ピクサス
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ピクサス(PIXUS)は、キヤノンが発売している家庭用インクジェットプリンターのブランドである。ピクサス 560i
概要

日本トップシェアを誇る製品で、エプソンカラリオと激しい競争を展開している。カラリオがインク射出にピエゾ方式を採用しているのに対し、ピクサスはバブルジェット(サーマル)方式を使用している。

家庭用カラープリンタ黎明期には圧倒的なシェアを確保していたが、1997年にエプソンが写真印刷に重点を置いたプリンタを発売するとシェアが逆転される。その後、数年間は搭載した技術を次モデルでは搭載しなくなるなど商品開発の点で迷走が見られたが、2002年ごろからいわゆる「フォトインク」を搭載しなくとも「写真画質」を実現できるプリンタが登場するとシェアを伸ばし、2000年代後半からは両社の日本国内でのシェアは伯仲状態となっている。エプソンとは対照的に、写真と文書のそれぞれに求められる高画質を両立させており、普通紙への印刷に向いた顔料ブラックインクを全機種に搭載しているほか、上位機種ではブラックインクは顔料と染料(写真印刷に向く)の両方を搭載しており、2010年頃のモデルでは「W黒」としてPRしていたこともあった。PROシリーズでは全色が顔料インクという機種も存在する。

2007年以降、ラインナップは複合機が主流になっており、家庭用のA4複合機(MP/MG/TSシリーズ)は2016年3月をもって販売を終了した家庭用複写機「ファミリーコピア」の後継モデルを事実上兼ねている。
WonderBJBJ S520

WonderBJ(ワンダービージェイ)シリーズは、インクジェット方式を採用したシリアルプリンター。キヤノン主力商品のひとつであったが、2001年冬モデルより、PIXUS(ピクサス)というブランド名が付き、2004年冬モデルより、BJの冠を廃しPIXUSとブランド名のみの表記になる(輸出向けではPIXMA(ピクシマ)の名称を使用)。
Exif PrintとPIMの確執.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

2001年春モデルにエプソンが先行して、プリンターにてデジタルカメラの色情報を取り扱うPIM(PrintImageMatching)を搭載する。これにより、デジタルカメラのフォーマットにてエプソンのクローズド規格がデファクトスタンダード(事実上の標準)になることを怖れたキヤノンは、デジタルカメラ側から新たな規格Exifのバージョンアップを各社に呼びかけている。

この規格立案にエプソンも応じており、賛同企業として名を連ねていた時期もあったが、その先に発表になるPIM IIは次世代Exifに吸収された形で発表される直前に御破算になっている。結果、2003年春にPIM IIを発表。時を同じくしてExif 2.2(愛称)を発表している。

エプソン側が提案するデジタルカメラ画像を記録する規格と、Exif 2.2が提供する規格には本質的に違いがあり、エプソン側はプリンタ側からの視点が多く盛り込まれており、色指定などプリンタに左右されない色表現、sRGBに束縛されない色空間などが多数あった。一方、Exif 2.2はデジタルカメラ産業が中心となっている規格で、タグ(記録情報)の種類など、エプソンが望んだものの多くが削除され、プリンタ側の自由度が大幅に増している。

なお、Exif 2.2自体はエプソンも対応しており、規格争いについてはエプソン側の事実上の撤退により、現在ではExif 2.2が標準的に使われている。また、現在ではバージョンがアップされており、記録メディアにおける保存場所やファイル指定、色空間の追加(Adobe RGB)など、時代にあった拡張がおこなわれている。
VIVID

2001年冬モデルより採用された、キヤノンデジタルフォトカラーのひとつ。プリンターが持つ広い色の再現幅を目一杯活用し、sRGBの制限に囚われない鮮やかな印刷を実現する為の機能。

プリンタードライバ、及び一部のソフトウェアにて対応し、既に販売されていた一部のプリンターでも活用することができる。
PictBridge

デジタルカメラとプリンターを直接繋ぎ、パソコンを一切介さないでプリントする規格。2007年現在出まわっている多くのデジタルカメラ、及びプリンターに搭載されており、メーカーや機種を問わず簡単に印刷することが可能になっている。詳細は「PictBridge」を参照
プロフェッショナルフォトペーパー

BJ F850の販売にあわせて売り出された、キヤノン製インクジェット用写真用紙として最高級品に当たる。極めて高い光沢度を持ち、純正品として優れた品質の写真プリントを可能にしている。

ただし、過去に2度ほど品番を変えずに中身の変更を行っており、最新版では赤色が弱く出るため、それ以前の製品では各自調整をする必要がある。

1回目のマイナー変更は、F850発売の翌年、F870の発売と共におこなわれた。主な変更点は当時発売された高発色性、高耐退色性を持つBCI-6シリーズと一緒に、用紙側でも耐候性向上を詠っての変更。

現在の最新版である2回目の更新は、PIXUS 990i発売にあわせてのもので、100年プリントを詠うChromaLife100を可能にしたとしている。この時に、若干青色へ用紙の特性を傾けた為、それまでのプリンターで印刷すると青が強く発色される。
オートフォトパーフェクト

プリンタードライバに付属している、印刷画像補正技術。印刷前にドライバ側で、該当機能をセットしておくと、ドライバが自動的に明るさ、色の濃度などを調整し、鮮やかなプリントをしてくれる。

