ピアノソナタ ホ短調 作品7は、エドヴァルト・グリーグが作曲した唯一のピアノソナタ。創作の最初期に作曲された。 ライプツィヒ音楽院で学んだグリーグは、1862年に卒業すると、母国ノルウェーに帰国したのちピアニスト、作曲家としての活動を始めた。1863年にデンマークの作曲家ニルス・ゲーゼを訪問する目的でコペンハーゲンに赴き、しばらくこの地に住んだが、同地でノルウェーの作曲家リカルド・ノルドロークと知り合った。グリーグはノルドロークの影響を受けて、国民主義的な音楽を書くことを決心した。 このピアノソナタは、それから2年ほどのちの1865年に作曲されたが、ソナタという小品ほどに自由ではない作品であることもあり、さほどノルウェー的なものは強く示されていない。しかし、旋律の端々にはグリーグの後の作品に聴かれるような彼らしい特徴のある動きが見られる。ゲーゼに献呈されており、彼の同じくホ短調のピアノソナタ(1840年、1854年改作)の影響も考えられている。 全4楽章の構成で、演奏時間は約17分。 典型的な作曲家の初期の作品で書法上の問題があり、音響的には大きな効果は発揮しない。テクニックも難しく、めったに演奏されない作品である。 作曲者自身が1903年5月2日にパリで第3・4楽章を録音している。グリーグ擁護者のレイフ・オヴェ・アンスネスなどが録音している。なお、お気に入りの作曲家の一人がグリーグであったグレン・グールドも本作品を録音している。
概要
構成
第1楽章 アレグロ・モデラートホ短調、4分の2拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ・モルトハ長調、4分の4拍子。自由な変奏曲形式。
第3楽章 アラ・メヌエット・マ・ポコ・ピウ・レントホ短調、4分の3拍子。三部形式。
第4楽章 フィナーレ(モルト・アレグロ)ホ短調、8分の6拍子。短い序奏の付いたソナタ形式。
演奏について
外部リンク
ピアノソナタ作品7の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
楽譜付き全曲演奏(演奏:グレン・グールド)
表
話
編
歴
エドヴァルド・グリーグ
楽曲一覧
管弦楽曲
交響曲 - 秋に - ノルウェー舞曲(ジット編曲) - 古いノルウェーのロマンスと変奏 - 抒情組曲 - 交響的舞曲
劇付随音楽
2つの悲しき旋律 - ホルベアの時代から - 2つのメロディ - 2つのノルウェーの旋律
吹奏楽曲
ピアノ協奏曲
室内楽曲
チェロソナタ - 弦楽四重奏曲 - ヴァイオリンソナタ(第1番 - 第2番 - 第3番)
ピアノ連弾曲
7つのフーガ - ピアノソナタ - リカルド・ノルドローク追悼の葬送行進曲 - 抒情小曲集(トロルドハウゲンの婚礼の日(英語版)) - 人々の暮らしの情景(花嫁の行列の通過) - ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード - ホルベアの時代から - 古いノルウェーのロマンスと変奏 - スロッテル
合唱曲
南の修道院の前で - オーラヴ・トリグヴァーソン
歌曲
心のメロディ(ノルウェー語版)(君を愛す) - 4つの詩op.21(初めての出会い) - 「ペール・ギュント」からの歌曲(ソルヴェイグの歌 - ソルヴェイグの子守唄) - 王女 - ヘンリク・イプセンの6つの詩(吟遊詩人の歌 - 白鳥) - 5つの詩op.26(初めての桜草)- 12のメロディop.33(春) - ロマンス集op.39(モンテ・ピンチョから) - 6つの歌op.48(世の中はそうしたもの) - ヴィルヘルム・クラグの詩(待つ間に) - 山の娘(英語版、ノルウェー語版)
典拠管理データベース
国立図書館
アメリカ
その他
MusicBrainz作品