けのASLAV(8x8型)などの独自の改良型を製造している。ほかには、チリライセンス生産を行っており、イギリスのヴィッカース plc(英語版)とアルヴィス plc(ともに現在のBAE システムズ・ランド・アンド・アーマメンツ)も製造ライセンスを保有している。
基本型
ピラーニャ I
初期型のシリーズで、現在はピラーニャ Iと呼ばれる。
4x46x6、8x8の3タイプが作られた。基本型の装甲兵員輸送車タイプは、4x4型が全備状態で7.8トン、乗員数は最大10名、6x6型は10.5トンで乗員数は最大14名、8x8型が12.3トンで乗員数は最大15名。
ピラーニャ II
1990年代に開発された、機動力装甲防御力を向上させたタイプ。
ピラーニャ III
1996年に開発された、搭載量・機動性と装甲防御力を更に向上させたタイプ。装甲防御力は、専用に開発された追加装甲パッケージを装着することで向上された。シリーズ中では最大の10x10型も新たに作られたが、これを採用したのはスウェーデンのみ。日本でもLAV III及びストライカー系の最新バージョンに当たるLAV6.0が96式装輪装甲車の後継候補に選定されたが、2021年11月、納入に到らないまま候補から脱落した[3]
ピラーニャ IV(英語版)
モジュール装甲を採用し、エッジの丸まった車体形状が特徴。装甲防御力の更なる強化に加えて、エンジン出力も向上。戦闘重量は24トンに達する。2007年に開発終了し、各国への売り込みが行われている。
ピラーニャ V(英語版)
ピラーニャ IVをベースに、イギリス陸軍の次期主力装輪装甲車として開発中(その後撤回、ボクサーが採用)。2021年12月、スペイン陸軍が採用した、ピラーニャVをベースとするDragon装輪戦闘車が、348 両とその整備業務、支援業務を17 億 4,000 万ユーロの発注契約に基づき量産が開始[4]
派生型アメリカ海兵隊のLAV-25NZLAVスペイン海兵隊のピラーニャ IIIC

ピラーニャには、各国ごとの要望に合わせて開発された数多くの派生型が存在する。
ピラーニャ I


AVGPカナダ陸軍仕様)

LAV-25アメリカ海兵隊仕様)

ASLAVオーストラリア陸軍仕様)

ピラーニャ II


バイソン装甲兵員輸送車(英語版)(カナダ陸軍仕様)

コヨーテ偵察戦闘車(英語版)(カナダ陸軍仕様)

デザート ピラーニャ(Desert Piranha)

LAV II

ピラーニャIII


LAV III(英語版)(カナダ陸軍仕様)

ストライカー装甲車アメリカ陸軍仕様)

NZLAV(英語版)(ニュージーランド陸軍仕様)

ピラーニャ IIIC

ピラーニャ IIIH

LAV6.0

採用国

オーストラリア

ベルギー

ボツワナ

ブラジル

カナダ

 チリ


 デンマーク

ガーナ

アイルランド


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