なお、画像情報そのものは一切手を加えないので、画像そのものが変化するなどの危険性はない。
ChromaLife100

キヤノンが進める保存性への取り組みから生まれた、BJプリンター全般の高い保存性を有する製品に付けられた、印刷技術に向けた総称。基本的には、純正品のインクや用紙の組み合わせによって実現し、互換製品利用に関してはその限りではない。規準は独自調査により、空気に自由に触れられる環境下で10年。写真フレームにいれて飾り付けるなどした条件下で25年。アルバムなどで冷暗された環境で100年の保存を可能にしている。
製品一覧

以下、「Wonder BJ」として展開していた1999年冬モデルから、「PIXUS」への変更を経て、現在に至るまでの製品に関して一通り記述していく。
1999年モデル
BJ F850
後塵を拝していたエプソンプリンターに、真っ向から高画質で戦いを挑んだ、まさしくエポックな製品。New MicroFine Droplet Technologyを初めて採用し、基幹技術は今も(07年現在)も健在。ロール紙などによる縁無し印刷などの機能はないが、エプソンに並ぶフル4ピコリットルのみの超写真画質、最高画質でも利用できるほどの双方印刷による超高速印刷(A4で6分)、独立インクタンクなど、当時のフルカラー高画質プリンターとしては画期的な要素をいくつも兼ね備えていた。更に、スキャナユニットを別途購入することで、原稿の読み込みも可能になった。搭載されていたBCI-5インクには耐光性能に問題があったため、次の年、新機種投入と共に、新インクBCI-6を使用可能にするアップグレードキットが発売される。
BJ F620
従来BJシリーズを更新した製品。デュアルヘッドシステムで、高画質モード、高速モードなどを選べることが可能になっている。
2000年モデル
BJ F870
F850の後継機種。印刷解像度を2倍の2400×1200にすることで、中間色のグラデーションをよりなめらかにすることを可能にした。印刷速度はA4フルカラーで、約4分と速度はさらに磨きをかける。前機種で問題となった、明るすぎる問題、耐候性がなさ過ぎる問題、を見事にクリアし、実用的な性能を持ち合わせることに成功。インクと紙の両方から改善アプローチを取ることで、為し遂げた。
BJ S600
従来からあるBJの高速性を、更にF850から始まった基幹技術を搭載した高速プリンター。Fシリーズと違い、
顔料ブラックを含む計4色のうちカラー3色(C/M/Y)のノズルを左右対称に配列することで、ヘッドの行き帰りのインク発出タイミングからくる色のズレをカバー。公称で白黒毎分15枚、カラー毎分10枚という高速性能を樹立。
BJ F870PD

BJ F860

BJ F660

BJ F660V

BJ F6600

BJ F360

主要2機種に加え、上記の6機種も同時期に発売。
2001年モデル
BJ F900
四辺縁無しプリントを実現する。印刷速度は、ノズルを2倍にするなどして更に高速化。縁無し通常画質印刷で1分という過去に類をみない速度を達成。更に、この頃普及を始めていたデジタルカメラとの親和性を高める為の、Exif 2.2に対応させ、高画質、高速、縁無し、という写真画質プリンターの基本性能を一段と成熟させていく。Exif 2.2などに関連して、画像処理技術VIVIDを初めて搭載する。これは、一律に彩度などを上げるなどせず、必要に応じて、被直線的にプリンターが持つ色空間を目一杯使う技術。一般的には、青や緑などが鮮やかになる。
BJ S700
高速プリンタシリーズの後続機種。基本的な高速性能を高めつつ、新たに完全双方向印刷(具体的には、ヘッドが右から左へ行くときも、左から右へいくときもインクを飛ばして印刷すること)を新たな次元へと改良を重ねた。具体的な方法は、カラーヘッドと、黒インクヘッドを縦列でずらすことで、黒インクが乾くまで、カラーインクを飛ばさないように工夫されている。
BJ F890

BJ F890PD

BJ F9000

BJ S500

BJ S300

BJ S200

この代から愛称を「PIXUS」に変更。
2002年モデル
春モデル
BJ F930
BJ F900のボディカラーを「ギャラクシーブルー」に変更したもので、基本性能はBJ F900と同等。
BJ S530
BJ S500の後継機種。更なる高速化により、カラー10枚/分を実現した。
BJ S330

BJ 895PD

BJ 535PD

なお、これらのモデルから「Easy-PhotoPrint」が標準添付された。
秋モデル
PIXUS 950i
Fシリーズの後続機種。まず、大きく見た目が変化する。現在(07年現在)のシリーズの原型ともなった、デザイン性、収納性を前面に押し出した、置きたくなるプリンター、置いていてもさまになるプリンター、という今までにないコンセプトを打ち出している。高画質に関しては、F850より続いていた4ピコリットルから変更され、2ピコリットルになる。これにより、色の段階は一気に向上し、エプソンが持つ高画質に近づく。解像度もそれに伴い4800×1200dpiまで押し上げられている。その他CD印刷が可能になるなど、高機能化にも着手している。
PIXUS 850i
Sシリーズの後続機種。これまで続いていた5ピコリットルから、2ピコリットルと5ピコリットルの二種類を打ち分ける変則システムにかわる。全般的な画質については、それまでの6色インクシステムに肉薄する程の高画質を達成し、それまで言われていた高画質=6色インク以上、という常識をかなりの部分で払拭できた。更に6色に比べ、カラー印刷のインクコストが半分程度と財布に優しい高画質インクジェットプリンターの先駆けとも言われている。ただし、唯一の弱点は、写真印刷の時に顔料ブラックインクが使えず、黒が浮いてしまうという点である。


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