ピアノ五重奏曲(ピアノごじゅうそうきょく)は西洋音楽における室内楽曲の形態の1つ。19世紀以降はピアノに弦楽四重奏を加えた編成が基本である。このジャンルにおける代表作であるフランツ・シューベルトの『鱒』など、19世紀初頭まではコントラバスを加えた編成が多かったが、ロベルト・シューマン以降は上記の編成が主流となった。一部では、管楽器を用いた曲も見られる。
一般にソナタと同じ構成を持つ複数楽章から構成される。すなわち、急-緩-舞-急の4楽章または急-緩-急の3楽章から成っていて、第1楽章がソナタ形式となっているのが基本的な形である。 ピアノと管楽器のための五重奏曲 - 単にピアノ五重奏曲と呼ばれることもある。
主な作曲家と作品
フンメル - 変ホ短調 op.87、ニ短調(七重奏曲第1番ニ短調 Op.74の編曲版)…共にピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成。
オンスロー - ト長調op.76
リース - ロ短調op.74
シューベルト - イ長調 D667「鱒」 …ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成。
ベルワルド - 第1番ハ短調、第2番イ長調
ノヴァコフスキ - 変ホ長調op.17
ファランク - 第1番イ短調op.30、第2番ホ長調op.31
シューマン - 変ホ長調 Op.44
キール - 第1番イ長調op.75、第2番ハ短調op.76
ラフ - イ短調op.107
ライネッケ - イ長調op.83
フランク - ヘ短調
ルビンシテイン - ト短調op.99
ブラームス - ヘ短調 op.34
ボロディン - ハ短調
サン=サーンス - イ短調op.14
ゲッツ - ハ短調op.16
ズガンバーティ - 第1番ヘ短調op.4、第2番変ロ長調op.4
ドヴォルザーク - 第1番イ長調 B.28、第2番イ長調 B.155
ヴィドール - 第1番ニ短調op.7、第2番ニ長調op.68
フォーレ - 第1番ニ短調 op.89、第2番ハ短調 op.115
ザレンプスキ - ト短調 op.34
シンディング - ホ短調op.5
タネーエフ - ト長調op.30
マルトゥッチ - ハ長調op.45
エルガー - イ短調op.84
トゥイレ - op.20
ピエルネ - ホ短調 op.41
シベリウス - ト短調
グラナドス - ト短調
ビーチ - 嬰ヘ短調op.67
プフィッツナー - ハ長調op.23
ヴィエルヌ - ハ短調op.42
レーガー - 第1番ハ短調op.64、第2番ハ短調
アーン - 嬰ヘ短調
フランツ・シュミット - ト長調
エルンスト・フォン・ドホナーニ - 第1番ハ短調op.1、第2番変ホ短調op.26
ブリッジ
フルトヴェングラー - ハ長調
ブロッホ - 第1番ハ長調op.1、第2番
エネスク - op.29
トゥリーナ - ト短調op.1
ウェーベルン - ハ長調(単一楽章)
トッホ - op.64
ヒンデミット - op.7
コルンゴルト - ホ長調op.15
チェレプニン - op.44
ショスタコーヴィチ - ト短調 op.57
ヒナステラ - op.29
ペイコ - ニ短調
コッコネン - op.5
シュニトケ
オーンスタイン
ヘンツェ
類似の編成による楽曲
オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、ピアノ
モーツァルト:K.452